山本順三の発言 (憲法調査会)

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○山本順三君 実はもう取りまとめということになってまいりまして、また我々はまだ半年余りしかこの会に出ておりませんけれども、過去五年間かなり内容の濃い議論をしてこられたということでしょうから、もう取りまとめもそろそろ時期なのかなというふうに思います。
 ただ、この場で政治家として様々な憲法改正論議をぶつけ合わすということは非常に熟してきたんだろうと思うんですけれども、先ほど来お話がありますとおり、じゃ国民の一般の世論として果たしてどこまで機運が高まっているかということについてはまだまだこれからじゃないだろうかな、こういうふうな感触を私自身は受けています。したがって、逆に我々政治家の責任というものがこれからますます高まってきたんだということをつくづくと思っているんですけれども、そういった中でこの憲法改正、国民の皆さん方にある程度分かりやすいところからスタートをしていかなければならない。こうなってくると、まず最初に思うことは、今の憲法と現実とが大きく離れている、懸け離れている、あるいは違憲というふうな議論が出てくるような条文の改正というものは、これはしっかりと国民の皆さん方にアピールをして、そしてそのことについての議論を呼び起こしてその方向性を明確化していくという作業が当然必要になってくるんだろうと思うんです。
 今ほどずっとお話が出ておりますけれども、憲法九条につきましても、これこのままで国民の皆さんが今の自衛隊の状況を踏まえた上で納得できる条項である、条文であるかどうか。これは私どもはもう火を見るよりも明らかで、しかとした改正をしていかなければならないだろう、こういうふうに感じておるところでございまして、特に自衛隊の位置付けというものを明確にしていくこと、あるいは今ほどお話にあった国際貢献というもの、これもいつまでも国民の議論議論というのではなくて、我々が言わば誇りある国家としてこれから進んでいく上でどうあるべきかということを国民に対してアピールしていく、そういった意味での国際貢献ということについてあるいは国際協力ということについての対応というものがこの改正の中で取り上げられなければならない、このように思っております。
 それからもう一点。やはり違憲ということでよく出てくるんですけれども、第八十九条です。私学助成、これが憲法違反ということがよく出てまいります。
 この案件につきましても、もう皆さん方の議論としては恐らく一致するところであろうと思うし、国民の皆さん方にもそのことをしっかりとアピールする中で、今、私学が果たしている役割、これはもう掛け替えのないものでもありますし、そしてその私学助成というものが憲法違反であるというふうな話をされるならば、それは違うよということを明確に、我々政治家の責任の下にアピールしていかなければならないだろう、こういうふうに思っておりまして、ある意味では私学助成というものを憲法に明文化していくということを私は提案をさせていただきたいというふうに思っておるところであります。
 それからもう一つ、憲法改正をしていく上で非常に大切な視点になるのが、これからの新憲法が目指す国家像がどうあるべきか。これにはいろんな国家像があると思うんですけれども、私は一つだけ提案したいと思いますけれども、明治憲法なりあるいは現憲法なりができた背景と、これから、戦後六十年、つくっていこう、新しい憲法をつくっていこうという時代背景の中で一つ大きく違うことは、中央集権国家を目指していくのか、あるいは地方分権の国家を目指していくのかと。これはもう地方分権一括法が制定されて大方の皆さん方、地方分権という方向に入っていくんだというような、そういう方向付けを理解いただいておると思いますが、現実問題どうだろうかというふうに考えたときには、なかなか地方分権がこれからどんどん進むかどうか、非常に不安材料がはるかに多くあるわけでございますし、憲法でも九十二条から九十五条に、何か、まあ私の感触からいきますと、ついでのように地方自治というのが出ておる。これでは本質的に地方分権が進められるのかどうなのかということを非常に危惧します。
 先ほど、自民党の森元委員の方からお話がありました、地方自治の本旨というものをもっと具体化して明確化していく。あるいはまた課税自主権の問題も出ておりましたし、そしてまた、これからの地方自治を考えていく上で道州制どうしていくかというような議論もあろうかと思いますけれども、そういった問題点をしっかりと憲法に位置付けていく、こういうふうなことが大変重要であろうと思いますし、今ほど申し上げた、中央集権から地方分権への社会になっているということをしかと憲法の前文に位置付けをしていくということが私は非常に大切であるということを申し述べて、意見発表に代えたいというふうに思います。

発言情報

speech_id: 116214184X00420050302_048

発言者: 山本順三

speaker_id: 33169

日付: 2005-03-02

院: 参議院

会議名: 憲法調査会