谷博之の発言 (本会議)
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○谷博之君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成十五年度決算について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
冒頭、一言申し上げます。
小泉総理、私の顔をよくごらんをいただきたい。私は、以前から総理にどこか似ていると言われております。小さくて細い目、あごの張った四角い顔、ライオンのような長い髪、どこか共通点があるのかもしれません。
しかし、最近、そういうことを言われれば言われるほど、私は残念で不本意でなりません。それは総理の顔の表情が以前と大分変わってきたからであります。総理に就任した当時と現在の顔の表情は、何か感情が露骨に表れ、そしていら立ったり、投げやりになったり、時にはだんまりを通したり、正に落ち着きのない表情が随所に見られるからであります。
人間の顔は胸の内を映し出す心の鏡だと言われております。小泉総理に一言申し上げます。どうか、好きな海外渡航や特定の国の大統領の声を聞き、得意の丸投げ投球を、力を注ぐのではなくて、もっともっと国民の声を率直に聞き、純粋に聞いて、そして自然体の素直な気持ちで国政に当たり、御自分の心を磨いていただきたい。そうすれば、以前の明るくて、そして清新な、得意の片手を上げてポーズを取る姿も似合いの総理が戻ってくる、このように私は信じております。
そういうあなたに私がもし似ていると言われれば、大変、悪い気持ちもしないし、むしろ党派を超えてうれしくも思います。このことは私自身に、自分にも問い掛けている、そういうことであることを御理解をいただき、私のこの考え方を是非御理解を賜りたい、このように思っております。
決算の質問に入る前に、直近の課題についてお伺いいたします。
十一月二十一日の日中首脳会談では、総理の靖国参拝が大きな問題となりました。政冷経熱の日中関係をどうするのか、靖国参拝を来年も続けるつもりなのか、御所見をお伺いしたいと思います。
また、今年は台風、地震と自然災害の多い年でもありました。被害に遭われた方々に心から御冥福とお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。
そして、新潟中越地震についてお伺いいたします。
あの激震から一か月を経て、このたび激甚災害の指定が行われました。しかし、三兆円とも言われている被害に対し、補正予算は年明けというのでは余りにも遅過ぎますし、直ちにこの国会の会期を延長してでも年内成立を目指すべきだと考えておりますが、中越地震対策の特別立法化も含めて、総理の御所見をお伺いいたします。
次に、平成十五年度決算に関する質問に入らせていただきます。
今回の決算は、初めて来年度の予算編成前に提出をされました。早期提出は参議院がかねてより政府に要請してきたことであり、それなりに評価をするものでありますが、しからば、この平成十五年度決算をいかに平成十七年度予算に反映させるつもりなのか、総理の御所見を伺います。
会計検査院の報告に国民は毎年うんざりしています。今後の不正防止と次年度予算に生かすためには、例えば会計検査院が不正や問題をつかんだ時点で公表したり刑事告発をするべきです。対象省庁が認めない限り検査報告には記載しないという霞が関の暗黙のルールも全くおかしいと思います。無駄な支出を弁償したケースの公表など、会計検査院をめぐる課題は数多くあります。にもかかわらず、会計検査院は国会法上、本会議に出席が許されておりません。今後更なる参議院改革、決算重視を進めていくために、是非とも国会法改正を行い、参議院本会議に会計検査院が出席できるようにすべきだと考えますが、総理の御見解を伺います。
次に、イラクへの自衛隊派遣について伺います。
今年一月、陸上自衛隊第一次隊がサマワに派遣されましたが、これには平成十五年度の予備費から二百九十六億円が支出をされました。が、しかし、この予備費は、本来、災害対策費や総選挙費用など不測の事態に備えたものであり、昨年七月にイラク特措法を強行採決して以来、十二月の派遣決定まで五か月もあったのですから、事の本質からして、閣議だけで決められる予備費からは支出せず、補正予算を組むべきだったと思いますが、総理に伺います。
