西川京子の発言 (本会議)
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○西川京子君 私は、自由民主党の西川京子でございます。
自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。(拍手)
今、我が国は飽食の時代と言われております。また、一方で、世界では飢餓線上すれすれの生活をしている人たちがたくさんいることも、また紛れもない事実でございます。少子化に悩む先進国と爆発的な人口増加に悩む開発途上国との間に噴き出した多くの矛盾点が、今国際社会で求められている解決の一番の、最大の課題であることは言をまちません。農業を取り巻く環境もこの限りではないと思います。
世界の環境に目を移せば、地球温暖化の懸念や森林の減少、砂漠化の進行、水不足の問題、限られたエネルギー資源、さまざまな課題が浮き彫りとなり、こうしたことと密接にかかわり合いのある農業は、国の生存のかぎを握っていると言ってよいかと思います。
近い将来、世界的な食料不足が懸念される中、WTOを中心とした世界の貿易交渉の舞台では、余剰農産物の輸出のはけ口を求める食料輸出国と我が国のような食料輸入国との間の農業生産物貿易交渉は、困難をきわめております。
我々は、一度冷静になって、世界の食料需給の問題をもう一度じっくり見詰め直す必要があるのではないでしょうか。
こうした世界の状況下で、我が国の食料安全保障、すなわち、食料自給率の向上が農業に課せられた大きな使命であることは間違いありません。そして、まさにこの農業の基盤を支えているのが農地であり、多くの先人たちが、多大な労力とコストを投入して、丹精を込めてつくり上げてきたものであります。
この農地は、さまざまな多面的機能を有していることはもちろんでございますが、そこで生産活動が行われることによって、よりその効用が発揮されるものであります。無限の生産と永続性を有する農業を支える農地を決して荒廃させることなく、食料供給が可能な形で次世代に引き継いでいくことが大切です。
このような考え方のもとに、何点か御質問させていただきます。
まず、六十年前に行われた農地改革の評価についてお伺いいたします。
昭和二十一年、戦後の混乱の中で、いわゆる農地改革が断行され、自作農の創設が行われました。地主百七十六万戸から国が農地を買い上げ、小作農四百七十五万戸が創設されました。
しかしながら、このことは、一方で多数の零細な農家をつくり出し、生産効率の上がらない農業構造の要因となったという指摘が一方であります。その後の高度成長と相まって、農地の資産的保有傾向が強まり、農地流動化による利用集積が思うように進展しない一因となりました。
このような農地改革を振り返り、現時点におけるその評価を農林水産大臣にお伺いしたいと思います。
次に、農地制度の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
現行の農地制度においては、きちんと耕作する者に限り農地の権利取得を認めるという考え方、いわゆる耕作者主義に基づき制度が組み立てられております。この点について、所有と経営が未分離の前近代的な考え方であり、農業の近代化、発展を拒んでいるというような指摘が主に経済界、経済学者から聞かれます。
しかしながら、農業について、他産業と同じようなシステムにゆだねてしまっては、優良な農地の確保や、担い手による活力ある農業の確立が心もとない状況になるのではないかと考えます。まして、自然を相手にしている農業については、そのように合理的な経営判断だけでは成り立たないと考えますが、農林水産大臣の御見解をお伺いいたします。
次に、担い手への農地の利用集積と集落営農経営の育成についてお尋ねいたします。
食料の安定供給の基盤となるものは、食料の生産を担う農業者の存在であります。高品質で安全な農産物を安定的に生産する農業の担い手の育成、確保が最も大切な課題であります。しっかりと国民の期待にこたえ得る担い手が農業生産の大部分を担う、そのような望ましい農業構造の確立に向け、意欲と能力のある担い手に農地の利用集積を進めていくことが急がれます。
また、このたび改定された食料・農業・農村基本計画においては、担い手として、いわゆる認定農業者に加え、集落を基礎とした集落営農経営が位置づけられております。これは、我が国が古来、アジア・モンスーン気候の中で営々と築き上げてきた水田における独特の営農形態であり、担い手農家、兼業農家、あるいは小規模農家がお互いに協力し、田植え、収穫や水管理、草刈りなどを役割分担して行うものであります。この集落営農経営の組織化、法人化に向けた支援をしていくことが極めて重要であります。
以上の点を踏まえ、担い手への農地の利用集積と集落営農経営の組織化、法人化を目指すための方策や支援措置について、農林水産大臣にお伺いいたします。
最後に、農業の法人経営の問題についてお尋ねいたします。
貴重で限りある農地は、効率的に持続して農業生産が行われなければなりません。このため、現在の制度において、農業者が主体となって農業を主として行う法人には農地の権利取得が認められております。
一方で、平成十二年の農地法改正で、株式の譲渡制限のある株式会社について農地の権利取得を認めたほか、平成十五年からは、一般の株式会社でも、きちんと農業を行う旨の協定を市町村と結んだ上で賃借権を認め、農業に参入できるようになるなど、新しい動きも見られるところであります。
このような中で、法人経営の資本力、経営力といったメリットを生かしながら、また一方で、農地制度の基本である、きちんと耕作する者に農地の権利を認めるとの考え方との調整をしていくことが望まれますが、この点について、農林水産大臣にお伺いいたします。
以上、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣島村宜伸君登壇〕