小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 平野議員に答弁いたします。
郵政民営化関連法案の衆議院での採決に当たり、自民党から反対者、欠席者が出たことについてでございますが、郵政民営化はこれまで多くの政党が反対を唱えてまいりました。この問題は、私が総理になって初めて具体的な政治課題となったものであります。当然、今まで反対してきた方につきましては、自らの主張を展開されるでありましょう。賛否両論ある難しい問題であると思っております。こうした経緯から、反対者、欠席者が出たものと考えております。
しかしながら、郵政民営化については、平成十三年、平成十五年の二度の自民党総裁選において、私は民営化の実現を主張してまいりました。それを承知で自民党議員、党員は私を総裁に選出していただきました。また、衆議院選挙、参議院議員選挙におきましても、郵政民営化を公約として主張し、政権を引き続き担当することについて国民の信任を受けてまいりました。したがって、郵政民営化関連法案の成立を図り、郵政民営化を実現することは私の責任であると考えております。
解散に関する私の発言についてでありますが、私が申し上げてきたのは、郵政民営化の実現は政治的にも国民に対する当然の責務であり、郵政民営化関連法案の成立に向けて全力を尽くす必要があるということであります。
解散に関して、自民党幹事長の発言についてお尋ねでありますが、私は自民党の幹部の皆さんと懇談することがあります。その際に、私の発言から、自民党幹部の皆さんは、それぞれ総理がどう言っていたかということはよくあることであります。そういう際に、この郵政民営化関連法案の成立に向けて全力を尽くすという、そういう意味は自民党幹部、十分理解されていると思います。そういう観点から、自民党幹部の皆さんがどのような発言するかについて、私は一つ一つ縛るような考えは持っておりません。
憲法第七条に基づく解散についてお尋ねがございました。
戦後、衆議院解散、過去十九回あったと聞いております。内閣不信任案が可決され、憲法第六十九条の規定に従い解散が選択されたケースは四回あったと聞いております。それ以外は、いずれの場合も憲法第七条を根拠としているものであります。衆議院の解散は衆議院議員の身分を失わせる重い行為であることを認識しつつ、選挙により新たに民意を問うことの要否については、内閣がその政治的責任において決断すべきものと考えております。
いずれにしても、郵政民営化関連法案について速やかに御審議をいただき、成立することを期待しており、否決されることは考えておりません。解散する必要はないと思っております。
衆議院での法案修正についてでございますが、衆議院における修正案の内容については、郵政民営化の基本方針を変更することなく、法案審議等における種々の議論を踏まえ、国民の不安感や懸念を払拭するために、政府・与党合意や政府が法案審議において答弁させていただいた事項について、できるだけ法律に明記することにより、より強い担保を確保しようとしたものであると承知しております。
例えば、郵便局会社のできる業務に銀行業、生命保険業を法律に明示することによって、郵便局において引き続き金融サービスが提供されることを明確にし、国民の不安感を払拭することにつながるものであることから、いい知恵を出してくれたと申し上げたものであります。
先日の本会議、真摯に受け止める等の私の発言についてのお尋ねでございます。
私の発言は、衆議院の修正が国民の不安感や懸念を払拭するための対応をしっかりと担保するために行われたものであることを十分認識し、参議院での法案審議においても、この修正を踏まえ、国民の不安感や懸念を払拭できるよう、しっかりと丁寧に対応をしていきたいという考えを申し上げたものでございます。
郵政民営化の必要性についてでございますが、郵政事業については、郵便、郵貯、簡保、いずれの分野も民間企業が自由な経営の下で同様のサービスを提供しており、公務員でなければできない事業ではありません。民間により十分な運営が可能なものであると思っております。このため、郵政民営化を実現することにより、どの分野についても、国の関与ができるだけ控えられ、民間企業と同一の条件で自由な経営が可能となり、質の高い多様なサービスが提供されるようになる等のメリットが引き出されるようになると考えております。また、郵貯、簡保の膨大な資金について官の資金としての制約がなくなり、民へ流れる道が開かれると考えております。
議員御指摘の竹中大臣の答弁は、資金の流れを公的部門から民間部門へ変える観点から郵政民営化の重要性を述べたものであると私は認識しております。
郵政民営化と今後の経済財政運営の関係についてでございますが、私は、改革なくして成長なしという方針の下に、デフレの克服と経済の活性化を目指し、金融、税制、規制、歳出の改革を実行し、既に成果を上げてきていると思っております。
残された大きな改革の一つが、官から民への資金の流れの改革である郵政民営化であります。公社のままでは、郵貯、簡保は公的な資金として安全資産に運用せざるを得ず、こうした制約の下では郵貯資金等が財投債の購入につながり、特殊法人等の活動のために活用されるという面は否定できません。このため、出口の特殊法人、中間の財政投融資制度だけでなく、入口である郵便貯金と簡易保険の改革、すなわち民営化が必要であります。
郵政民営化が実現すれば、約三百四十兆円の郵貯、簡保の資金が民間資金に転化し、財政健全化の改革等と相まって、我が国の資金の流れ全体が官から民へと転換し、国民の貯蓄が経済の成長、発展の源泉として有効に活用されるようになると考えております。
また、国債の安定的な消化を図るためには、健全な財政運営に向けて、歳出、歳入両面から財政構造改革を推進することが何より肝要であり、引き続き改革を進めてまいります。
さらに、今回の郵政民営化関連法案においては、旧契約分は国債等の安全資産で運用する等の措置を講じており、国債管理政策についても、個人向け国債の販売等により保有者層を多様化するなど、適切に運用してまいります。(拍手)