小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 鳩山由紀夫議員に答弁いたします。
政治と金の問題でございますが、政治と金の問題は、政治家一人一人が常に襟を正して当たらなければならない問題であります。政治家が政治資金を受け取る際には、政治資金規正法にのっとって適正に処理されなければならないというのは言うまでもありません。
また、国会における関係者の証言が必要かどうか、国会において決めるべき問題であり、各党各会派において十分に議論していただきたいと考えます。
自民党では、昨年秋に幹事長のもとで、いわゆる迂回献金があるかどうかについて調査した結果、自民党が政治資金規正法に違反するいわゆる迂回献金を行った事実はないという報告を受けております。
また、国民の政治に対する信頼を損なうことがないよう、自民党内において政治資金の一層の透明化に関する改革を決定し、各議員、選挙区支部長などに対して決定事項の遵守を徹底したところであります。
いずれにしても、今後とも、政治資金の適正な処理と透明性を確保し、政治に対する国民の信頼を得られるよう努力してまいります。
政治資金規正法改正についてでございますが、さきの通常国会において、与党は、一定額以上の寄附の振り込みを義務づけ、政治団体間の寄附に上限を設けるなど、政治資金の一層の透明性を確保するための改正案を提出し、野党の改正案とともに御審議いただいたところであります。
規制の対象や内容についてはいろいろな御意見がありますので、規定の実効性などの点も含め、各党各会派で十分御議論いただきたいと考えます。
地方分権についてですが、地方が自由に使える財源をふやし、地方の自立を可能にして、みずからの創意工夫と責任で自治体の政策を決められるようにすることが重要であります。国は、本来果たすべき役割を重点的に担うようにすべきであると考えます。
このため、地方にできることは地方にという理念のもとに三位一体の改革を進めることにより、国の関与を縮小して地方の権限、責任を拡大する地方分権を推し進めるとともに、国、地方を通じた行政のスリム化を推進してまいります。
今後とも、国と地方の協議の場などを通して地方の意見を真摯に受けとめながら、三位一体の改革を確実に実現し、地方分権を推進してまいります。
義務教育費国庫負担金についてでありますが、所信表明演説で申し上げましたように、四兆円程度の補助金改革、三兆円規模を目指した税源移譲、地方交付税の見直しの三位一体の改革は、地方の意見を真摯に受けとめ、来年度までに確実に実現する方針であります。
義務教育費国庫負担金の取り扱いについては、昨年末の政府・与党合意に基づき行われている中央教育審議会の審議結果を踏まえつつ、この方針のもと、本年中に結論を出してまいります。
地方六団体の改革案への対応についてでございますが、今後、昨年の政府・与党合意を踏まえ、かつ地方の意見を真摯に受けとめて補助金改革を進めてまいります。
少子化対策ですが、昨年末に、若者の自立、働き方の見直し、地域のきめ細かな子育て支援など幅広い分野で施策内容や目標を提示した子ども・子育て応援プランを策定したところであり、これを着実に進めてまいります。
あわせて、プラン等に示されたとおり、社会保障給付について、大きな比重を占める高齢者関係給付を見直し、これを支える若い世代及び将来世代の負担増を抑えるとともに、社会保障の枠にとらわれることなく次世代育成支援の推進を図ることは重要であり、現在進められている社会保障制度全般についての一体的な見直しにおいてもさらに検討を進めてまいります。
障害者自立支援法案の再提出についてでございますが、この法案は、今後も新たにサービスを利用する障害者がふえることが見込まれる中で、精神障害者の方も含め、障害者が必要なサービスを利用できるよう、在宅福祉サービスに関する国等の負担を義務的なものとするとともに、利用者負担の見直しを行うなど、障害保健福祉施策を抜本的に見直すものであります。
利用者負担については、障害者等の家計に与える影響を十分に考慮して、月ごとの負担の上限額を設定することや、収入、預貯金の状況に応じて個別に減免するなど、きめ細やかな負担の軽減措置を講じることとしており、障害のある方が自立して生活していく観点から、十分な配慮をしているところであります。
この法案は、さきの国会の衆議院における修正内容を盛り込み、施行期日を平成十八年四月一日に延期した上で、近く国会に提出を予定しておりますが、その一刻も早い成立が必要と考えております。
アスベスト問題でございますが、この問題については、既存の法律で救済できない被害者の救済について、実態把握を行い、新法を次期通常国会に提出することとしているほか、関係閣僚会合を開催し、アスベストの使用の実態把握、建築物の解体時の対策、早期の全面禁止など、関係省庁で緊密な連携を図りつつ、機動的に対策を進めているところであります。
被災者生活支援制度については、これまでも支給限度額の引き上げ、居住安定支援制度の創設等の改正を行い、また、領収書の添付の廃止、家財道具等の細かな経費区分の廃止、概算払いの限度額の拡大等の運用改善を行ったところであり、今後とも制度の積極的活用を図ってまいります。
政府の危機管理体制については、関係省庁の機能を生かしながら政府全体として総合力を発揮できるよう、これまでも内閣危機管理監を設置するなど、内閣を中心とした体制の強化を図ってきたところであり、引き続き不断に検討を行ってまいります。
