田名部匡省の発言 (憲法調査会)
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○田名部匡省君 田名部匡省でございます。
十分という短い時間いただきまして、ありがとうございました。
私は、何回かこの憲法論議をしたことありますけれども、どうも憲法違反を堂々とやっている国だという気がしてならぬのですね。それは、国の基本というのは外交であり、防衛であり、教育である。これがあっち行ったりこっち行ったりするもんですから、それをしても、また国民も、申し訳ありませんが、恐らく今の若い人たちは学校で憲法を勉強していると思います。お年寄りの方々はこの憲法というのを読んだことあるだろうかなと。恐らく、誠に申し訳ありませんが、私も、全部をさらっとは読んだけれども、一つ一つを吟味して、おかしいと、ここはいいというほどにやったかというと、いささか疑問もあるんですね。
ですから、これは、国民が主権だと、憲法改正は国民の三分の二の賛成を得なければならぬと、こう書いてあっても、国民が本当に正しい判断でこの憲法問題の改正に投票してくれるだろうか、そんな疑問を持ってならないのであります。
個別の問題に入らせていただきますけれども、憲法の前文では、主権が国民に存するんだということも書いてあり、国際社会において名誉ある地位を占めたい、いずれの国家も自国のみに専念し他国を無視してはならないのであって、そのとおりだと思うんです。
それから、憲法九条に入りますと、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」と。
私は、予算委員会で二度この問題を取り上げました。それは何を取り上げたかというと、専守防衛だと、この国は言いながら、アフガニスタンの方に海上自衛隊を派遣したりイランに自衛隊を派遣する、専守防衛の範囲を過ぎているんじゃないでしょうかということを、実は野呂田防衛庁長官と随分やりました。
元々、片務協定か双務協定か、これが、私と話したとき、だれも分かる人なかったんですね。日本が攻撃されたらアメリカが日本を守るための行動をすると。
ところが、アメリカが攻撃されたら日本が行ってやるのかというと、これは箕輪登先生が私にファクスで手紙をくれました。恐らく、私だけでなくて自民党の我々の年代の人たちにはみんな行ったかと思うんですが、片務協定だよと、日本は。だから、双務協定でないから、ほかがやられたからといって日本が出ていくということはできないということが来たものですから、そのときに野呂田防衛庁長官に私はこの質問をしたんです。
しかも、警察や消防は緊急時にはサイレン鳴らして行くと赤信号をどんどん行けるんです。自衛隊は、どこかに敵が今この日本に上陸しそうだというときに信号を止まりながら行くんですかと。最短距離を行きたいと思うと、畑や田んぼだと。そこへ行くと、今度補償の問題出るから、お金を払いたくないから遠回りの国道か県道を走っていくと。何が困るかねと質問したら、上陸しそうだというときに陣地を作らなきゃいかぬ、その許可をもらうのに三週間掛かるという答弁でした。
ですから、事さように、平素からどういうことに対応するということをきちっとしていない国、これは私は本当におかしいと思って、ずっとこのことを感じてきた一人なんです。
九条を、皆さんもここはよく知っておられるだろうと思うんですけれども、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と。陸海空その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めないと書いてあるんですね。
そうすると、日本の陸海空の自衛隊は戦力でないということになるんですね。それから、国権の発動たる戦争、威嚇又は武力の行使は国際紛争の云々とありますけれども、それにはじゃ一切手をかさないのかと。
今、イラクに自衛隊派遣されておりますけれども、国会の議論を聞いておりますと、危なくないんだから自衛隊を派遣するんだと。危なくないんなら銃持って行かなきゃいいんですよ。そんなに安全なら、今、建設業、仕事がなくて倒産して自殺していますから、この人たちを派遣すればいいようなものでしょう。そういう何か分かりにくいことをするから、いよいよこの国会というものは国民にとって不信感を招いているというふうに私は思うんですね。
いずれにいたしましても、この前、北朝鮮の不審船が日本の領海へ来ましたね。海上保安庁がこれを追跡した。ところが、機関銃撃たれてどうにもならなくなって、海上自衛隊を派遣要請して、海上自衛隊が沈めましたよ。あれは国権の発動ということにならないんですか。国権の発動たる威嚇になるんじゃないですか。ですから、こういうあいまいなままいろんなことをやられたら、やられる方が私はたまったものでないと思う。
どうぞ、申し上げたいことはこれもたくさんありますけれども、もう世界ではその都度憲法を改正している国はたくさんあります。なぜ、おかしいことがあってもこの国は改正をしないまま四十七年もほったらかしてきたのか。これは国会議員の私は責任だと思う。時代の要請に合ったこの方法でやっていくということがすべてじゃないでしょうか。
憲法を一つ一つ読んで、本当にこのとおりになっているのかな。すべての公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。そうなっていますか、全体の奉仕者になっていますか、今。それから、この健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、そうなっていない人一杯いるでしょう。それから、義務教育はこれを無償とする、あるいは国民の、法律の定めるところに納税の義務を負うと。払っていない人一杯いるんじゃないですか。
だから、憲法を無視している国というのは、私は非常におかしな国だと。であれば、そうならないような仕組みを変えるという努力をしてこなかった我々に私は責任があるんだろうと、こう思っておる一人であります。
どうぞ、これ言い足りないことたくさんありますけれども、いずれにしても、最初つくったときは警察予備隊なんです。それが保安隊に変わり、自衛隊に変わってきたと。何でこんなに変わったかというと、これ、議論もしたことないもんですから、警察予備隊じゃ駄目で、保安隊じゃ駄目で、自衛隊ならいいのかというところの議論すらなかった。そういうことなんかを考えると、もうちょっと、我々がいいからといって国民の過半数が賛成得なければ、これは憲法改正することできないんですから。
そこで、私の言いたいところは、学校では憲法のことを勉強するでしょう。お年寄りの人たちがこの憲法をみんな読んだことあると思いますか。一般の人は分かりませんよ。その人たちに投票をさして憲法改正するんだと、できますかね、これ、しっかり分かった上で。
ですから、私はこの憲法調査会での大いなる議論、こういうものを通じて、もっともっと国民にここが問題なんですよと、こういうふうにすればこうなるんですよという、国民巻き込んだ議論してから憲法改正の投票をしてもらうというんなら分かりますけれども、今のままやってごらんなさい、どうなるか分かりませんよ。恐らく投票に行かない人は多いんじゃないですか。
ということを考えると、もう少し我々もこういうふうにして、こういうふうにして、最後にはこういうやり方で国民に信を問いましょうということをきちっとやらないと、ここだけの議論で、そして、これ全部国民が見ているんならいいけれども、おかしいところはどこなのかというのを分からない人にこの憲法改正の投票をしていただくというのは、私は絶対失敗すると思う。
どうぞ、国民巻き込んだ憲法の改正するんであれば、論議を徹底して、よく理解していただいた上で私はやっていただきたいと、こう思います。
限られた時間で全部は申し上げられませんけれども、基本的な考えだけを申し上げて、終わりたいと思います。
ありがとうございました。