大野功統の発言 (本会議)

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○国務大臣(大野功統君) 白議員から十七問の御質問を防衛庁長官にいただきました。
 まず、2プラス2の共同発表との関係でございます。
 本年二月の2プラス2の共同発表におきまして、日米両政府がそれぞれの努力、日米安保体制に基づく協力及び世界の中の日米同盟に基づく協力を通じて追求すべき共通の戦略目標を確認いたしました。これらは国際安全保障環境に関する共通の理解に基づき、日米両政府が双方の国益にとって重要として認識が一致した目標を例示したものであり、我が国として安全保障上の観点から重視しているものであります。よって、本共同発表により、米国のグローバル戦略に日本が組み込まれるとの御指摘は当たらないと思います。
 次に、大陸間弾道弾への対処と集団的自衛権についてであります。
 我が国のBMDシステムは、特定の国や特定のミサイルを念頭に置いて整備しているものではなく、我が国国民の生命、財産を守る観点から、技術的実現可能性も踏まえつつ効率的な整備に努めているところであります。仮にアメリカと共同開発を行いBMDの能力が向上したといたしましても、我が国のBMDシステムはあくまでも我が国を防衛するためのものでありまして、我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いられることはないことから、集団的自衛権の問題は生じません。
 次に、統合運用に関する見直しの規定の必要性についてのお尋ねがありました。
 今般の統合運用体制の強化に伴う改編は、これまでの長年にわたる部隊運用の実績や部内における検討を踏まえて、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応し得るよう抜本的な改革を行うものであります。政府といたしましては、本法案に盛り込まれております体制がベストであると考えております。したがいまして、見直し規定を置くことは考えておりません。
 次に、国会における事後承認等の仕組みの設置についてであります。
 今回の法制に基づく措置は、一つ、落下することによりいずれにせよ損壊する弾道ミサイル等を破壊するにすぎません。また、相手国の領域や人員を害することはあり得ません。二つ目として、国民に対する私権の制限についても、国会の関与を必要とする防衛出動や治安出動などの他の自衛隊の行動に比べ著しく限定されております。このようなことから、今回の措置は、事後の国会の承認を要するものではないと考えております。
 次に、北朝鮮のミサイル発射動向を把握する能力についてお尋ねがありました。
 ミサイル発射活動が高度の秘匿下で行われること等を踏まえれば、その完全な把握は一般的には困難と考えられます。しかしながら、各種情報の収集、分析を通じ、ミサイル関連動向の把握に努めることは当然であります。今後とも、高度な情報能力の構築を着実に進め、その把握に万全を期すべく最大限努力をしてまいります。
 次に、第三項の期間を定めた命令についてであります。
 今回の法案に基づき破壊措置を実施する場合、必ず迎撃ミサイルという武器を使用することとなります。また、事後、武力攻撃事態を認定することも想定されます。このため、シビリアンコントロールの確保は重要であり、第三項の命令の発出の際には、期間を付して節目ごとに防衛庁長官が判断することといたしております。したがいまして、期間を定めた命令が有名無実化するとの懸念は生じないものと考えております。
 次に、北朝鮮へ核弾頭搭載可能な巡航ミサイルの技術が流出しているとの情報についてお尋ねがありました。
 防衛庁といたしましては、そのような事実関係は承知いたしておりません。
 次に、自衛隊の巡航ミサイルに対する対処能力についてであります。
 巡航ミサイルの中には、射程、弾頭の種類、例えば核弾頭か通常弾頭かの問題でありますけれども、弾頭の種類により様々なものがあります。また、高度などの飛しょう条件によっても影響を受けるため、一概に申し上げるわけにはいきませんけれども、例えば、航空自衛隊のペトリオットPAC2ミサイルなどにより巡航ミサイルを破壊することは可能であると考えております。
 次に、他国に飛来するミサイルへの対処の考え方についてであります。
 我が国のBMDシステムは、あくまでも我が国を防衛するためのものであります。我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いることはありません。したがいまして、BMDシステムの整備に当たっては、我が国の国民の安全を守るために十分な能力を整備することが重要であると考えております。
 次に、PAC3システムと納税者の公平性の観点の問題であります。
 多層防御を採用する我が国BMDシステムでは、一つ、イージスBMDシステムにより広い範囲を防御し、二つ、PAC3システムにより、例えば政経中枢地域など攻撃される危険性が高いと考えられる地域の防衛を図ることを中心に考えております。PAC3システムは機動的に移動、展開可能なシステムであります。状況に応じ適切な位置に配置することとしております。
 次に、我が国BMDシステムの防御能力についてであります。
 BMDの整備計画といたしましては、当面、イージス艦四隻と教育所要等を含め、PAC3システム十六個隊の整備を考えております。我が国のBMDシステムは、弾道ミサイルの拡散の状況をも十分踏まえ、有効に対処できるよう整備を進めております。また、これらの迎撃システムを一元的に統合運用することにより、より一層高い防護能力を実現することといたしております。
 次に、自治体からの要請があった場合についてのお尋ねであります。
 PAC3システムは機動的に移動、展開可能なシステムであり、状況に応じ適切な位置に配置することとしております。かかる配置の判断は、あくまでも我が国防衛上の必要性に基づく判断でございます。
 なお、我が国の防衛は、特定の自治体の意向にこたえるというものではなく、我が国国土全体を考え、我が国すべての国民を守るとの観点から防衛体制を整えるべきものと考えております。
 次に、一般市民の避難等、政府と自治体の協力についてお尋ねがありました。
 弾道ミサイル等の情報を入手した時点で事態を見極め、できる限り速やかに事態対処法の緊急対処事態対処方針又は武力攻撃事態等対処基本方針を定めた上、自衛隊は、都道府県知事からの要請等を受け、必要に応じ、国民保護法に基づき避難の誘導、救援等の措置を講ずることとなります。
 次に、米国とのミサイル共同開発に係る知的財産の確保についてであります。
 共同開発の成果につきましては、これまで実施してきた日米共同研究と同様、当該成果を生み出した当事者が知的財産権を取得する枠組みとしたいと考えております。
 次に、日米共同開発に係るシステムの第三国移転についてお尋ねがありました。
 米国へ提供された武器の第三国移転については、我が国の事前同意がなく行われないよう、国際約束により担保されることとなります。また、米国政府により第三国移転の要請があった場合には、当該供与の趣旨及び武器輸出三原則等を踏まえて、その可否等について慎重に検討することとなります。仮に第三国移転が行われる場合、対価の取扱いについても日米間で協議を行い、適切に対応してまいります。
 次に、BMD経費の見積りについてであります。
 BMDシステムの整備に必要となる経費につきましては、最終的には各年度の予算を通じて確定されるべきものでありますけれども、既存の装備を最大限活用し、効率的に整備していくことといたしております。現時点におきましては、日米共同技術研究関連経費を含め、当面八千億円から一兆円程度を要するのではないか、このように見込んでおります。
 最後に、BMDシステム価格低減についてのお尋ねがありました。
 アメリカ側から導入する装備品については、アメリカ側に対し、あらゆる機会をとらえて価格低減の要請を行ってきたところであります。価格低減の手法につきましては様々なものが考えられますが、いずれにせよ、法令上可能な範囲内で、費用対効果等を勘案し、適切な予算執行に努めてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 116215254X02820050629_010

発言者: 大野功統

speaker_id: 14396

日付: 2005-06-29

院: 参議院

会議名: 本会議