山本香苗の発言 (本会議)

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○山本香苗君 私は、公明党を代表し、郵政民営化関連六法案につきまして、小泉総理並びに竹中郵政民営化担当大臣に質問いたします。
 本法案は、衆議院郵政民営化特別委員会において、戦後四番目の長さとなる約百十時間という審議を経て、五日、衆議院本会議で可決されました。票差はわずか五票。総理もかなり冷や汗をかかれたのではないかと思います。私も採決の模様を手に汗握る思いで見守っておりました。際どい採決ではありましたが、法案成立に向け一歩前進いたしました。ただ、本会議での採決において、自民党内から相当数の反対票が出て賛否が僅差で可決となったということは、真摯に受け止めなければならないのではないでしょうか。
 本法案の衆議院通過後、NHKが実施した全国電話世論調査では、本法案成立を目指す政府の姿勢を評価するかとの問いに対し、評価する、また評価しないと答えた人がそれぞれ四六%と拮抗しております。しかし、読売新聞の世論調査では、本法案を今国会で成立させるべきではないとする人が成立させるべきだという人をいまだに上回っております。これらマスコミ各社の世論調査並びに衆議院採決の模様を見る限りにおいては、国民の理解が十分に深まったとも、また総理が国会において十分に説明責任を果たしているとも必ずしも言えないのではないでしょうか。
 総理の衆議院採決に対する率直な御感想と、参議院での審議に向けての力強い御決意をお伺いいたします。
 郵政民営化は、これからの日本、国民の将来を左右する極めて重要な問題であります。参議院においては、その重要性を踏まえ、本法案の中身に関する議論をもっと深めていかねばなりません。と同時に、国民の皆さんが納得できるような、分かりやすい議論もしていかねばならないと考えております。
 そこで、まず最初に、問題点を整理する意味からも、郵政民営化の必要性、意義について総理にお伺いしたいと思います。
 国民の間では、なぜ民営化するのか分からないといった声がいまだに後を絶ちません。特に、ここ二年、郵政公社になって以前よりサービスが向上し、事業収支も黒字になっていることから、今の公社のままで改善すべきところを改善すればいいのではないかといった声が根強くあります。そこで、改めて総理にお伺いします。なぜ公社のままでは駄目なのでしょうか。なぜ今民営化しなければならないのか、その理由を分かりやすく、丁寧に御説明いただきたいと思います。
 公社のままでは駄目だとのことですが、今回の法案をじっくり読みますと、最終的な民営化後も、公社同様、郵便、貯金、保険という郵政三事業の一体的経営を可能とする工夫が随所に見られます。そのため、公社と最終的な民営化後の姿とどこがどう異なるのかよく分からないといった声がございますが、総理の目指す最終的な民営化とは一体どういうものなのか、その定義を教えてください。
 また、最終的な民営化の実現とは何を達成したら実現となるのか、どういう基準、メルクマールでその成否を判断するのか、総理に御答弁いただきたいと思います。
 次に、郵便局の設置基準についてお伺いします。
 我が党は、過疎地はもとより、都市部においても郵便局のサービスが維持されることを強く求めてまいりました。結果、法案では、郵便局はあまねく全国に配置することが義務付けられ、過疎地で郵便局がなくなるのではないかといった懸念はかなり払拭されたのではないかと思います。しかし、一方で、都市部においてはかなり統廃合が進むのではないかとの懸念が生じております。
 都市部における設置基準、状況は公社のそれと比べてどう変わるのか、また設置基準は省令に定められることとなっておりますが、具体的にはどのように定められることとなるのか、竹中大臣の具体的な答弁を求めます。
 次に、郵便事業について伺います。
 加藤寛千葉商科大学学長は、インターネットの普及もあって郵便は減少の一途をたどっている、このままいけば収入を増やすには郵便料金を上げるしかない、しかし値上げをすればますます利用されなくなる、民営化に反対する人は官業だからつぶれないと思っているようだが、法律でがんじがらめに縛られた官業だからつぶれるのである、だから民営化し、事業を多角化して収益力を付けなければならないと主張されております。
 竹中大臣も国会で同様の趣旨の発言をされておりましたが、確かに郵便事業をめぐる状況を考えますと、今のままではいずれ立ち行かなくなることは想像に難しくありません。とはいえ、民営化することによって本当に郵便事業で収益を上げることができるのでしょうか。逆に、第三種、第四種、災害時の無料郵便など採算の取れないサービスが切り捨てられたり、郵便料金が上がったりしないのでしょうか。公社のときよりもサービスが後退するようなことはあってはならないと思いますが、竹中大臣、いかがでしょうか。答弁を求めます。
 次に、雇用の問題を伺います。
 公社職員の雇用については、法律によってその継続が保障されることとなっておりますが、民間企業になれば、当然、リストラとか合理化による人員削減の問題が起きてくると思われます。その場合、現在の公社職員の雇用はどこまで確保されるのか、この点について、竹中大臣より具体的に御答弁いただきたいと思います。
 最終的な民営化まであと十二年。その間、民営化がうまくいくかどうかのかぎを握るのが郵政民営化推進本部の下に来年四月に設置される郵政民営化委員会であると思っております。郵政民営化委員会は、五人の有識者で構成され、三年ごとに民営化の進捗状況について総合的な見直しを行い、政府に意見を述べることとなっております。この委員会が国民全体で民営化を監視する透明な仕組みとして有効に機能するためには、メンバーを中立的な構成とし、意見の内容を公表するだけでなく、その議論の経過もオープンにしていかなければならないと考えます。
 この点については、六月二十三日の衆議院郵政民営化特別委員会において、我が党の石井啓一議員が当委員会の議事要旨や議事録の速やかな公開を提案しました。
 これに対し、竹中大臣は、議事録の要旨等の速やかな公表等は確かに考えられるというふうに我々も思っておりますと、前向きな姿勢を示されました。委員会運営の透明性と判断の公正性を担保するため、議事録を公開することは必要不可欠であると思いますが、公開するのかどうか、改めて竹中大臣にお伺いします。
 最後に、財政投融資制度、略して財投の改革と郵政民営化の関係についてお尋ねします。
 総理は、一九九九年十二月に出版された「郵政民営化論」という本の序文の中で、郵政三事業の民営化は単なる郵政省の改革にとどまらない、多くの特殊法人の統廃合、民営化、さらには税金を使って各特殊法人に投融資を行う国営金融機関、財政投融資制度の抜本的改革につながると、こう述べておられます。ところが、二〇〇四年九月に閣議決定された郵政民営化の基本方針や今回の法案では、財投改革に一言も触れられておりません。
 そこで、総理にお伺いいたします。
 第一点は、今回の郵政民営化は財投改革の一環と位置付けられているのか、そうであるならば、郵政民営化がどういう理由で財投改革につながるのか、この点をお伺いします。第二点は、財投資金の出口部分、すなわち特殊法人の赤字体質は十分に改革されているとの御認識かどうか。第三点として、総理は、財投は役割を既に終えたから廃止を目指すべきものと考えているのか、それとも今回の郵政民営化という財投の入口の改革のみで当面維持していくべきものと考えているのか、御答弁をいただきたいと思います。
 以上の質問につきまして、総理並びに竹中大臣の明快な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 116215254X03120050713_014

発言者: 山本香苗

speaker_id: 23027

日付: 2005-07-13

院: 参議院

会議名: 本会議