簗瀬進の発言 (憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会)

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○会長代理(簗瀬進君) お許しをいただきましてありがとうございます。
 会長代理なんで本当は発言しない方がいいのかもしれませんけれども、若干、今までになかった観点から、私も、二院制は堅持したいといいますか、二院制であるべきだと、むしろ積極的にこういうふうに申し上げたいと思います。
 私は、両院の違い、いろいろあるんですけれども、一つの大きなものは、解散がある院と、それから解散のない、任期というようなものを持っている院と、これは非常に大きな意味を持っているんではないかなと、このように思っております。
 解散というのは、正に時の内閣といいますか、権力が議会を解散をし、そして民意を問うと。すなわち、解散の時期をいつにするのかということについては政治的な権力を持っているところが決定をすることができる、動かすことができる、そういう民意を問う時点の決定でございます。ところが任期は違います。任期が六年という形になりますと、時の権力がどう思おうと、その任期が来たときには選挙をやらなければならない。すなわち、民意を問う義務が当然に生じてくるというのがこの任期という意味でございます。
 しかも、我が憲法というようなものは、この任期を六年ということの半数改選という形で、六年ごとという形じゃなくて、三年ごとに権力側としても民意を問わなければならないと。こういうふうな民意を問う機会をある意味で強制をしているのがこの任期なんですね。私は、正にこれが民主主義の大変な英知の表れなんではないのかなと、こう思っております。
 やはり国民の意見が分裂をし、対立をしたときには、やっぱり院を解散をして、そしてその時点時点での国民の意思を明確に把握をしなければならない。そういう政治的な考慮も必要でありましょう。しかし、それと同時に、権力は自分の都合が悪くなりますと選挙はしたくありませんから、別の時期にずらしたいと。しかし、任期を持っていると、それをある意味でずらすことはまかりならぬというようなことがこの任期なんですね。
 私は、正にそういう意味で、任期を持っている参議院、三年ごとの改選という、そういう三年ごとに必ず国民の意思を問うのが強制をされる、そういう院と、もう一つ、時々の政治的な状況の中で解散をして、その時点時点での民意を確認をする、そういう機能を持った衆議院と、正にこの二つの性格の違う院を持っているというようなことが非常に重要な意味を持っているんではないのかなと思っております。
 何を言わんとしているかといいますと、先ほど山下さんのお話にもありましたけれども、ブレーキを掛ける、じゃ何にブレーキを掛けるんだろうか。私は、やっぱり人類の長い歴史の中から、民意も暴走することがあります。何かの突発的な、例えば大虐殺等があったりして民意が急激に振れることもある。しかし、そういう民意であっても時間がたてばまた冷静に戻ることもある。そういう中で、縦軸の沸騰した民意と、それから横軸の時間系列の中で、一つ一つの民意というようなものをチェックをしていくというようなものをやっぱり併せ持った制度を作っていくというようなことが今までの人類の歴史の中から生み出された英知なんではないのかなと思うんですね。そういう意味で、民意の暴走、それと同時に時の民意の代表だった権力も暴走することも当然あるわけで、そういう部分をチェックをする機能をしっかりと持った制度としてこの日本国憲法の両院制が作られたんではないのかなと、こういうふうに考えなければならないと思っております。
 でありますから、またその中から参議院の直接選挙を否定するということは、ある意味で民意を任期の中でしっかり問わなければならないということを非常にモデラートにしてしまうことになるわけでございますから、これも実はおかしな話だと思うんですね。
 こういうふうな観点から、やはり二院制、しかも国民の意思を問う機会を三年ごとにしているという、この一つの大変妙味のある制度というようなものは私は維持した方がいいんではないのかなと、こういうふうに考えます。

発言情報

speech_id: 116214193X00120050204_028

発言者: 簗瀬進

speaker_id: 23746

日付: 2005-02-04

院: 参議院

会議名: 憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会