福井俊彦の発言 (予算委員会)

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○福井参考人 世界経済にとりましても、原油価格の高騰、そして高どまりが続くというふうなことは、当面最大のリスク要因というふうに世界各国の政策当局者によって強く認識されているところでございます。先般、谷垣財務大臣とともにG7の会合に出てまいりましたけれども、その認識は改めて強く確認されたというところでございます。
 原油価格の高騰が及ぼす経済への影響というのはさまざまなルートがございますので、余り単線的にこれをとらえ過ぎることは危険でございますが、一つ、現在、我々と申しますか、世界の政策当局者の共通の認識は、七〇年代のオイルショックのときと違って、今回の場合は、目先の原油の供給制限ということではなくて、世界経済が順調に拡大し、したがって原油に対する需要圧力が強まってきている、どちらかというと需要サイドからのきっかけというのがより強い石油価格の高騰、こういうふうに認識されております。
 この場合には、目先、突如として原油の供給制限が出てきたという場合との最大の違いは、供給制限が、目先、急に迫ってきた場合には、短期的に世界経済の潜在成長能力が落ちるということでありますので、強い引き締めが必要になる。つまり、景気に対して強いブレーキをかける。そこがおくれるとインフレが走る、そうなるとさらに強い引き締めが要る。これは、七〇年代、日本でも二回の石油ショックで経験してきたことでございます。
 需要要因が先行した今回の石油価格の上昇、これは他の、原油だけではなくて、鉄鉱石その他素原材料を含め、並行して商品市況が上がっているということからも示されておるとおり、やはり、世界の総需要、そして資源の使い方がいかに効率的かという経済政策の本来の姿に引き戻しながらきちんと判断し、政策対応ができるということだと思います。
 もちろん無限に時間的余裕があるわけではありませんけれども、ある程度時間をかけて正確に判断し、経済全体として、そして個々の企業ベースにブレークダウンしてコスト上昇圧力をいかに吸収し得るか。そして、経済全体としてインフレ期待というものが芽生えてくるかどうか、ここをきちんと判断しながら政策判断をしていく。いわばオーソドックスな経済政策の運営を、より目を研ぎ澄まして、あるいは神経を研ぎ澄ましてやっていく、こういうことではないかというふうに思います。
 現在、強い懸念を持たれている割には世界経済が比較的順調に推移している。また、強い懸念が持たれている割には世界的にインフレ期待が高まっていない、長期金利も低位に安定している。これに安んじてはいけませんけれども、そうした状況でございますので、基本的な判断に過ちなきよう、引き続き慎重にこれをウオッチしていく時間的余裕があるということだと思います。
 ただし、米国のカトリーナあるいはリタですか、ハリケーンが来て、米国の湾岸地域の製油設備にダメージを与えるというふうなことがございます。こうしたことは、目先、油の供給制約が強くないとは申しましたけれども、ハリケーンの要因が供給制約要因を手前に引き寄せる要因というのがどれぐらいあるか、この面についても十分慎重な判断が必要だ。したがいまして、長期的には、原油及び精製の段階に至る製造能力というものが長期的な世界経済の需要見通しにフィットして安定的に続くように、これが一つ重要な課題でございます。
 そして、需要の面からいきますと、先ほどおっしゃいましたように、エマージング諸国が大きく油の市場に参入してきておりますので、先進国と同様に、油の使い方の効率性向上、そして省エネ努力ということが強められていくことが非常に大事だ、こういうふうな認識が確立し始めているというふうに思います。

発言情報

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発言者: 福井俊彦

speaker_id: 9074

日付: 2005-10-03

院: 衆議院

会議名: 予算委員会