喜納昌吉の発言 (憲法調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○喜納昌吉君 民主党・新緑風会の喜納昌吉です。
私は、沖縄の有識者たちの意見を参考にしながら、憲法改正に当たって次の提案をしたいと思います。
結論から申しますと、憲法改正は基本的に必要であり、賛成です。ただし、国民すべてが自分たちの憲法として関心を持つような新しい憲法づくりが是非とも必要だと考えます。
我が国は、戦後六十年間にわたり、国民の民主主義化に努力してまいりました。現在の憲法を改正する必要があるんならば、今度こそ世界に誇れる日本国民の自主憲法を制定するチャンスにしなければなりません。ただし、第九条は現状のまま残すのが望ましいと思います。
四十七都道府県には法律を専門とする弁護士や学者、憲法に関心の深い市民たちがたくさんいます。各都道府県別憲法草案コンクールを呼び掛ければ、日本国じゅう憲法に関心を持つと思います。是非とも、全国創憲運動を呼び掛けるよう提案したいと思います。
沖縄には市民憲法草案起草研究会があって、私も呼ばれましたが、市民による手づくり憲法は難しいことではないと確信しました。夏の甲子園野球と同じように、各都道府県は名誉にかけて、おらが憲法草案作成で競争するだろうと思います。
現在の憲法問題の要点を絞った場合、第十章の九十八条二項の日本が締結した条約や国際法規を遵守するという条項の解釈がまず問題だろうと思います。私の考えですが、これは実定法の取決めであって、自然法である憲法に規定されるべき条項ではないと考えます。
ですから、憲法から削除しなければ、外国の都合で憲法の上位に来るような解釈の矛盾を来すことになると考えられます。そうした解釈矛盾の延長線上で、集団的自衛権行使を可能にするための第九条改正が焦点になっているわけですが、それはギリシャ神話に出てくる、寝台に合わせて手足を切り捨てるというプロクロテウスの話と同じような逆立ちした理屈でしかないと思います。
また、自衛隊は現実に大きな軍隊になっています。しかし、憲法では外国と交戦する軍隊としては認められていません。なぜなら、憲法の第九条は、現代戦争の無差別殺りく、ジェノサイドに対する反省から立てられた人類普遍の理念だからです。もしどうしても九条を削除するというなら、その理念を沖縄がもらって独立してもよいと思っています。私たち沖縄民族は、過去の歴史の教訓からそう言いたくなるのです。
東京空襲、広島、長崎の原爆被災、沖縄戦、そしてアジア全域、世界各国におけるルールを見失った無差別殺りくの戦争体験を忘れることなく、九条の非戦規定と自衛隊の存在を矛盾なく整合させる方法はあると思います。つまり、第九条には触らずに、国連待機部隊設立など自衛隊の役割を国連と関連させて新たに規定するという方法です。
現実に足を引っ張られず、人類百年の展望を見据えて国際社会にどうかかわるべきか、日本国をどういう国にするのか、平和憲法の理念をしっかり定める必要があると考えます。
以上です。