イラクの情勢は、六月の政権移譲後むしろ悪化し、自衛隊駐屯地にもロケット弾が度々撃ち込まれています。こういう状況の下で、総理は、自衛隊のいるところが非戦闘地域だと詭弁を弄し続け、さきの日米会談でもいとも簡単に派遣延長を約束してしまいました。しかし、最近の世論調査では、多くの国民が延長をすべきではないと回答しています。
総理は、国民の声に耳を傾け、十二月十四日に期限を迎える自衛隊の撤退を英断すべきです。そのためにも、野党三党提出のイラク復興特別措置法廃止法案を堂々と採決に付していただきたいと思いますが、総理のお考えを伺います。
対米追従の小泉方針は沖縄県民にも大きな負担を強いています。普天間飛行場の代替施設の建設については、平成十五年度までの六年間で約十六億円が支出をされ、名護市辺野古沖で現在、現地技術調査が行われています。その一環として、政府は、十一月十五日、サンゴ礁に穴を開けるボーリング調査を強行しようとしましたが、地元の人たちが抗議の船を出し、決死のダイビングで阻止しています。事業者である国は、万が一にも人命にかかわる事態とならぬよう直ちに事業を中止し、米軍とともに更なる代替策を探るべきだと考えますが、総理のお考えをお聞かせいただきます。
平成十五年度決算では、税収は予算額より増えているものの、十四年度決算と比べると五千億円以上も下回っており、公債発行額は過去二番目の三十五兆三千四百四十九億円、公債依存度は四二・九%と過去最悪となっています。このままではプライマリーバランスの二〇一〇年代初頭での黒字化は絵にかいたもちになりかねません。
私の地元栃木県では、自立と自助、そして互助による幸福を求める分度推譲の理念を県政改革の基本理念として改革が進んでおります。その結果、栃木県では取組三年目で既に単年度黒字決算を実現しています。
この二宮尊徳の教えである分度推譲の理念を総理はどうお考えでしょうか。そして、是非栃木県の取組を研究して国の財政運営に当たっていただきたいと思いますが、総理の御所見を伺います。
次に、三位一体改革について伺います。
この改革が財政再建だけでなく地方分権の実現に真に役立つものであれば、決して異を唱えるものではありません。が、しかし、このたび政府・与党が取りまとめた改革の枠組みは、政官業癒着の既得権益を残しつつ、三兆円という数字だけを合わせた、改革とは似ても非なるものと考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
十月二十二日の経済財政諮問会議で、財務省は、平成十四年度の地方財政計画において公共事業費を中心に総額七兆円から八兆円の過大計上があったことを指摘しています。これは、一九九〇年代後半以降、民主党が糾弾してきた国の財政拡大積極策に地方を巻き込んだ負の遺産であります。今更地方に何を言える立場なのでしょうか。財務と総務の両大臣に双方の御所見を伺います。
また、地方財政は、ここ数年大幅な財源不足に陥っており、借入金残高は十六年度末には二百四兆円と見込まれ、改善の見通しが立っておりません。地方交付税の大幅な削減を主張する財務省では、定率減税の廃止が議論され、大臣も地方独自の税を創設せよなどと発言しています。一方、総務省は、一般行政経費が不足しているのだと主張しておりますが、その不足額は一体幾らだったのでしょうか。また、なぜその内容を明らかにしてこなかったんでしょうか。
一般行政経費の内訳を明らかにすることは、国の予算を投入する以上、当然だと考えますが、総務と財務の両大臣に、それぞれのお考えをお伺いいたしたいと思います。
平成十五年度にスタートした障害者支援費制度は、措置から利用へと福祉を大きく変えてまいりました。そして、特に知的障害者が在宅サービスを利用できるようになるなど、一定の評価がなされてまいりました。
しかし、サービス量が増えた結果、初年度から百二十八億円の不足となり、省内の予算をかき集めて何とかしのいできましたが、今年は更に二百数十億円の不足が見込まれており、それをどうするつもりなのか、厚生労働大臣にお伺いをいたしたいと思います。
また、障害福祉と介護保険との統合の議論と同時に、難病患者など、いわゆる制度の谷間を生んできた縦割りの障害福祉を一体化するという障害保健福祉のグランドデザインについてもお伺いいたします。この動きはいかにも唐突感は否めず、当事者団体の間でも戸惑いと不安を生じさせております。難病対策推進法案の草案を練ってきた私の経験からも、障害者福祉サービス法で障害の定義をする限りは必ず新たな谷間を生んでくると懸念しておりますが、厚生労働大臣の御所見をお伺いいたします。
