田英夫の発言 (憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会)

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○田英夫君 参議院と政党の関係から申し上げたいと思います。
 衆議院は、本来、政党と政党が政権を目指して相争うという場だと言っていいと思います。それに対して参議院は、冷静な判断のできる人材そして雰囲気の中で政治が国民と密接に結び付きながら正しい道を進む、そういう役割を果たすべき場だと言えると思います。
 したがって、参議院は首班指名をしないということも一つの表れとして、既に形式的になってしまっていることもあり、首班指名はしないということでその役割をはっきりさせるということも必要かもしれません。
 何よりも大事なことは、参議院は議員一人一人が独立した存在だという基本的な観念を持つことだと思います。つまり、現在の状況は、衆議院と同じように政党が単位になって、あるいは会派と言った方が正しいかもしれません、運営をされていると思います。例えば本会議における発言も、政党の大きさによって時間の長短が決められると。すべて政党、そしてその大きさ、そういうことが運営の基本になっていると、衆議院と同じような考え方ですが。そうではなくて、例えば大きな政党、大きな会派はその個人がたくさん集まっているところだと。あくまでも基本は一人一人の議員が独立した存在であるという基本を持つべきではないかと思っています。
 まあ小さいところにいてひがんでいるわけじゃありませんが、発言時間などは、一人一人、一人何分という、本会議は例えば一人二十分と、大きいところはそれが何人かがなりますから結果としては発言時間は大きくなりますが、一人何分という、二十分なら二十分という単位をまず作る。そして、したがって無所属で一人の人も発言の機会が当然与えられるし、それは二十分であるということになると思います。予算委員会、その他の委員会の発言も同様であります。予算委員会で大きな会派は何人も発言すれば、それは結果として今と違わないじゃないかと言われるかもしれませんが、単位を個人に置いておくということが一つの基本になるべきではないかと思っているんです。
 それから、議員立法は、むしろそういう考え方による参議院の方がやりやすい。事実、私の経験では、あの阪神・淡路大震災のときに、衆議院ではできなかったんですが、参議院で議員立法で災害被災者救援法を作りました、これ、全く超党派で。まあ行政府との距離の問題があると思うんですね。衆議院はどうしても議院内閣制の、その行政府と役所、そういうものの距離が近い。参議院の方が距離があるという状態があると言えると思うんですが、その阪神・淡路の場合も結局、行政府は伝統的に、天災に対しての被害は個人で立ち上がれという伝統的な考えが行政府にありまして、それが妨げになって救援の法律を作ることができなかった。参議院はそこに距離がありましたから、当時は国土庁ですけれども、国土庁が反対したにもかかわらず、参議院の超党派の議員立法ができたということがあります。
 それから、政党との関係に戻りますと、党議拘束というものを考えない、考えないといいますか、党議拘束で縛らないというのを参議院の常識にするということも一つ大事なことじゃないでしょうか。
 それから、衆議院で可決した、それは多数をもって可決したものも、あるいは全会一致という形で来たものも、皆こちらの同じような委員会でまた審議をして、二重に審議をする場合が常識になっていますが、衆議院で全会一致で通ってきたそういうものは、参議院の議院運営委員会をより強化したものを設置しておいて、そこでスクリーンに掛けて、その判断でもうすぐに委員会の審議を省略して本会議で可決していくということも一つの方法かもしれません。
 それから、選挙制度に移りたいと思いますけれども、これは現在は全く最悪の状態だと思います。衆参ともに比例区と地域選挙区とを組み合わしたものであって、地域が若干大小があると。何よりもいけないことは、参議院の場合に党名を書いて選挙をすると、政党の名前を書いて選挙をすると。これはもう初めから政党重視ということを前提にした投票方法でありまして、衆議院ではいいでしょうけれども、参議院にはなじまないと。ますます政党化すると思います。したがって、比例選挙を入れることは必ずしも反対はしませんし、一番民意を正確に反映するということがありますけれども、政党名を書くということはいかがなものかと思います。
 この選挙制度は、非常に参議院の場合、難しいと思います。現職の参議院議員が選挙制度を変える役割を果たすということはいかがなものかと。第三者が加わった委員会なり審議会なり、そうしたものが原案を作るということを考えてはどうかなと思います。今までの選挙制度、随分何回か変わってきましたけれども、その部分が結局、政党が中心になった現職の議員が新しい選挙制度を作りますから、どうしても私が言っているような形の、政党本位でない、個人が出られる、そういう選挙になってこないという気がいたします。
 以上です。

発言情報

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発言者: 田英夫

speaker_id: 16046

日付: 2005-02-16

院: 参議院

会議名: 憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会