小泉純一郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 武部議員に答弁いたします。
今回の選挙結果及び今後の改革への決意についてでございますが、今般、自由民主党と公明党と合わせて、目標の過半数を超える議席を獲得することができました。これまでも多くの国民の御支援により改革を進めてまいりましたけれども、この総選挙の結果、多くの国民は引き続き改革を進めていけという声だと受けとめまして、この改革をとめることなく、改革路線をしっかりとした軌道に乗せていきたいと考えております。まずは郵政民営化法案を実現させ、そして山積する内外の諸課題に取り組み、残された任期一年、内閣総理大臣の職責を果たすべく、全力を尽くしてまいります。(拍手)
小さな政府の実現に向けて取り組む決意についてでございますが、郵政民営化は、約二十六万人の郵政公社の常勤職員が民間人になるとともに、従来免除されていた税金が支払われること等によりまして財政再建にも貢献するなど、小さな政府の実現を加速するものであります。
私は、今回、この郵政民営化のみならず、政府系金融機関の改革、そして地方にできることは地方にという三位一体の改革、さらには公務員の総人件費等の削減、財政構造改革等、今までの基本方針にのっとってこの改革をさらに進めていかなきゃならない、そうすることによって政府の規模というものを縮減していかなきゃならないと思っております。それが将来の世代の税負担の軽減につながるものと考えているからでございます。
政府系金融機関についての問題についてお尋ねでございます。
特殊法人改革については、既に、道路公団を廃止して民営化する、住宅金融公庫についても民間で取り組んでいる直接融資を基本的に廃止するなど、事務事業の徹底した見直しを行いました。この結果、特殊法人等向け財政支出を実質的に一兆五千億円削減する等の成果が上がっております。
政府系金融機関の改革は、資金の入り口の郵政民営化に続く重要な出口の改革であります。住宅金融公庫を除く八機関についてまだ残っておりますが、経済財政諮問会議において、十一月をめどにあるべき姿の実現に関する基本方針を取りまとめるため、政策金融の手法を用いて真に行うべきものを厳選し、統廃合、民営化等を含めてしっかりと議論していく考えでございます。
さらに、公営競技関係法人については、組織のあり方や助成金交付事業の透明化等について議論を行い、平成十七年度中に結論を得る考えであります。
また、NHKについては、国民・視聴者の信頼回復や受信料の公平負担及び健全経営の確保に向けた取り組みがなされることを期待しております。
今後とも、特殊法人等から移行した独立行政法人も含め、事業の廃止、縮小、重点化等を通じて財政支出の縮減を図るなど、改革の実施に取り組んでまいります。
公務員の人件費削減についてでございますが、政府の規模を大胆に縮減するとの観点から、国、地方を通じ、公務員の給与に関し、地域の民間の給与実態に合わせるなど給与体系の見直しを進めるとともに、公務員の定員の純減目標を設定し、削減を平成十八年度より行ってまいります。
公務員給与の取り扱いについてでございますが、政府においては、これまで徹底的な行財政改革に取り組み、国家公務員についても、平成十三年度以降、約十四万人の職員の非公務員化、五%を超える給与水準の引き下げ等の措置を講じてまいりました。
本年度の人事院勧告については、本日、勧告どおり実施することといたしました。勧告には、地域における国家公務員給与の見直しなど給与構造の抜本的な改革等が盛り込まれており、その実施は、総人件費の削減、ひいては行財政改革の推進に資するものと考えております。
天下りの抑制についてでございますが、早期退職慣行の是正を進めているほか、特殊法人等の長及び役員の選任について国家公務員出身者の割合を二分の一以下とするなど、各省を厳しく指導してきたところであります。この問題に対する国民の強い批判があることを真摯に受けとめ、今後とも内閣としてしっかり取り組んでまいります。
公共事業などの特別会計、特定財源についてでございますが、自民党がマニフェストで、非効率的な特別会計や特定財源制度について聖域なく抜本的に見直すことを公約し、さらに、今般、幹事長みずからこの本会議で、特別会計や特定財源の思い切った改革が必要という提言をされました。これを心から歓迎いたします。政府と歩調を合わせて、しっかりと党側もこの改革に御協力をいただきたいと思います。(拍手)
御指摘のように、特別会計、特定財源については、受益と負担の関係を明確にできるなどの意義がある一方、近年、硬直化してむだな支出が行われているのではないかとの問題が指摘されております。
私は、道路等の特定財源について、暫定増税をしている税制との関係、また、使い道のあり方の見直しなどの基本方針について、年内に検討するよう指示しております。
