小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 柳田議員にお答えいたします。
 年金改正法が抜本改革でなく、説明責任も果たされないと、持続可能な年金制度が必要ではないかとのお尋ねでございます。
 さきの通常国会で成立した年金法は、長期的な給付と負担の均衡を確保し、持続可能な年金制度とするという避けることのできない課題に正面から取り組んだ抜本的なものであります。国会審議の中で課題とされた年金の一元化問題については、現在、政府においては、経済界、労働界などの参加を得ながら、社会保障制度全般の一体的な見直しの中で幅広く議論を進めており、今後ともこうした議論を通じ、持続可能な年金制度の構築に向け最大限努力してまいります。
 なお、平成十五年の合計特殊出生率につきましては、公表までの事務処理が不適切であったことは誠に遺憾でありました。
 また、御指摘の負担の上限と給付の下限の問題については、これまでも世帯類型ごとに給付と負担の水準について説明してきたところでございます。
 政府としては、こうした点も含め改正の内容についてはあらゆる機会を通じ国民に対し説明し、着実な施行に努めてまいります。
 一方、国会においては、引き続き年金制度をめぐって提起されている幅広い課題に答えを出していくために、国民的な見地から議論を行っていく必要があるという自民党、公明党、民主党の三党合意がなされました。私は、これまで、この合意を踏まえて早急に与野党協議を開始するよう呼び掛けてまいりました。さきに連合の笹森会長が、民主党は独自案と国会対策に固執せず、どうしたら国民のための制度が早く確立できるかを考え、真摯な政党間協議を行い、国民に対する政党の責任を果たすべきではないかと述べております。改めて民主党に対し真摯な与野党協議を行うよう、この際求めてまいりたいと思います。
 医療制度についてでございますが、昨年三月に医療保険制度体系等に関する改革の基本方針を閣議決定いたしました。経済、財政とも均衡の取れた安定的で持続可能な医療保険制度を構築し、将来にわたり国民皆保険制度を堅持していくために、基本方針や社会保障制度全般について幅広く議論を進めている政府の社会保障の在り方に関する懇談会での議論等を踏まえ、平成十八年の通常国会に医療保険全体の改正法案を提出する方向で検討を進めてまいります。
 介護保険制度の給付増への対応でございますが、介護保険制度は、利用者、サービス量の大幅な増加などに見られるように、国民の老後の安心を支える仕組みとして所期の成果を上げていると思います。しかし、その一方で給付が急激に増大しており、今後、介護保険制度に求められる最も重要な課題は、制度として持続可能性をより高めることにあると思います。このため、現在検討を進めている介護保険制度の見直しにつきましては、予防を重視したシステムへの転換、施設入所費用の見直しなど、給付の効率化、重点化に取り組んでいく必要があると考えております。
 介護保険制度の負担と給付に関する市町村間の格差についてでございますが、介護保険制度は、保険者である市町村がそれぞれの地域住民の要望を踏まえて提供する介護サービスの水準と保険料の設定を行う仕組みであり、市町村で給付と負担の水準が異なるのは、基本的にはそれぞれの地域住民の選択の結果であると考えております。
 ただし、各市町村の高齢者の人口構成や被保険者の所得水準の違いなど、必ずしも市町村の責に帰すべきではない事由については、保険料の格差が生じないよう既に現行制度において必要な財政調整を行っているところでございます。
 介護保険制度と障害者支援費制度の統合でございますが、障害者保健福祉制度については、現在、障害の種類にかかわらずサービスを一元化することや障害者が働ける環境を整備することなど、制度が安定的、効率的なものとなるよう抜本的な見直しを検討しているところでございます。御指摘の介護保険制度と障害者支援費制度との関係についても、今後関係者の意見を聞きながら検討してまいります。
 治安対策でございますが、治安の回復には、現場で取締りなどに当たる警察力の強化に加えて、自分たちの町は自分たちで守るという自発的意思に支えられた社会全体の犯罪抑止力の再生が極めて重要であるということは議員御指摘のとおりでございます。
 政府としては、こうした認識に立って、犯罪に強い社会の実現のための行動計画に従い、犯罪の社会的要因や犯罪の未然防止の視点にも十分配意した総合的な対策を積極的に推進してまいります。
 北朝鮮外交でございますが、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決した上で、北東アジア地域の平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現するという政府の基本方針は一貫しております。次回日朝実務者協議において、安否不明の拉致被害者に関する具体的情報を得るべく、協議の進め方にも工夫をして、協議の開催に至る過程において、引き続き再調査の迅速な進展とその結果の速やかな提示につき北朝鮮側に一層強く働き掛けていく考えであります。
 北朝鮮に対しては、経済制裁についてのお尋ねでございますが、対話と圧力の考えの下に、経済制裁も可能な一つの手段ではありますが、まず経済制裁ありきというのではなくて、北朝鮮が諸懸案の解決に向けた前向きかつ誠実な対応を取るよう、引き続き働き掛けていきたいと考えます。
 米軍ヘリの墜落事故に関連し、日米地位協定の見直しについてでございますが、日米地位協定につきましては、政府としては、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるという考えの下に、運用の改善に努力しているところであります。
 今回の事故については、その現場での対応を検証し、問題があった点について改善を図っていくべく日米間で話し合っているところであります。
 イラクとアルカイーダとの関係及びイラクの大量破壊兵器の問題についてでございますが、イラク監視グループの報告では、大量破壊兵器がイラクにおいて発見されなかったとしつつ、フセインは制裁が解除された際に大量破壊兵器計画を再構築できる能力を維持する意図を有していた旨述べられていると承知しております。
 イラクが過去、実際に大量破壊兵器を使用した事実や国連査察団の指摘している数々の未解決の問題等にかんがみれば、米国等によるイラクに対する武力行使の時点で大量破壊兵器はあると想定するに足る理由があったと考えております。
 いずれにせよ、我が国は、イラクが累次の国連安保理決議に違反し続け、また国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかったとの認識の下で、自主的な判断に基づき武力行使を支持したものであり、その判断は正しかったと考えております。
 なお、イラクとアルカイーダの関係については、我が国が収集した情報を総合しても、フセイン政権が組織的にアルカイーダを支援してきたとの確たる証拠に接していなかったことはこれまでも述べてきたところでございます。
 防衛計画の大綱についてでございますが、我が国は、自国の安全と繁栄を確保するためにも、今後、国際社会の平和と安定のために主体的、積極的に取り組む必要があると考えております。また、既存の体制、装備等の抜本的な見直し、効率化を図りながら、テロや大量破壊兵器の拡散などの新たな脅威への対応について着実に取り組んでいく必要があります。
 このような考えの下に、安全保障と防衛力に関する懇談会の提言を踏まえつつ、国会における議論、友好国との安全保障に関する意見交換なども参考にしながら、将来に向けての安全保障政策と防衛力の構築を目指して、新たな防衛計画の大綱を作成してまいります。(拍手)

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2004-10-15

院: 参議院

会議名: 本会議