舛添要一の発言 (憲法調査会)
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○舛添要一君 自民党の舛添要一です。
司法について述べさせていただきたいと思います。
先ほど同僚の松村委員からこの件について御発言ありましたけれども、若干ニュアンスの違う立場でお話をしたいと思います。
三権分立ということを考えたときに、私は、これは民主主義の基本的な枠組みであって、我が国の統治システムをうまく機能させるために不可欠だと思っています。
ところが、行政、立法、司法という三権を考えたときに、行政と立法の間のチェック・アンド・バランスはかなり私はうまくいっていると思います。国会での日々の討議、野党の諸君が小泉内閣について批判をする。それから、同じ自民党の中でも郵政民営化について立法府と行政府でかなり違う。それから、我々がずっと努力をして、参議院に、これはもう全会一致で決算頑張ろうと、そして場合によっては会計検査院というのを参議院の中に置こうと、先ほど藤野委員がおっしゃったように。それは、行政、行政執行部が、執行権がでたらめな行政を行ったときに、我々は予算の執行、つまり決算をコントロールすることによって行政権をコントロールしようという試みであるわけですから、比較的立法、行政間はうまくいっていると思う。
ところが、司法と行政、司法と立法の関係を考えた場合に、私はとてもじゃないけどうまくいっているとは思えない。例えば、行政をどう司法がコントロールするか。最高裁判所の判決にしても、例えば憲法九条関連で、これは統治行為であると、憲法九条違反ではありませんと、そういう判断を私はしませんと、統治行為論で逃げている。司法の怠慢ではないかと思います。
ましていわんや、立法について、我々がつくる法律について違憲であるということはどれだけ言われたかということであります。国会は国権の最高機関であって、我々は国民から選ばれた代表であることに誇りを持ちますけど、傲慢になって、我々はだれからもコントロールできないと、そういうような傲慢さは捨てた方がいいし、我々は謙譲であるべきだと思っています。
そういう意味で、今、内閣法制局が勝手に例えば憲法九条の解釈権を握っていると、これはけしからぬじゃないかという意見がある。それの延長線で、内閣法制局よりももっと権力のある憲法裁判所が我々の立法行為を制肘するとは何事かという意見がございますけれども、私はあえて反対の意見を申し上げたいのは、実を言うと、私たちの立法の違憲性というものを審査する機関がないと駄目だというふうに思います。私、今の最高裁判所が具体的な規範統制については、つまり具体的あるいは付随的な統制については行っていますけど、抽象的な規範統制は行っていない。私は、これを行うものとして憲法裁判所というのがあってもいいかなと思っています。
内閣法制局との絡みで皆さん危惧ばかり述べますけれども、例えばフランスというのは非常にうまくいっています。どういう方が憲法裁判所の裁判官になるかという、その選び方がしっかりしていればいいわけでありまして、そして、例えば具体的に申し上げますと、フランスはEUのメンバーです。マーストリヒト条約で欧州統一通貨、これどうだろうかと、それから共通ビザ政策と、これはフランスの第五共和制憲法から、国家主権から見ると違憲なんですね。現実に憲法裁判所は違憲という判断を下した。したがって、そうですかと、それならば憲法改正をやりましょうということで、憲法八十八条、これはフランス国は諸外国と条約を結んでいいという、書いてある。それに加えて、じゃ、ヨーロッパ共同体、EUの中でフランスはどうあるべきか。ある一部の主権を移譲できるという条項を国民投票に掛けたんです。そうしたら、国民投票でこれは批准されたわけでありまして、そして憲法裁判所は、国民投票で決められたことについては一切ノーということが言えないわけであります。
したがって、憲法改正を促進する立場からむしろ憲法裁判所はあった方がいいんでありますんで、そういう諸外国の例も謙虚に見るべきだと思います。
具体的に言いますと、例えばテロ特措法、イラク特措法がこれは憲法違反であると言う方々がおられて、野党の方々がおられて、例えば三分の一が憲法裁判所に提案する。で、憲法裁判所がどう見てもこれは憲法違反であるという決断を下した場合に、我々は、じゃ、それならば国民に信問いましょうということで、憲法改正を提議しないといけなくなる。
したがって、私は、そういう観点もある、松村委員の御懸念のことも十分分かりますけれども、今申し上げた観点をあえて申し上げまして、この憲法裁判所について、そして違憲立法審査権について、三権分立の在り方について、もっと議論を深めたいと思います。
以上です。