鮫島宗明の発言 (本会議)

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○鮫島宗明君 民主党の鮫島宗明です。
 ただいま議題となりました農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して質問させていただきます。
 本題に入ります前に、日米間の懸案である米国産牛肉の輸入再開問題に関して二、三質問させていただきます。(拍手)
 三月二十八日に、食品安全委員会のプリオン専門調査会は、約半年間の検討を経て、全頭検査の見直しについての見解をまとめました。
 この間、米国側は、日本側から米国産牛肉の輸入再開の期日が示されないことにいら立ちを募らせ、再三にわたり我が国政府に圧力をかけ続けてきたことは、皆様御承知のとおりであります。特に、米国の上下両院で対日経済措置が検討されたことは、まことにゆゆしき事態であります。
 BSE発生国がどのようなBSE対策を行うかは、各国の内政問題であり、米国側が、もし我が国に対し、牛肉輸入再開のおくれを理由に経済制裁を発動した場合は、明確なWTO規則違反になると思われます。経済産業大臣の見解をお伺いします。(拍手)
 米国産牛肉の輸入再開について、行政府は、食品安全委員会に改めてその条件を諮問することとされております。
 私は、米国のBSEに対する対応の最大の誤りは、アメリカ自身がBSE汚染国であるという自覚を欠いていることだと思います。現に、最近の米国会計検査院の検査でも、牛のえさに対し肉骨粉の規制がきいていないことが指摘されています。
 農林水産大臣は、食品安全委員会に対し、米国の肉骨粉規制の実態につき諮問することが当然だと思いますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。諮問するのかしないのか、イエスかノーかでお答えいただきたい。
 私ども政権準備党は、さきに、牛肉の履歴を明らかにすることを義務づける牛肉トレーサビリティー法を制定した際に、食品安全基本法にうたい込まれた内外同等の原則に照らし、輸入牛肉にも履歴証明を義務づけることが当たり前だと判断し、輸入牛肉トレーサビリティー法案を提出させていただきました。ところが、農林水産大臣はこの法案に反対の意向をお持ちだと仄聞いたしております。何かの間違いとは存じますが、もし反対ならば、この場で、全員の前で、その理由を明らかにしていただきたい。(拍手)
 本題に入ります。
 本日議題となった法律案は、あすの農業の担い手の姿を明確にし、担い手に農地の利用集積を図ることと、近年、中山間地域で拡大に歯どめのかからない遊休農地対策に取り組むことを柱としており、立法効果としての自給率の向上を目指しています。
 担い手の育成と担い手への農地の集積は、昭和三十六年の農業基本法制定以来の政府・自民党農政の一貫した基本方針であります。担い手の名前こそ時代とともに、中核農家から自立経営農家、専業農家、主業農家と変わり、農地の集積手法も、改正農地法から農用地利用増進法、農業経営基盤強化促進法と変わってきていますが、政策目的としては、農家に他産業並みの所得を保障し、農村に活力を与え、農業の産業としての自立を図り、食料自給率を向上させることが一貫してうたわれています。
 今回の法律でも、担い手として、従来の主業農家と生産法人に新たに集落営農という生産グループを加えることと、農地保有合理化法人に対し農地集積をしやすくするための措置が加えられていますが、基本的には、この四十年間の路線と変わりがありません。
 このたびの法改正は、今後十年、平成二十七年までの農業の達成目標を明らかにした新たな食料・農業・農村基本計画の実を上げるための改正です。しかし、基本路線を踏襲するなら、まず、今までの路線が正しかったのかどうかを検証してみなければならないはずです。
 政府・自民党が、農工間の格差是正を叫べば叫ぶほど、格差は拡大してきました。規模拡大は一向に進まず、農村に活力をと力めば力むほど、農村は疲弊してきました。自給率の向上をうたえば自給率は低下し、遊休農地の拡大にも一向に歯どめがかからないのが現状です。
 今回の法改正の効果として、政府は、一次産業、農畜水産業の総生産額が平成二十七年までにどの程度増大すると見込んでいるのか、また、農業に従事する一般農家、つまり販売農家と自給的農家を合わせた二百五十万世帯のうち何割の農家が、効率的、安定的な農業経営体に移行できると見通しているのか、農林水産大臣の見解をお伺いしたいと思います。
 また、全農業従事者のうち、他産業並みの所得が確保し得る従事者の数は今よりふえるのかどうか、あわせてお伺いしたいと思います。
 今回、新たな担い手として、目玉とされた集落営農経営体は、五年後に経理の一元化や法人化を目指すこと、将来、効率的で安定的な経営に発展していくことが見込まれることなどと極めて抽象的な規定になっており、その具体的な属性は客観的に規定されておりません。いわば、具体的な家族構成がわからないままに、家の間取りの是非を論議してほしいというような話だと思います。
