田英夫の発言 (憲法調査会)

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○田英夫君 先ほどは大変世界のお話をしましたが、一転して、最近起こっている問題と絡んで統治システムの問題を考えてみたいと思います。
 それは、一つはNHKと朝日の問題ですが、これはいろいろな問題をはらんでいますけれども、その一つはNHKという電波媒体と朝日新聞という活字媒体の問題です。
 で、その中で特に問題なのは電波を使うというこの放送の問題。
 今、日本では無線局を作ろうとする者は総務大臣、以前の郵政大臣ですね、の許可を受けなければならないという、これが電波法第四条に規定されています。つまり、新聞を作るということは、お金があって人員がいて用意があって、出そうと思えばだれでも出せる、つまり自由に活字媒体というものはできるわけですけれども、電波というのは一体だれのものかと。放送局のものではなくて、これは国民の共有物だということになりますから、それでは電波を使いたい者はだれの許しを得たら電波を使って放送局を作ることができるのかということを考えなければならない。それは正に行政の問題になってくるわけですが、今、日本ではそれが総務大臣の許可を受けなければならないということになっています。統治のシステムの中で、そのやり方でいいのかと。
 実は、世界の先進国の中でこのようなシステムになっているところはありません。欧米は皆、国民の所有物である電波を使うには国民の許可を得なければならないという原理に立って、例えばアメリカは連邦通信委員会、FCCと言っておりますが、がその権限を持っているということで円滑に動いている。
 日本の場合は、NHKを始めとして郵政大臣のお許しを得なければ放送局を作れない。ということは、どうなりますか。郵政大臣あるいは総務大臣という、正に権力の側がその権限を握っているというところに今の日本の過ちがあると思います。
 ですから、この間、NHKと朝日の言い分はどちらが正しいかまだ分かりませんけれども、少なくともNHKがその問題を取り上げて特別番組をやったり、ニュースの中で延々と自分たちの主張を繰り返し放送していることは、あれは間違いですよ。そのことを郵政大臣は注意しなければいけないと私は思っています。
 もう一つ、全く別の問題ですが、昨年の暮れに小さく報道されましたが、自民党の中谷さんの指示で、陸上自衛隊の二佐の人が、憲法改正をする場合に制服組として何を期待するかと、何を入れてほしいかということを出せと言われたのに答えて、四つのことを是非入れてほしいと言っている中に特別裁判所というのがありますね。まあ、軍隊にしろというのも入って、当然のといえば当然の、制服組としての当然の要求なんですが、特別裁判所というのは軍法会議ですね。それは戦争をするに当たっては軍法会議がなくちゃ困るという、それもよく分かりますよ。
 これは、昔、軍法会議がありました。そして五・一五事件のときに話せば分かると言って、犬養首相を撃ってしまったその海軍中尉、軍法会議にかけられて死刑になったはずの人が、戦後、忽然として現れました。私は新聞記者としてその御本人に会ったら、彼は満州へ行っていましたと、生きて帰ってきたんですね。
 まあ、それはそれとして、そういうことがあっていいのか。軍法会議というようなものが今、日本に作られていいのかという問題になります。本当に三権と言われる一つである司法の中に軍法会議が忽然として現れたら、一体どうなりますか。それは幾ら何でも国民の多くの方がおかしいぞと思われる。私どもは、軍隊というものを持つことがおかしいぞと感じる神経を持っていないといけないんだなと感じています。
 以上です。

発言情報

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発言者: 田英夫

speaker_id: 16046

日付: 2005-02-09

院: 参議院

会議名: 憲法調査会