地球温暖化対策につきましては、我が国は、本年四月に策定した京都議定書目標達成計画に基づき、京都議定書の約束達成に向けた取り組みと、二〇一三年以降の中長期的取り組みとの整合性を確保しつつ、脱温暖化社会の実現を目指しております。また、今後、温室効果ガスの排出量の多い米国や中国、インド等も参加する共通ルールを構築していくため、二〇一三年以降の温暖化対策の枠組み交渉において、我が国として主導的な役割を果たしていく考えであります。
テロ特措法の延長及び同法に基づく給油活動でございますが、米国同時多発テロによってもたらされたテロの脅威は依然として存在しており、我が国としても、これを除去するための国際社会の取り組みに引き続き積極的かつ主体的に寄与していく必要があることから、テロ特措法の延長が必要と判断したものであります。
同法に基づく給油が別目的に使用されたのではないかとのお尋ねですが、そのような御指摘があることは承知しておりますが、我が国の支援は、同法に基づくものであることが米国と締結している交換公文に明記される等、相手国との確かな信頼関係のもとに行われているものであり、そのような事実はないものと考えております。
日本に対するテロでございますが、国際テロリストのものとされる声明において我が国が標的の一つとして名指しされるなど、日本が国際テロの標的とされる可能性があるものと認識しております。このような現下の情勢を踏まえ、国内におけるテロの未然防止を図るため、既に関係省庁が緊密な連携をとりながら、テロ関連情報の収集分析、出入国管理、ハイジャック対策、重要施設や公共交通機関の警戒警備等、各種テロ対策の徹底に努めております。
イラクでの自衛隊についての活動ですが、サマワの治安情勢は予断を許さないものでありますが、依然として、イラクの他の地域と比べれば比較的安定していると考えております。これまでの情報を総合的に勘案して判断すれば、自衛隊の活動するサマワ周辺については、現時点で非戦闘地域の要件を満たさなくなったとは考えておりません。
現在の基本計画における派遣期間終了後の対応については、国会での議論を踏まえ、国際協調の中で日本の果たすべき責任、イラク復興支援の現状、諸外国の支援状況等を見ながら、日本の国益を十分に勘案して判断すべきものと考えております。
安保理改革でございますが、我が国は、国際社会が直面するさまざまな課題に対処するためには、国際連合、特に安保理の実効性、信頼性の向上が必要との認識に基づき、ドイツ、インド、ブラジル等の諸国とともに安保理改革を先導してきました。その結果、改革の機運はかつてなく高まり、先般の国連首脳会合で採択された成果文書でも、安保理を含む国連改革の機運は維持されております。今後とも、同じ考えを持つ各国の理解と協力を得ながら、改革に向け全力を尽くす考えであります。
中国及び韓国首脳との関係についてでございますが、中国の胡錦濤国家主席とは本年四月に、韓国の盧武鉉大統領とは本年六月に首脳会談を行い、それぞれの二国間関係が極めて重要であるとの認識を共有するとともに、忌憚のない意見交換を行っております。引き続き、両国との未来志向の協力関係を構築していくべく、両国首脳との間で率直な対話を進めていく考えであります。
近隣諸国との信頼醸成についてでございますが、我が国と中国や韓国を初めとするアジア諸国とは、ともに手を携えて地域の平和と繁栄を実現していくことが重要であります。引き続き、これらの国々との間で、意見が異なる個別の問題についても対話を深め、幅広い分野における協力と国民各層における交流を強化することを通じ、相互理解と信頼に基づいた未来志向の関係を構築していく考えであります。
在日米軍の再編でございますが、在日米軍の兵力構成見直しについては、在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の負担の軽減を図る観点から、米国と協議を進めてきております。今後、政府が一体となってこの問題にしっかり取り組んでいきたいと思います。
憲法改正についてでございますが、民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重という現行憲法の基本理念については、多くの国民からも広く支持されてきたものであり、将来においても堅持すべきものと考えます。他方、憲法九条や自衛隊のあり方についてはさまざまな議論がありますが、戦後六十年の我が国の歩みを振り返れば、日本の国民が軍国主義を否定し、国際的な平和と安定に積極的に寄与していることは、国際的にも理解が得られているものと考えております。今後の憲法改正の議論も、この方向を堅持しながら、我が国の実態に合致するものを模索すべきであります。
憲法改正につきましては、時間をかけて十分に議論することが必要であります。自民党は、党としての改正案を取りまとめる予定であり、公明党を初め各党や国会においても議論が行われております。また、民主党も憲法改正に賛成だと伺っておりますし、現在の鳩山由紀夫議員も憲法改正に賛成と表明されております。自民党、公明党のみならず、民主党とも協力しながら、新しい時代における憲法のあり方について、大いに国民的議論を深めていただきたいと考えます。(拍手)
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〔議長退席、副議長着席〕