小泉純一郎の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 平田議員にお答えいたします。
 郵政民営化法案が否決された場合の衆議院の解散についてのお尋ねでございますが、郵政民営化関連法案につきましては、現在、本院において連日精力的に御審議いただいており、感謝申し上げます。
 政府としては、審議の中で、法案の内容を含め様々な質問に対して丁寧に説明し、御理解を賜るよう全力を尽くしているところでございます。最終的に郵政民営化関連法案が成立することを期待しておりまして、否決されることは考えておりません。
 障害者施策の基本的方針についてですが、障害の有無にかかわらず、国民だれもが相互に人格と個性を尊重して支え合う共生社会を実現するため、政府は、平成十五年度から、障害者基本計画に従い、重点施策実施五か年計画に基づいて重点的かつ計画的に障害者の社会参加を推進しているところであります。
 障害者も社会の一員として自立し、あらゆる分野でその能力を最大限発揮することができるよう、今後とも政府一体となって社会のバリアフリー化に取り組んでまいります。
 本法案と社会福祉基礎構造改革との関係についてでございますが、平成十二年の社会福祉基礎構造改革は、社会福祉制度について、少子高齢化、核家族化の進展等社会構造の変化に対応して、だれもが家庭や地域の中で自立し、尊厳を持った生活を送ることができるよう、行政が行政処分によりサービス内容を定める措置制度等の社会福祉の仕組みを全般にわたって見直しを行うことを目指したものであります。
 この改革の中で、障害者福祉の分野については、障害者が地域において自立した生活を送ることを支援するため、障害者が自らの選択により福祉サービスを利用する支援費制度が平成十五年度から施行されました。しかしながら、現在の支援費制度は、精神障害者が対象になっていないほか、福祉サービスの利用に関する地域間格差が大きいなど、様々な課題を抱えていると認識しております。
 本法案は、自己選択と自己決定の尊重や、利用者本位といった支援費制度の理念を継承しつつ、支援費制度の各種の課題に対応し、障害のある方の自立した地域生活の支援を一層推進するものであると考えております。
 障害者の実態につきましては、プライバシーの問題もあり、その把握が難しい面もありますが、これまでも各種調査を通じて実態把握に努めてきたところであります。この中で、障害者の実態は多様であると認識しておりますが、例えば障害者の住まいについて見ると、身体障害者の五%、知的障害者の二八%、精神障害者の一三%が施設や病院に入所している一方、障害者本人が地域で暮らしたいとの希望が高まりつつあります。
 また、障害者の所得については、例えば年金収入のある身体障害の方々の場合には、年収三百万円以上の方が三割いらっしゃる一方で、百万円未満の方が二割強いらっしゃるなど、所得の状況は多様であると認識しており、こうした状況を踏まえた対応をしていくことが必要と考えております。
 このため、障害者自立支援法案においては、精神障害者を含め支援を必要とする障害者が適切にサービスを利用できるようにすること、共同の生活の場であるグループホームやケアホームを拡充し、住まいの選択肢を増やすこと、利用者負担をお願いするに当たっては、所得や預貯金等の少ない方にはきめ細かく減免の措置を講ずることなどの対応を図ることとしており、障害者の地域での自立した生活を一層支援することができるものと考えております。
 障害者の自立をどう考えているかということでございますが、障害者の生き方は、その方の意欲、置かれた環境や状態などに応じて様々であろうかと思いますが、例えば就労する意欲を持つ障害者が支援を受けて企業等で働いたり、重度の障害者が自己の選択に基づいてサービスを利用し、様々な社会活動等に参加することなどを通じて、地域の中で生き生きとその人らしく生きることが障害者の自立と言えるのではないかと考えております。障害者自立支援法案は、こうした障害者の多様な状況を踏まえ、お一人お一人の能力や適性に応じて自立を支援することを目的としたものであります。
 障害者やその関係者への法案の説明についてでございますが、本法案については、その立案過程から障害者の方々も参画いただいた審議会で二十回にわたり論議するなど様々な場で御意見をお伺いするとともに、十六年度は、障害者も含めた関係者の要請に応じ、延べ五百回にわたり説明や意見交換を行うことなどを通じて、様々な御意見、御要望を承ってきたところでございます。