 民主党の農業再生プランでは、農家の一部を担い手として期待するのではなく、地域の老若男女がそれぞれの役割を担って参加する全員参加型の営農チームを想定しています。
 農村集落では、女性が農業従事者の半数以上を占めていますが、農業委員や農業団体の役員など、営農意思決定への参加比率は五%以下と著しく低くなっています。新しい計画の中で、女性の参画支援のために今後どのような措置を講じるつもりか、農林水産大臣の見解をお伺いしたい。
 私たちが農家全体を営農主体だと考える理由は、自給率の高さと経営面積の広さが比例すると考えるからです。経営面積は、昭和四十年の七百四十四万ヘクタールから平成十五年の四百四十五万ヘクタールへと、この四十年間で四〇%減少いたしました。経営面積の減少に伴い、この間、我が国の自給率は七三%から四〇%へと減少しています。
 自給率の維持向上は、二つの意味で国民生活及び国民経済の安定にとって重要です。第一は、国際社会においてさまざまな経済交渉を進める上で、自給率は交渉力の基礎となると考えるからです。第二は、不測時の食料安全保障としての役割です。いかなる状況に陥ったときでも国民に食の不安を与えないというのが、政治の最低限の責務です。
 食料自給率が四〇%という低さは、国力の弱さを反映するものと受け取られ、経済問題における国際交渉力を低下させるものと考えますが、経済産業大臣の御見解をお聞かせください。
 政府・自民党の自給率目標は、この間、下方修正と先送りを繰り返してきました。平成二年には、平成十二年の自給率目標を五〇%に定めましたが、平成七年の見直しで平成十二年度目標を四五%へと下方修正し、平成十七年度目標も横ばいの四五%と定めました。しかし、平成十二年には、四五%の目標を平成二十二年度へと先送りし、今回の見直しにおいて、再び四五%目標を平成二十七年度へと先送りしました。
 見通しを下回った原因と責任を明らかにしないままに達成目標を提示しても、経営面積の拡大を図らない限り、自給率が上昇に転じることはあり得ず、再び先送りせざるを得なくなるのは火を見るよりも明らかです。
 経済財政政策担当大臣には、第一次産業の重要性についての質問を用意していました。しかし、大臣は本日の総務委員会における郵政民営化の集中審議を突然キャンセルし、委員会の開催を不能にしました。憲政史上初の暴挙であり、大臣としての資質を著しく欠いているものと断じざるを得ません。(拍手)
 資格を欠いている大臣に質問するわけにはいきませんので、予定質問を変更し、大臣に対しては、謝罪の上、本日のドタキャンの理由を皆の前に明らかにしていただきたいと思います。(拍手)
 民主党の農業再生プランでは、全員参加型の営農により経営面積の拡大を目指すとともに、自給率向上に寄与する小麦や大豆、菜種などの作付を拡大することにより、平成二十七年には自給率五〇%を達成するための具体的な道筋を示しています。自給率四五%の自民党と、五〇%の民主党のどちらがよいか、早い時期に国民に選択の機会を与えるべきです。
 自民党、公明党農政のもとで、遊休農地の拡大に歯どめがかからない状況が続いています。これまでも、市町村長に遊休農地の利用増進について必要な措置を勧告する権利が与えられていましたが、利用権が設定された実績は一つもありません。今回の改正で、知事に対し裁定に乗り出す権限が与えられましたが、遊休農地の発生は、労働力の不足が最大の原因です。中山間地域の活性化を図らずに知事に権限だけを与えても、遊休農地は解消しないと考えるのが自然ですが、大臣はいかにお考えでしょうか。
 中山間地域は農業を行うには不利な地域であって、農業振興だけで活力を向上させることは不可能です。活力を向上させるためには、就業機会や医療、教育サービスの提供など、政府挙げての取り組みが不可欠だと思いますが、官房長官のお考えをお聞かせいただきたい。
 世界各国の視察の体験がある議員御諸兄は、日本の自然がいかに恵まれたものであるかをよく認識していることと思います。北から南まで全島くまなく雨が降り、緑に覆われ、一年に二十四の季節を持つ国は、日本以外に存在しません。きょうは、草木の芽吹く気配を感じさせる清明という節気の始まりの日です。かけがえのない自然を慈しみ、自然との折り合いをつけながらきめ細かい農業を営むことこそ、我が国の農業者に与えられた使命です。
 カウボーイ的な発想では日本の農業を営むことができないことを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣島村宜伸君登壇〕

発言情報

speech_id: 116205254X01720050405_012

発言者: 鮫島宗明

speaker_id: 30100

日付: 2005-04-05

院: 衆議院

会議名: 本会議