小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 山本議員に答弁いたします。
郵政民営化についての説明、また参議院の審議に向けての決意でございますが、郵政民営化関連六法案につきましては、その提出に当たり、政府と与党である自民党、公明党の間で十分な協議を行いました。さらに、衆議院においては百時間を超える貴重な審議時間を確保していただき、その間、政府としては、法案の内容を含め、様々な御質問に対してよく説明申し上げ、最終的には衆議院における修正を経て整然と可決されたものと認識しております。
過去の世論調査の傾向を見ますと、郵政民営化について賛成が反対を上回っているものが多数であると認識しておりますが、これから始まる参議院での法案審議においても、政府として、これまでの議論の経過や衆議院での修正等を真摯に受け止め、法案を含め郵政民営化についてしっかりと丁寧に説明し、国民の理解が得られるよう誠実に対応してまいります。
民営化の必要性についてでございますが、郵政事業については、郵便、郵貯、簡保、いずれの分野も民間企業が自由な経営の下で同様のサービスを提供しており、公務員でなければできない事業ではありません。民間により十分運営が可能なものであると思っております。
他方、現在の公社制度には、郵便局では郵便、郵貯、簡保しか取り扱えない等、業務範囲が限られるため、環境変化にも柔軟に対応できないこと、郵貯・簡保資金は官の資金として、国民負担回避のため国債等の安全資産に運用せざるを得ないこと、法人税等が非課税であること等、民間企業と対等な競争条件となっていないこと等の問題点があるところであります。公社形態を維持したままの改革では、その成果は限定的にならざるを得ません。
このため、郵政民営化を実現することにより、国の関与をできるだけ控え、民間企業と同一の条件で自由な経営を可能とすることにより質の高い多様なサービスが提供されるようにしていくとともに、郵便局を通じて国民から集めた約三百四十兆円もの膨大な資金を官から民に流す道を開く、約三十八万人の郵政公社の職員が民間人になるとともに、従来免除されていた税金が支払われること等により財政再建にも貢献するなど、小さな政府の実現に資する等のメリットを引き出し、構造改革を一層前進させ、国民の利便性の向上が図られるようにしていくことが重要であると考えております。
他方、郵便物数の減少や金融の技術革新など、郵政事業を取り巻く環境は急激に変化しており、これに適時適切に対応をして郵政事業の健全な経営を確保するためには速やかに郵政事業を民営化することが必要であります。また、最終的な民営化が実現するには相当年数の準備期間と移行期間が必要であること等を考慮すれば、直ちに民営化に取り組む必要があり、政府としては平成十九年四月に民営化を実施したいと考えております。
なお、郵政民営化の実現に当たっては、過疎地を始め都市部においても必要な郵便局ネットワークを維持し、また、移行期間中における代理店契約の義務付けや社会・地域貢献基金の設置など、貯金、保険の金融サービスが低下しないよう制度設計に工夫を凝らしており、国民の利便性には十分配慮をしております。
郵政民営化は、私が官から民へ、民間にできることは民間にの方針の下に進めてきた改革の本丸と言うべき改革であり、郵政事業を改革する最善の案と考えております。
最終的な民営化の姿についてでございますが、私が目指す民営化は、窓口サービス、郵便、郵貯、簡保といった郵政事業の四つの機能をそれぞれの市場に吸収統合し、市場原理の下でそれぞれの機能が新たな四つの会社として自立した存在となり、自由で公正な競争に基づき質の高い多様なサービスが提供され、市場の活性化、我が国経済の活性化をもたらすことになるというものであります。
なお、最終的な民営化においては、郵便事業を行う郵便事業株式会社、郵便窓口業務を行う郵便局株式会社、これらの持ち株会社である日本郵政株式会社が一体となって適切に郵便事業を行うとともに、郵便局株式会社においては地域住民の利便に資する業務が行われ、郵便貯金銀行、郵便保険会社については日本郵政株式会社が保有する株式がいったん完全に処分され、民有民営が実現しているものであります。
郵政民営化と財投改革の関係ですが、郵貯、簡保は政府保証付きで約三百四十兆円もの膨大な資金を家計から集めておりますが、公社のままでは、公的な資金として運用範囲は国債等の安全資産に限られることになります。また、こうした制約の下では、郵貯資金等が財投債の購入につながり、特殊法人等の活動のために活用されるという面は否定できません。こうしたことから、入口である郵貯、簡保が公社のままでは資金の流れの構図は変わりません。
したがって、郵政民営化の実現によって郵貯、簡保の資金を民間資金に転化し、政府系金融機関の見直し等、出口の改革と相まって資金の流れを官から民へと転換することが必要であります。これにより、国民の貯蓄が経済の成長、発展の源泉として有効に活用されるようになると考えております。
特殊法人改革でございますが、改革対象となる百六十三法人のうち百三十五法人について廃止、民営化、独立行政法人化等の措置が講じられました。また、民間準拠の財務諸表等を導入し、住宅金融公庫が民間で取り組んでいる直接融資を廃止するなど、事務事業の徹底した見直しを行いました。この結果、特殊法人等向け財政支出を実質的に一兆五千億円削減する等の成果が上がっております。
さらに、政府系金融機関改革については、平成十四年十二月の経済財政諮問会議において、民間金融機関が正常化することを前提に、現行政策金融機関は民業補完に徹し、かつ、貸出し残高について将来的に対GDP比率で半減することを目指すこととしたことを踏まえ、現在改革を進めているところであります。
今後も、経済財政諮問会議において、基本方針の取りまとめに向けた議論を進めていくこととしており、あるべき姿の実現に向けて、統廃合、民営化、民間委託等を含めてしっかりと議論していく考えであります。
財政投融資についてでございますが、郵貯等からの義務預託により特殊法人等の財投事業の肥大化を招いたとの指摘もあったことから、平成十三年度に財投改革を実施し、郵貯等の預託義務を廃止し、財投債等により市場から直接資金を調達すること等としたところであります。
このような中、平成十三年度以降、民業補完性や償還確実性について厳格な審査を行い、無駄な事業を見直してきた結果、平成十七年度においては特殊法人等向けの投融資額をピーク時の三分の一程度に圧縮しております。
また、平成十七年度財投計画編成においては、民間準拠の財務諸表等も参考にしながら、すべての財投事業について総点検を行い、住宅金融公庫や都市再生機構について事業の抜本的見直し等を行うことで、将来の財務上の懸念を解消し、財投事業全体としての健全性を確かなものとしたところであります。
このように、財投改革については、既に着実に進めてきたところでありますが、今後とも民業補完性、償還確実性等を精査しつつ、真に必要な資金需要には的確に対応してまいりたいと思っております。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