加藤修一の発言 (憲法調査会)
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○加藤修一君 委員長、ありがとうございます。公明党の加藤修一でございます。
公明党の憲法に対する基本的な考え方は、現行憲法に付け加えるという加憲の立場であります。
私は、環境権を対象として申し述べたいと思います。
二月に、昨年のノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイさんが来日いたしました。昨年の受賞は、平和賞の中に環境を加え、平和と環境が緊密な関係にあることを示した初めてのノーベル平和賞となりました。この意味でも、ますます環境にウエートが掛かってきていると考えております。
環境保全の実効性については現行憲法の解釈で保障できるという見方がありますが、私は、基本的には憲法は国家の根本規範でありますので、分かりやすいことも要件の一つであると思っております。したがって、義務教育の最高学年である中学三年生の学習レベルで分かることが望ましいととらえており、こう読めるはずだ、読めるのではないかなどと議論百出になることを最大限回避できる条文であることが望ましいと思っております。解釈改憲を次々に重ねるような在り方は好ましくないと考えており、時代に対応して現行憲法に明示的に環境権条項を基本的人権の規定に加憲すべきものと考えております。
その内容も、良好な環境を享受し、国家及び国民が環境保護に努めるといった趣旨の権利、責務とすることであり、かつ、今や自然の権利が言われ、裁判の原告になるケースもありました。自然と人間との関係性、切れ目のない相互依存の生命系を考え合わせると、かつての自然から超然としている人間主義的な生き方ではなく、自然との共生を大きく織り込んだエコロジカルな視点に立った環境権を定めるべきであります。
二月十六日、気候変動枠組条約京都議定書が発効しました。気候変動枠組条約が採択されてから、実に十三年の長きにわたり、国際社会が地球温暖化の削減という実質的な取組に入りました。しかし、二〇五〇年までに五〇%以下にしなければならない状況を考え合わせれば、ほんの一歩にすぎません。人類の危機を回避する総力戦はこれからであります。
地球環境への懸念は一九六〇年代にさかのぼります。そして、一九七二年には「かけがえのない地球」のテーマで国連人間環境会議が開催され、二十年後の一九九二年、アジェンダ21で有名な地球サミットが開催され、持続的発展についても議論され、一九九七年には国連気候変動枠組条約の締約国京都会議の開催と、温暖化効果ガス削減の国際公約が締結、さらに二〇〇二年のヨハネスブルグ・サミットでは持続可能開発のための教育の十年が採択されるに至っており、人類生存への確かな保障が希求されております。
これらの経緯において生存権の拡大が議論され、次世代の人間のために地球規模の生存権との視点から人類益や地球益が議論され、具体的には、具体例は、人類の指針とも言われている地球憲章にも結実しているところでございます。
このような中、各国においても憲法論議が環境を含めてなされ、アメリカは、連邦憲法において環境権の憲法的基礎は特定の条項によって保障されているという説など多数ありますが、またカナダにおいては、一九八二年カナダ憲法九十二条Aの導入で新憲法の成立を見て、環境上の天然資源について憲法上の保障規定は世界の憲法の中でも画期的であると言われております。韓国においては、現行の第六共和国憲法第三十五条の環境権は、国民の生活上の基本権としての法的、政策的環境権であり、環境行政は、自然資源の公共的利用、国民の生活の質の改善、快適性の追求など、環境政策を積極的に行い、環境保全の実践意思を示したものとなっております。
以上のように、環境に関する条項について、アメリカは除くとしましても、国家の根本規範である憲法上に明確に規定しております。それらについては後ほど討論したいと思いますので、委員長、よろしくお願いいたします。
以上です。