尾辻秀久の発言 (本会議)
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○国務大臣(尾辻秀久君) 支援費制度の評価と改革の意義についてお尋ねがございました。
支援費制度は、施行後、多くの方が新たにサービスを利用できるようになるなど、障害者の地域生活を進める上で重要な役割を果たしていると評価をいたしております。
しかしながら、同時に、先ほどもお答え申し上げましたけれども、地域間の格差が大きいこと、精神障害者が対象となっていないことなど、様々な課題を抱えていると認識をいたしております。
このため、今般、支援費制度の自己決定と自己選択及び利用者本位の理念を継承しつつ、障害者の自立した地域生活の支援を一層推進するため、見直しを提案をいたしておるところでございます。
定率負担導入の考え方についてのお尋ねがございました。
一昨年に支援費制度が施行されて以降、障害福祉サービスを実施していなかった市町村が新たに事業に取り組むこと等により、急速に給付費が増大しているところでありまして、今後とも、増大するサービスを確保していくためには、福祉サービスの利用者の方々を含め皆で支え合っていくことが必要でございます。
このため、法案においては、サービスの利用量と所得に着目した費用負担の仕組みを導入するとともに、障害者の在宅サービスに関する国及び都道府県の負担を義務的なものとすることとしており、これらにより、必要な財源を確保しながら制度をより安定的に運営することができるものと考えております。
利用者負担を求めるに当たりましては、障害基礎年金のみで生活している方や資産の乏しい方がおられることを考慮して、各般の負担軽減措置をきめ細かく講じ、障害者が暮らしていく上で支障が生じないようにするための仕組みを提案しているところであります。
これらにより、必要なサービスを確保しながら障害者の地域における自立した生活を一層支援してまいりたいと考えております。
利用者負担の月額負担上限を設定する際の同一世帯の範囲についてのお尋ねがございました。
従来の支援費制度における費用負担につきましては、障害者本人のみならず一定の扶養義務者にも負担義務が課されておりましたけれども、障害者自立支援法案におきましては、扶養義務者の負担を廃止をいたしまして、障害者本人又は障害児の保護者を法律上の負担義務者としたところであります。
利用者本人の負担につきましては、負担の限度額を設けることとしておりますけれども、限度額の設定に当たりましては、経済的な面において世帯の構成員がお互いに支え合うという生活実態があることを踏まえまして、介護保険制度などと同様、生計を一にする世帯全体の負担能力で判定することを提案いたしておるところでございます。
ただし、障害者と同一の世帯に属する親、兄弟、子供等がいる場合であっても、その親、兄弟、子供等が税制と医療保険のいずれにおいても障害者を扶養しないこととしたときは、生計を一にしていないこととみなすことができるため、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できることとしたいと考えております。
最重要度障害者に対する長時間介護サービスの確保についてお尋ねがございました。
新制度におきましては、特に重度の障害者への支援を確保していくため、重度障害者等包括支援といった新たな給付類型を創設することとしております。その具体的な対象者やサービス水準につきましては、ALS等極めて重度の障害者の方々のサービス利用の実態等も踏まえながら、地域で暮らす重度の障害者の方々に適切なサービスが確保されるよう十分検討してまいります。
自立支援医療についてお尋ねがございました。
自立支援医療制度におきましては、低所得の方や継続的に相当額の医療費負担が発生する重度かつ継続の方について月額の負担上限額を設け、医療費負担が家計に与える影響に配慮することとしております。この重度かつ継続の範囲につきましては、その範囲を明確にするため、検討会を設置し検討に着手したところであり、特に精神通院医療の重度かつ継続に関する当面の結論については、夏の間に結論を得て適切に実施してまいりたいと考えております。
また、平成十八年一月の施行に向けて事務処理の方法についてできるだけ速やかにお示しし、地方自治体が障害者の方々に十分周知しながら円滑に実施できるよう努めてまいります。
自立支援医療の利用者負担に関する世帯の単位についてお尋ねがございました。
自立支援医療につきましても、御指摘のように、福祉サービスと同様の扱いとすることが適当と考えております。また、自立支援医療には、基本的には医療保険の自己負担部分を助成する機能もあることなどから、月額の負担上限を決める場合は、障害者本人と同じ医療保険に加入し、生計を一にする世帯の所得で決定することを原則といたしますけれども、障害者と同一の世帯に属する親、兄弟、子供がいる場合にあっても、その親、兄弟、子供が税制と医療保険のいずれにおいても障害者を扶養しないこととしたときは、障害者本人と配偶者の所得に基づくことも選択できることとしたいと考えております。先ほどお答えしたとおりでございます。
ケアホームとグループホームの対象者についてお尋ねがございました。
新制度におきましては、現在のグループホームを、介護が必要な方を対象とするケアホームと就労している方等を対象とするグループホームに分けることにより、より利用者の状態像に合った適切なサービスが提供されることとなると考えております。
なお、現在のグループホームにつきましては、現に様々な障害程度の方々が同居しておられる実態もありますことから、事業者が責任を持って利用される方にふさわしいサービス提供をすることを前提に、グループホームの対象者とケアホームの対象者が同居できることとし、その具体的な条件については関係者の意見も聞きながら検討をしてまいります。
グループホームやケアホームの基準についてお尋ねがございました。
グループホーム等の運営の在り方につきましては、利用者への日常生活面の支援を通じ、地域において共同生活を支えるという機能を果たすこと、利用者の障害の程度に応じ適切なサービスを確保すること、事業者の工夫や経営努力を生かしていくことなどを基本として検討していく必要があると考えております。
今後、こうした視点に立って、新制度におけるグループホーム等の規模、人員配置、報酬等の基準について、現在の運営実態や問題点を踏まえ、関係者の御意見を伺いながら、利用者の状態にふさわしいサービスが提供されるよう十分に検討してまいります。
福祉と雇用の連携による就労支援についてのお尋ねがございました。
今回の改革では、福祉施設とハローワークが連携し、就職を希望する者に対し、就職の準備段階から職場定着に至るまでの一貫した支援を行う仕組みづくり、就職支援に実績を有する福祉施設がそのノウハウを生かして、より効果的な職場適応援助を行うことを目的としたジョブコーチ助成金制度の創設などを実施することにより、福祉施策と雇用施策の両面から一貫した支援を行うこととしております。
このような取組により、施設利用者の約四割が一般就労を希望していながら、実際に一般就労した障害者が約一%程度であるという現状が段階的に改善され、相当程度の方が一般就労に移行できるようになっていくものと期待をしておるところでございます。
今後、福祉と雇用の連携を強化しながら、障害者お一人お一人の実情に応じた適切な就労支援を積極的に推進してまいります。
今後の障害者自立支援施策の展開についてのお尋ねがございました。
障害者自立支援法案は、障害者の地域における自立した生活を一層支援するため、市町村を中心としたサービス提供体制を構築しようとするものであり、障害保健福祉施策にとって大きな一歩になるものと考えております。
今後は、まずこの法律の早期の成立をお願いするとともに、御指摘の地域生活支援事業などに必要な予算の確保に努め、施行に万全を期すことが重要と考えております。
また、施行後三年を目途として、この法律の規定について障害者等の範囲を含め検討することとされておりますことから、厚生労働省としても、不断の見直しや検討を行うとともに、関係省庁と連携を図り、障害のある人もない人もともに生きる共生社会の実現に向けて努力してまいります。(拍手)