いずれにせよ、国全体としての一層の歳出の合理化、効率化の観点から、政府・与党一体となって、御指摘の点について一層徹底した改革を行ってまいります。
財政健全化に関して、小さな政府を目指す改革を徹底すべきとのお尋ねでございますが、私は、就任以来、財政健全化に向けて、公共事業費を約四割削減するなど、既に十兆円に上る歳出改革を断行してまいりました。引き続き、二〇一〇年代初頭には政策的な支出を新たな借金に頼らずにその年度の税収等で賄えるよう、財政構造改革を全力で進めていかなければなりません。このため、財政再建に貢献すべく、郵政民営化を初めとする構造改革を断行し、政府の規模を大胆に縮減してまいります。
政府の資産に関してでございますが、これまでも、NTTなど民営化法人の株式や物納財産等の未利用国有地などを積極的に売却し、財政健全化に貢献してきているところであります。さらに、郵政民営化は、株式の売却などにより財政再建にも貢献するものと考えます。
今後とも、経済財政諮問会議において、政府が持つ資産、債務の管理強化に関する議論を進めていくこととしており、政府の規模の縮減の実現に向け、着実に取り組んでいきたいと考えます。
消費税を含む税制の改革についてでございますが、私は、まずは徹底した行財政改革に取り組むべきものであると考えておりまして、これまで申し上げてきたとおり、在任中に消費税を引き上げる考えはございません。
しかし他方で、現在、国債依存度が四〇%に達しており、歳出削減だけで財政再建が可能であるとは思っておりません。そのために、消費税を含めたあらゆる税制について大いに議論を進めるべきであると考えております。
今後、消費課税だけでなく、幅広く税制全体のあり方を総合的に考えて、結論を平成十八年度内を目途に得たいと考えております。
医療費の伸び率の適正化についてでございますが、社会保障給付費の中で、医療費は平成十五年度で約三十一兆円となっております。今後、高齢化の進展に伴い、国民所得を上回る勢いで伸びていくことが見込まれております。
したがって、国民負担を極力抑制するとともに、国民皆保険制度の持続可能性を確保するため、医療費を適正化する仕組みを構築することは早急に取り組むべき重要な課題であります。
このため、医療費適正化の実質的な成果を目指す政策目標の設定や、保険給付の内容、範囲の見直しなどについて年内に結論を得た上で、医療保険制度改革関連法案を次期通常国会に提出するようしっかり取り組んでまいります。
農業の改革についてでございますが、今後の農政の展開に当たっては、やる気と能力のある農業経営への支援の集中化、重点化を図るほか、我が国農産物の海外への輸出など、生産者や地域の創意工夫に基づく意欲的な取り組みを後押しする攻めの農政に転換することが重要であります。
御指摘の農協改革についても、農林水産大臣みずから先頭に立って、担い手育成に対応した事業展開など、改革の推進に積極的に取り組んでいるところであります。
市場化テストでございますが、この市場化テストについては、いわゆるお役所仕事を徹底的に見直して、民間にできることは民間にを実現するために、官と民が競争してサービスの効率化を進めるもので、重要な手段と考えております。
このため、市場化テストを本格的に導入するための法的基盤を整えるべく、お役所仕事改革法ともいうべき公共サービス効率化法案の次期通常国会への提出に向けた準備を政府を挙げて加速してまいりたいと考えます。
被用者年金の一元化の目標時期についてですが、年金制度の一元化について、私は、まずは厚生年金と共済年金の一元化が先に来るのではないかと申し上げてまいりました。私は、既に、被用者年金の一元化に向け、制度間における給付や負担の水準の相違等、被用者年金の一元化を進めるに当たって検討すべきさまざまな課題について幅広く議論し、その処理方針をできるだけ早く取りまとめるよう指示したところであります。
改革の光を地域や企業にどう当てていくかということでございますが、我が国経済は、企業部門と家計部門がともに改善し、全体としては緩やかに回復しておりますが、地方経済については、北海道や東北でやや弱含みとなるなど、依然としてばらつきが見られております。また、中小企業については、持ち直しの基調にあるものの、その環境については大企業に比べて厳しいものがあります。
こうした認識のもとに、政府としては、五百四十八件に及ぶ構造改革特区の認定、稚内から石垣までをモットーとする都市再生、地域再生法等による支援、一地域一観光の方針のもとで観光振興による地域経済の活性化の促進、中小企業への円滑な資金供給や新事業への挑戦支援など、改革の成果を地域や中小企業にも浸透させてきております。
今後、御指摘のように、さらに民間主導の経済成長を図る中で地域の再生に積極的に取り組む方針であります。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣竹中平蔵君登壇〕