仁比聡平の発言 (憲法調査会)
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○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
この小委員長報告についての私どもの立場について今、先生からお話もあったんですが、私は、この憲法調査会の性格、その中に置かれた二院制小委員会の性格というものというのは極めて大事にされなければならないものだというふうに思っています。日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行うというこの委員会のその任務にふさわしい議論と報告というものがなされなければならないというふうに思うわけです。
加えて、憲法をめぐる二院制の論議ですけれども、これが参議院の在り方に限って論じられているものではなくて、改憲論全般、とりわけ統治機構と三権分立、あるいは議院内閣制の在り方をめぐる改憲内容の中に深く位置付けられている問題であるという点を私は指摘をしたいと思います。
この点での改憲論にはいろいろな内容あるいは程度があると思いますけれども、総じて国権の最高機関としての国会の権能、機能を切り縮める方向が打ち出されているのではないかということを懸念をしています。
二月の九日のこの調査会の場で、統治システムの今の現状が憲法に照らしてどうなのかという点について、私は、内閣が本来の役割を果たしていないこと、そして国会審議が形骸化をされていることを紹介をし、そしてその原因について意見を述べさせていただきました。ここを正さずに統治システムを一体どうしていくのか。その点について改憲論の有力な論として、内閣、特に総理大臣の権限強化やリーダーシップを強化をすること、それが国内外の情勢の変化に即応する迅速な政治的意思決定だと論ずる向きがあるわけです。
そのような議論の中で、それなら我が参議院も含めて国会を一体どうするのかという点について、例えばということで御紹介をさせていただきたいのは、十一月に出されました自民党の憲法改正草案大綱、その中での二つの点なんですが、一つは、我が憲法の五十六条、定数、定足数の規定を、これを改めて、議事を進める際には究極的には議長と発言者さえいればよいものとするというような御意見があるやに伺っています。ほかの議員の発言も聞かずに、国会審議の活性化の私は重要な要素であると思いますが、少数会派の尊重あるいは少数意見の尊重、そういうものはあり得るはずがないのであって、これは国会の審議の機関としての役割を大きく阻害するものになるのではないかと思います。
もう一点は、閣僚の議院出席あるいは発言の義務に関してですけれども、国務大臣に対する国会の出席要求について、困難な場合には副大臣などに代わって出させればいいんだというような、憲法上、国会出席義務、国務大臣の国会出席義務を緩和をしようという議論もあるようです。先ほども御指摘がありましたけれども、国会での立法状況というのはその多くが、といいますより圧倒的な多くが閣法によって占められているという状況の下で、自ら法案を提出をしながらその審議に当たって最高責任者が答弁に立つことすら緩和をするというような国会についての憲法規定を変えていこうという方向があることは現実なんだと思います。
そういった国会をめぐる憲法改憲論と、この参議院のあるいは二院制の役割分担あるいは機能分担論というものがどういう関連になっているのでしょうか。私は、二院制を否定をされない方々の中にも恐らく国会の在り方についてのいろんな御意見の皆さんがおられるのではないかと思いますが、参議院の独自性を強調し、そして衆議院との役割分担、機能分担ということが強調をされていくなら、衆議院、参議院、それぞれの院が最高機関として本来の責務を果たしていくという、本来の民主的統制の在り方、民主的政治過程での国民の意思と、そして政策形成の在り方、ここが大きく損なわれていく懸念を持っています。この点を申し上げて、意見とさせていただきます。