田浦直の発言 (本会議)
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○田浦直君 私は、自由民主党を代表して、平成十五年度決算について、総理始め関係閣僚に質問をいたします。
質問に入る前に、去る十一月十四日、国民にとって喜ばしい報道が国じゅうにあふれました。紀宮様と東京都職員黒田慶樹さんとの御婚約内定の報でございます。
伺いますれば、お二方を始め皇室の皆様は、豪雨や地震の災害で被災された皆さんにお気を遣われて発表を差し控えられていたとのことでした。常に国民とともにいてくださる皇室に感動いたしたところでございます。
私ども国会もあらゆる方策を講じて復旧に努めてまいります。政府にも最大限の努力を要請いたしますが、この苦難から必ず立ち直って、来年の御結婚の儀には国民こぞって心よりお祝いをいたしたいと思っております。
それでは、総理、APEC御出席御苦労さまでした。再選されて初めてのブッシュ米大統領や胡錦濤中国主席との会談が伝えられておりますが、これに関する総理の御所見を御披瀝お願いいたします。
それでは、本論に入ります。
本決算は、従来の決算に比べ約二か月早い十一月十九日に提出されました。これは参議院が永年主張し、改革の旗印に掲げてきた決算の重視がようやく軌道に乗ってきたものであり、御尽力されました参議院改革協議会の各委員はもとより、改革に努めてこられました先輩各位に心から敬意を表するものであります。
抑制、均衡、補完、参議院の使命は衆議院の行き過ぎを抑制し、チェック・アンド・バランスを発揮し、足らざるを補うことにあると言われてまいりました。しかしながら、これではいかに審査を充実しても参議院の位置付けは衆議院の補完であります。
我が党では、憲法改正に向け、党の調査会で草案作成作業に入っております。予算重視の衆議院に対し、参議院は決算を重視するという役割分業の観点に立ち再構築するならば、二院制の意義も見いだせると考えております。
また、会計検査院を参議院の附属機関とし、決算のみならず政策評価も行わせる考えも持っております。
総理、定着してきた参議院の決算審査の充実、早期審査、参議院の在り方についてどのようにお考えか、御披瀝をお願いします。
決算の早期提出により、政府予算案の閣議決定前の決算審査が可能となりました。今後は、いかに迅速にかつ充実した決算審査を行い、予算編成に反映させるかが焦点となります。本日の本会議質疑、さらには来月二日に総理以下全大臣出席の下行われる決算委員会の全般質疑での指摘を、十二月の政府予算案に具体的にどのように反映させていくのか、この点について総理の明快な御所見をお伺いします。
ITの普及等により決算書の作成等は以前に比較し格段に簡便かつ迅速にできるようになっておりますので、九月か十月の提出となれば更に充実した審査が可能となります。今後どの程度まで早期提出が可能か、財務大臣の御所見をお伺いいたします。
次に、十五年度決算の概要と十五年度財政運営について伺います。
十五年度予算は、経済活性化のため一・八兆円規模の減税を先行実施し、公共投資関係費を絞り込む一方、都市の再生や地方の活性化に重点配分するなどめり張りの利いた財政運営が行われました。
この結果、十四年度来、回復に向かっていた我が国の経済は民間需要主導の経済成長を実現し、十五年度の実質GDP成長率は三・二%と当初予測の〇・六%を大幅に上回り、税収も予想額より一兆四千九百六十四億円増の四十三兆二千八百二十四億円となりました。
景気が回復に向かい、税収も当初予測を上回った十五年度の経済財政運営について、総理の総括的御所見を伺います。
当初予算に比べ、税収が持ち直した十五年度決算ですが、絶対額で見た場合、依然として税収の低迷は止まらず、財政の悪化は続いております。
十五年度の税収は、税収がピークだった平成二年度に比べ十七兆円近く減少し、その一方で、十五年度の公債発行額は三十五兆三千四百四十九億円と過去二番目、公債依存度は四二・九%と過去最悪となっております。
十五年度末で四百五十九兆円、十六年度末で四百八十三兆円に達しようとする公債残高と合わせて、悪化に歯止めが掛からない我が国の財政の現状をどう認識されるのか、総理の御所見を伺います。
次に、ODAについて伺います。
参議院は、さきの閉会中に初めてODA調査のため海外三地域に議員派遣を実施し、先般、各班から派遣報告書が提出されました。これは、参議院改革協議会の提言に基づき、決算重視の立場から、ODA経費の効率的運用に資するために実施されたものでございます。本年度は、我が国のODAの特色と位置付けられ、かつ実績に占める割合も高い有償資金協力について重点的に調査しました。
派遣報告は、特に中国について、我が国国民感情として戸惑いを禁じ得ないさきのサッカーアジアカップでの反日行動等についても言及し、我が国からのODAが日本の顔の見える形の援助になっているのかを視点の一つとして調査を行ったとしております。
その上で報告書は、今回の調査において対中国ODAを引き続き推進することの必要性は見当たらなかったとし、対中国円借款については廃止をも視野に入れ、当面は元本残高が増加しない程度まで縮減すべきと踏み込んだ提言をしております。
参議院として初めての試みであり、一回の調査で結論付けるのではなく、来年以降、調査も継続して決めるものとは存じますが、この提言を政府としてどのように受け止め、今後のODA政策に反映していくのか、総理並びに外務大臣の率直な答弁を期待いたしております。
また、外務省は十七年度予算の概算要求で対前年度比一五・三%増の五千七百六十六億円のODA予算を要求していますが、対中国ODAを始め、政府開発援助予算が省庁の既得権と化し惰性で継続していくことのないように、めり張りの利いた予算編成を強く要望しておきます。
次に、十五年度決算検査報告について伺います。
検査報告における指摘金額は過去二番目の四百三十億円に上っております。財政状況の悪化が続く中、かかる多額の指摘を受けたことについて財務大臣の御所見をお伺いします。
指摘金額のうち、厚生労働省が依然として最多の百五十九億円となっておりますが、この中には、汚職事件に発展した社会保険庁の不適切な購入契約、逮捕者を出した広島労働局の不正経理などが含まれております。
極めて遺憾な事態と考えますが、厚生労働省での不祥事の頻発をどう認識されておられるのか、再発防止策を含め、厚生労働大臣の御所見を求めます。
また、検査報告では外務省の二十一公館における不適切な出納事務等も指摘されており、この中には現金の横領も含まれております。外務省については、報償費をめぐる不祥事以来、綱紀粛正と意識改革の必要性が再三指摘されながら、会計検査院から更なる指摘を受けたことを外務大臣はどう認識されておられるのでしょうか。
加えて、本院のODA調査の際にも、わずかな風雨を理由に在外公館に国旗を掲揚しないなど、職務遂行に疑問を感じる点があったということであります。
公館は、海外における我が国の存在そのものであります。在外公館における国旗の掲揚について、通達等の明快な規定があってしかるべきと考えますが、この点も併せて外務大臣の御所見をお伺いします。
いよいよ十五年度決算の審査が開始されます。従前にも増し速やかにかつ充実した決算審査が行われ、十七年度の政府予算案の編成、十八年度の概算要求等に的確に反映されることを強く要望して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