志位和夫の発言 (本会議)
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○志位和夫君 日本共産党を代表して、小泉首相に質問いたします。(拍手)
まず、郵政民営化問題についてであります。
首相は、総選挙の結果をもって郵政民営化は多くの国民の信任を得たとして、一気呵成に法案成立を図ろうとしております。しかし、ここには二つの重大な問題があります。
第一に、与党は、議席では圧倒的多数を占めましたが、小選挙区で得た得票は四九%にすぎないということであります。
首相は、民営化に賛成か反対か国民に聞きたいと述べ、民営化の是非を問う国民投票だと位置づけて審判を仰ぎました。しかし、民営化に賛成と答えた国民は半数に満たなかったのであります。この結果をもって多くの国民の信任を得たとは到底言えないのではありませんか。
第二は、首相が国民に真実を語ったかという問題であります。
首相は、民営化すれば公務員が減らせる、税金を払うようになると繰り返しましたが、郵政事業には国民の税金が一円も使われていないこと、郵政公社のままでも利益の半分は国庫に納付する仕組みになっていること、この二つの事実を解散から投票日までの期間に一度でも国民に語ったことがありますか。はっきりとお答え願いたい。もしも、これらの重大な事実を語ってこなかったとすれば、この選挙結果は、国民を欺いて得た結果だと断ぜざるを得ないのであります。
もともと、郵政民営化は国民の要求によって始まったことではありません。日米の大銀行と大手保険会社、アメリカ政府によって、郵貯、簡保を民営化せよ、縮小、廃止せよとの要求が繰り返され、それにこたえて進められたというのが事の真相でした。首相はこの真相も国民に隠し続けたではありませんか。
真実を語らず、事の真相を隠し、それでも得た得票は半数に満たなかった。この選挙結果をもってまともな審議抜きに郵政民営化法案をごり押しすることは、絶対に許されるものではありません。日本共産党は、徹底審議の上で廃案にすることを強く求めるものであります。(拍手)
次に、国民の暮らしにかかわる二つの緊急の問題について質問いたします。
一つは、政府が前国会で廃案となった障害者自立支援法案を再び強行しようとしていることです。
この法案の最大の問題は、障害者が利用するすべてのサービスに一割の自己負担を導入することにあります。利用料負担は授産施設や共同作業所の利用にも押しつけられます。授産施設で働くことなどせず、家でじっとしていろとでも言うのでしょうか。これは自立に努力している障害者の方の痛切な声であります。懸命に働いて手にするわずかな工賃をはるかに上回る利用料を取り立て、働く場と生きがいを奪うことがどうして自立支援なのか、しかと説明していただきたい。障害者の自立を妨げ、生きる権利を奪う法案は、きっぱり断念するべきであります。
いま一つは、庶民増税の問題です。
谷垣財務大臣は、投票日の翌々日の記者会見で、所得税、住民税の定率減税を廃止する方針を表明いたしました。定率減税が廃止されますと、総額で三・三兆円の増税、年収四百万円から九百万円までの圧倒的多数のサラリーマン世帯で、所得税、住民税が二割以上もふえることになります。事は極めて重大であります。自民党は、総選挙で掲げた政権公約で、サラリーマン増税を行うとの政府税調の考え方はとらないと明記していたからであります。
首相にただしたい。
六月に政府税調が打ち出した方針は、その冒頭で、平成十八年度に定率減税を廃止する必要があると述べています。定率減税の廃止というのは、まさに政府税調が行うとしたサラリーマン増税そのものではありませんか。定率減税の廃止に踏み出すことは、サラリーマン増税を行うとの政府税調の考え方はとらないとしたみずからの政権公約を踏みにじる、文字どおりの公約違反ではありませんか。はっきりとお答え願いたい。
さらに首相にただしたい。
一九九九年に恒久的減税として行われたのは、所得税、住民税の定率減税だけではありません。大企業向けの法人税の減税、大金持ちが潤う所得税の最高税率の引き下げも同時に行われました。
なぜ、大企業、大金持ちへの減税はそのままにして、庶民をねらい撃ちにする増税だけを行うのか。この六年間に、大企業のもうけは倍増し、大企業の株主への配当も倍増し、大企業の役員の賞与は三倍近くになっています。反対に、家計の所得は総額で十四兆円も落ち込んでいます。見直すというならば、大企業、大金持ちへの行き過ぎた減税措置こそ真っ先に見直すべきではありませんか。少なくとも、今年度で期限が切れる大企業向けの特別の優遇税制、年間一・二兆円に上る研究開発減税とIT減税は予定どおり終了すべきではありませんか。答弁を求めます。
次に、イラクへの自衛隊派兵と憲法問題について質問いたします。
イラクの情勢は、イラクの首相自身が、我々は戦争状態にある、それも最悪の種類の戦争であると述べるなど、極めて深刻です。情勢悪化の根本原因は、無法な侵略戦争に続く軍事占領、さらに、米英軍などが掃討作戦と称して女性や子供も含めた民間人を無差別に殺りくしていることが、暴力とテロの悪循環をつくっていることにあります。首相はイラクの情勢悪化とその原因をどう認識しているのですか。
十二月に派兵期限が切れる自衛隊について、首相は、情勢を見て判断すると述べましたが、情勢の前向きの打開のためにも、期限を決めた占領軍の撤退、自衛隊の速やかな撤退こそ必要ではありませんか。答弁を求めます。
最後に、憲法問題について質問します。
首相は、選挙の中で憲法についても国民に何も語りませんでした。ところが、選挙が終わるとすぐに、与党と民主党によって国民投票法案のための特別委員会設置が強行されるなど、改憲に向けた動きが起こっていることに多くの国民の不安と批判が広がっています。
憲法改定の焦点が九条を変えることにあることは明瞭です。そこで、総理に伺いたい。一体、首相は、九条のどこをどう変えようというお考えなのですか。黙っていないで、みずからの考えを述べるべきであります。これまで政府は、憲法九条のもとでは海外での武力の行使はできないことを建前としてきました。首相は、この建前を突破するような方向での改定を考えているのでしょうか。はっきりとお答え願いたい。
ことしは戦後六十年の記念の年であります。戦後、日本の軍隊は、一人の外国人も殺さず、幸いなことに、これまでのところ一人の戦死者も出さないできました。これは憲法九条が存在したおかげであり、その歴史は世界に誇るべきものであると私は確信いたします。憲法九条を変え、日本を海外で戦争をする国にしてはならないということを強く訴えて、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