 今後とも、制度の詳細について関係者の御意見を伺いながら検討を進めるとともに、改革の必要性について障害者の方々を始め国民の皆様に御理解いただけるよう努力してまいります。
 障害者自立支援法案の提出に当たり、障害者の実態調査を実施すべきだったのではないかとのお尋ねでございますが、障害者自立支援法案を国会に提出するに際して、身体障害者や知的障害者の五年に一度の実態調査や、精神障害者について平成十五年に初めて行った大規模な実態調査などに基づき、障害者の実態を十分踏まえた上で制度の内容を検討したものであります。
 今後、制度を施行する中で、サービスの利用状況や利用者負担、所得状況などについて、更に実態の把握に努めてまいります。
 なお、社会保障審議会障害者部会に提出した資料の誤りについては、年間件数と月平均利用件数を取り違えて記載したなどの誤りであり、既に障害者部会において説明するなど適切に対応したところでございます。
 障害福祉サービスに係る予算でございますが、障害福祉サービスに係る給付費は、支援費制度が平成十五年度に施行されて以降、新たにサービスに取り組む市町村が増加する中で急速に増大しております。このため、平成十六年度においては、流用や補正予算により財源を確保し、平成十七年度においては、在宅福祉サービスに係る予算を平成十六年度当初予算と比べ五割増しの約九百三十億円とするなど、必要な予算の確保を図っております。
 しかしながら、今後も新たにサービスを利用する障害者が増えることが見込まれる中で、必要なサービスを確保するためには、その費用について、利用者の方々も含め、皆で支え合っていくことが必要と考えております。このため、障害者自立支援法案においては、利用者負担の見直しに併せ、在宅福祉サービスに関する国や都道府県の負担を義務的なものにすることとしております。
 これにより、必要な障害福祉サービスを提供するための予算を確保しながら、制度も安定的に運営できるものと考えております。
 定率負担の導入についてでございますが、先ほど申し上げたとおり、今後とも、必要な福祉サービスを確保するためには、利用者も含めて皆で増大する費用を負担し、支え合うことが必要となっております。
 今回、利用者負担を見直し、定率一割負担を導入することとしておりますが、あわせて、障害者等の家計に与える影響を十分に考慮して、月ごとの負担の上限額を設定することや、収入、預貯金の状況に応じて個別に減免するなど、各般のきめ細かな負担の軽減措置を講じることとしており、障害のある方が生活していく上で支障が生じないよう配慮しているところであります。
 また、障害者の所得保障については、障害者が身近な地域において自立した生活を送ることができるようにするためには大変重要な課題であるとの御指摘があり、衆議院において就労支援も含めた障害者の所得保障の在り方について附則に検討規定が設けられたところでありますが、これに基づき、今後とも検討してまいります。
 障害者にとっての応益負担にいう益とは何かについてでございますが、障害者自立支援法案により、福祉サービスを必要とする障害者が、自己の選択の下で、国や自治体の制度的な支援の下、適切にサービスを利用することができる仕組みを実現し、障害の有無にかかわらず安心して暮らせる地域社会を築くことが障害者の益となると考えております。
 障害者の不安に対する対応でございますが、障害者自立支援法案は、親亡き後の不安にも対応しつつ、障害者が地域で自立して生活できるよう、身体障害、知的障害、精神障害にかかわらず、市町村を中心に一元的に支援を必要とする障害者にサービスを提供する体制を整備すること、働く意欲のある障害者の就労を支援するための新しい事業を創設すること、サービス量と所得に応じた利用者負担をお願いする中で、所得の少ない方には負担を軽減するための様々な措置を講ずることなどを内容とするものであり、今後の障害者施策にとって必要不可欠なものと考えております。
 また、障害者の所得保障については、障害者が身近な地域において自立した生活を送ることができるようにするためには大変重要な課題であるとの御指摘があり、衆議院において就労支援も含めた障害者の所得保障の在り方について附則に検討規定が設けられたところであります。これに基づき、今後とも検討してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 116215254X03220050722_008

発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2005-07-22

院: 参議院

会議名: 本会議