吉川春子の発言 (憲法調査会)

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○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 日本国憲法は、近代憲法の例によって基本的人権保護のために権力分立制を取っていますが、特徴的なのは国民の意思が直接反映される国会を国権の最高機関と位置付けていることです。これに対し、今言われている改憲論の多くは内閣の権限強化を主張しており、結果として国会の弱体化がもたらされることになります。立法府である国会の強化、内閣監視機能の強化こそ現実の課題だと思います。
 そのために、第一に議員立法の活性化、第二に審議会政治の大幅改善が必要だと考えます。
 従来から、いわゆる審議会政治が問題になっています。内閣提出の法律案、いわゆる閣法は、内閣の方針を審議会に託し、そこでほとんど方向を決めてしまうこと、また、政府、与党間で議論がし尽くされ、国会では一日も早く法律を成立させることばかり求められるとしたら、国会審議は形骸化され、立法府の役割は果たせません。
 特に、審議会メンバーは財界出身者が多く、労働者、庶民、弱者の代表は相対的に大変少ないと思います。そして、財界の方々が中心に座って財界寄りの政策決定が行われているというのが現状だと思います。例えば、財界関係者が会長に就いている審議会は、平成十六年版審議会総覧、平成十六年四月一日現在によりますと、産業構造審議会、交通政策審議会、これはいずれもトヨタ自動車会長が務めておられますけれども、合わせて十九の審議会で財界出身者が会長を務めています。
 私にとって忘れられないのは、九五年の制定されたパート法の施行十年目、政府は法改正について、まず研究会、そして審議会に検討を委託しましたけれども、財界は最後まで法改正に強く反対し、パート、正規労働者の法律による均等待遇を行うことは否定され、結果として行政指導の指針の改正にとどまりました。千二百万人もパート労働者がおり、均等待遇を求める声が相次ぎ、研究会報告でも均等待遇の法改正を示唆する方向が出ていたにもかかわらず、政府が法案を提出しませんでした。野党でパート議連を作り、法案要綱を作り、また我が党はパート法改正案を対案として提出いたしましたが、これは委員会にも付託されなかったのです。これでは、国会に法案が出る前に経済界の声に従って法案を提出しなかった。これは法案を提出しなかった一例です。
 国会で否決されたのならいざ知らず、法律さえも出されず、審議会の財界代表の意見に結果として従うことは、国会軽視、立法権形骸化と言わざるを得ません。
 同時に問題なのは、国会自身が、閣法は通そうとしますが、議員立法は付託さえしない例が多いという、こういう問題を改めなくてはならないと思います。撤回されたと言われていますが、自民党改憲草案大綱たたき台に、法案は国会議員しか提出できないという一項目がありますけれども、これは私は必ずしも改憲の必要はないと思うわけです。内閣の法案提出権は違憲という有力な学説もあるのです。国会が、日本国憲法の定める国権の最高機関として十分機能させること、そして基本的人権の保護をさせるため、日本の将来を過たないためにどうしても必要だと思います。
 衆参を問わず、国会の改革を真剣に考えるときであることを述べて、発言といたします。

発言情報

speech_id: 116214184X00220050209_018

発言者: 吉川春子

speaker_id: 26901

日付: 2005-02-09

院: 参議院

会議名: 憲法調査会