平成十五年十二月、足利銀行は金融庁の検査をきっかけに、預金保険法第百二条三号を適用され、破綻しました。しかし、この破綻を決定した同年十一月二十八日夜の金融危機対応会議では、その議事録要旨を見ても、足銀監査法人から債務超過との報告を受けただけで、それをうのみにし、会議自体が債務超過の事実を認定しておりません。私は、この会議の答申には手続上の瑕疵があると以前から指摘をしており、三号適用による国有化は違法だと考えております。この会議の議長であった総理の見解を求めます。
平成十五年度決算について、会計検査院は四百三十億円という二十三年ぶりの高額な無駄遣いを指摘しました。さらには、不適切な仕組みや政策により、たなざらしになった事業への支出、つまり背景金額には実に合計二兆二千四百三十二億円に達しております。地方や国民に負担を求める前に、まず政府は自らが襟を正すことが必要なのではないでしょうか。平成十六年度決算では着実に指摘金額及びこの背景金額を減らすとの総理のお約束をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
広島の労働局が不正経理、裏金作りを組織ぐるみで行っていたことが明らかになり、会計検査院は全国の都道府県労働局の検査を行っています。労働局の悪質な実態が明らかになった以上、国のその他の出先機関、例えば地方厚生局や地方整備局あるいは地方農政局でも同様の組織ぐるみの不正経理が行われているのではないかと私は疑っております。そこで、会計検査院に指摘される前に地方出先の一斉点検を行うべきと考えますが、特に社会保険庁の不正なども指摘されている厚生労働大臣の御所見を伺います。
更にひどいのは、本来なら汚職や不正を取り締まるべき警察が、自ら犯罪行為に手を染めていたことであります。北海道警察は二十二日、道議会に対し、平成十年から十五年度の間の裏金総額が約十億九千六百万円に上ることを明らかにしました。また、北海道警察は、会計検査院に対し偽造領収書を提出するなど、組織ぐるみの極めて悪質な検査妨害を行いました。これは正に刑法上の公文書偽造又は私文書偽造罪に該当するものであり、なぜこれを摘発しないのでしょうか。国家公安委員会委員長に伺います。
OBにも声を掛けて早急に国庫に返還させるからいいとか、内輪だから摘発できないとかというのでは正に論外です。北海道だけでなく、福岡県など次々に全国の警察で公費の着服が明らかになった今、国家公安委員会委員長が責任を取って潔く辞任をしていただくしかないと思いますが、いかがでしょうか。
この臨時国会では、相も変わらず政治と金をめぐる与党議員の不正、不始末がたくさん取り上げられました。その最たるものが日歯連から自民党旧橋本派への一億円裏献金、迂回献金事件でありました。これに対し、民主党は十一月十六日に迂回献金を禁止する改正法案を提出しました。会期を延長してでも今国会中に政治資金規正法改正を行うこと、そして民主党の政治資金規正改正法案の内容の良さについて総理の御所見を伺います。
また、道路公団の車両管理業務受託企業から与党議員へ運転手が無償で派遣されていることが明らかになっています。総理が唱えてきた民営化によって、果たしてこの政官業の癒着は断ち切ることができるのでしょうか。総理の御所見を伺います。
次に、昨日、総務大臣が会長を務める財団法人が、外来生物法の指定対象からオオクチバスという魚を外すように環境省に圧力を掛けていたという報道がありました。これは事実なのでしょうか。そしてまた、公益法人改革が進められている中で、公益法人を管理する省庁の現職大臣が一公益法人の会長を務めていること自体、問題はないのでしょうか。政治と金をめぐる誤解を生みかねない問題だと思いますが、総理と総務大臣の御見解を伺います。
最後に一言申し上げます。
小泉総理、でたらめ丸投げ政治の小泉改革を改革しろという声が今や国民の中に巻き起こってまいりました。後継者がいないと言う向きもあるかもしれませんが、あなた程度の総理であれば、この議場にいるすべての議員が辞職をせずともその後継者になれると断言いたします。御安心いただき、そろそろ賞味期限切れになってきた総理には一刻も早く退陣をしていただくよう心からお願い申し上げ、私の質問を終わりといたします。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