浅野勝人の発言 (憲法調査会)
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○浅野勝人君 過日、ある新聞の社説にこういう記事がありました。世界の二院制の中で、日本の参議院は典型的な設計ミスであったと。その最大の理由は、衆議院と対等な、ほぼ対等な権限を持っている。衆議院の優越性といっても、せいぜい条約及び予算案の自然成立くらいで、全く対等の権限を持っているのは、これは世界にも余り例を見ない。議論、法案の処理について非能率な形になっているという趣旨の社説があって、私は実はびっくりいたしました。
細かいまだ精査をしておりませんけれども、その中での最大の指摘は、参議院には解散がないと。多くの場合は、二院の場合、イタリアのように両院が同時に解散をして出直すというような形なら理解ができなくもないけれども、六年間、その間に衆議院が何回解散あろうとも参議院はないと。こういう形で権限が対等なのは適当ではないのではないかと。むしろ、多くの国が採用しているように、一院は任命制にして、むしろ法案の処理などについては直接選挙で選ばれている院に任せて、諮問的な意見を言うにとどめることの方が世界の多くの例であるというような指摘でありました。
私は、これは一流新聞の主張としては誠に驚きで、二院制の中での直接選挙制というのは、憲法論議の中で維持していかなければならない重要な点だと思っております。私は、たまたま委員長と同じように衆参両院の選挙を経験しておりますし、衆参両院の議員を体験している人間として、やはり参議院の直接選挙制度というのは議院内閣制を支える根幹であると確信をいたします。
そして、その直接選挙の中から生まれている二院制が、参議院が、上院が下院と対等の権限を持つ中で一つのテーマに対して様々な角度から論議をする在り方というのは、一見、一見、参議院のことをカーボンコピーなどと陰口を言われますけれども、それは、それはむしろ慎重に物事を決めていく上で間違いのない、今は参議院の権限がしっかりしていることが国益に沿う道だと確信をいたします。
もし仮に回付案に対して衆議院が三分の二の賛成が要るというのであれば、それらの細かいところでの、細かいところでのそれぞれの院の独自性を尊重することは構わないと思いますけれども、二院制に基づく議院内閣制を新しい憲法の中でも堅持していく中で、参議院の選挙の、直接選挙を必ず維持して、両院が対等の権限を持ちながら内外の重要課題に対して対等の議論をし、国民の前にその内容を評価をいただいていくということだけは堅持すべきだと思っています。
そういう意味の中から、首相公選制については議院内閣制との兼ね合いをもう少し慎重に議論を重ねた上で結論を出すテーマで、首相公選制のいい側面はありますけれども、議院内閣制との間の中ではこれはむしろ今のような間接、首相の選び方としては間接選挙で、議員に、国会議員に責任を持たすやり方の方が今後の我が国の議会制に適応すると考えております。
以上です。