古川元久の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)

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○古川(元)委員 民主党の古川元久でございます。
 まず最初に、今回の調査団に私も加えていただきましていろいろと勉強させていただきましたこと、中山団長を初め、同行させていただいた皆様方、そして御協力いただいた皆様方に心から感謝を申し上げたいと思います。
 私からは、三点ほど調査団に参加をさせていただいた感想を述べさせていただきたいと思います。
 まず最初に、今回は憲法改正のための国民投票法制をつくるための調査を目的とした出張でありましたが、訪問した各国において、国民投票制度というものが間接民主主義を補完する制度として、憲法改正に限らず重要な問題については国民投票を行うことができるようになっているという形で、国民投票制度というものが制度的に確立しているということを改めて確認させていただきました。この点が、そもそも国民投票という制度自体が存在していない日本と大きく異なっているなということを感じました。
 この委員会の議論の中でも、憲法改正の国民投票法制をめぐりましては、私どものように憲法改正にとどまらず別の課題でも国民投票ができるような一般的な国民投票制度を創設して、その一類型として憲法改正のための国民投票を規定しようという考え方と、それではなくて、憲法改正のみの国民投票制度をつくろうという考え方の議論がなされているというふうに承知をしておりますけれども、今回訪問した国においては国民投票という制度がまずあって、その中のどういう項目を国民投票にかけるか、また、国民投票の結果について諮問的なものとするのか、あるいは法的な拘束力を持つのか、その効力についてはそれぞれ違いはありますけれども、その中で憲法改正というものも位置づけていくという仕組みになっていたということが、これからのこの委員会の議論の中で、まず大きな出発点としてテークノートしていかなければいけないことではないのかなというふうに私は思っております。
 次に、だからといいまして、国民投票制度が間接民主主義を補完する制度として確立しているからといって、今回感じましたのは、国民投票制度を濫用してはならないということを今回改めて認識いたしました。
 どこの国も国民投票に付すためには、付すかどうかを決めるに際しては議会がコミットしていくことの重要性というものが説かれたわけであります。国民投票には、場合によっては国民の意思を、国民投票に付した事柄についての国民の賛否を問うというよりも、時の権力者が自分の統治を正当化するためのいわば人気投票、信任投票のような形で国民投票という制度が使われることがある。それは、フランスなどでは通常の国民投票、レファレンダムと区別して、そうした人気投票、信任投票をプレビシットと呼んでいるようでありますけれども、そういうような形で国民投票制度が使われる危険というのもある。その意味では、時の権力者の恣意を許さないためにも、議会が国民投票に付す事項について、どういう事項について付すのか、どういう場合に付すのかということについてはきちんと関与していくことが重要であるということが改めて再確認をされたのではないかと思っております。
 三番目に私が感じましたのは、どの国におきましても、国民投票を行うに当たりましての投票活動については極めて自由であって、制約、規制は必要最小限にとどまっているということであります。
 これは、私は今回の調査団の中で改めて感じたのでありますけれども、単に国民投票だけではなくて、一般的にもう少し、普通の選挙、議員を選ぶ選挙などにおける選挙活動もかなり自由に広範に行えるようになっているのではないか。我が国の公職選挙法は極めて厳しい規制で、選挙期間中というのは、逆に言いますと、事実上選挙活動というものができないような、逆説的でありますけれども、それくらい厳しい規制があるわけでありますけれども、今回訪問した国では、いずれの国においても、そもそも普通の公職の選挙においても、その選挙活動の受ける制約というものは必要最小限で、かなり自由な活動ができる。その延長線の中で国民投票も位置づけられているために、国民投票においても非常に自由な活動が認められていて、規制は必要最小限にとどまっているという感を持ちました。
 そういう意味では、国民投票制度を我が国において議論するに当たりましては、先ほど来からお話が出ております成人年齢の話、これは民法上の問題になってまいりますし、また、投票行動、選挙活動のあり方を議論するに当たっては、我々が今選挙のときに依拠している公職選挙法のあり方そのものも含めた議論といいますか、見直しというものが行われる必要があるのではないか。そういう意味で、国民投票法制の議論というのは、単に国民投票というものにとどまるだけでなく、我が国のほかの法制、民法やあるいは公職選挙法、そういうものにまで及んでいく議論になるのではないか、そのような感を持ちました。
 最後に、今回訪問した国の中で、EU憲法の批准をめぐりまして国民投票が行われた国としてフランス、スペインがあったわけでありますけれども、スペインの方ではこの批准が賛成され、そしてフランスの方では否決をされたということがあるわけでありますが、今回お話を聞いてみますと、どうも国民が、このEU憲法を批准するかしないかという中で、EU憲法の中身について十分理解をして、その上で賛否を表明したというよりも、EUに加盟することによって経済状況がよくなったとか、あるいは今の経済状況が悪いとか、いろいろほかの、EU憲法そのものではない、今のフランスやスペインの国内の状況、経済状況や政治状況、そういうものがこのEU憲法の批准のための国民投票の結果を大きく左右したのではないか、そのような話も聞きました。その意味では、国民投票にかける場合にいかにその内容を国民が正しく十分に理解しているような環境をつくっていくか、そのことが国民投票法制を考えるに当たっても極めて重大な大きな問題になるというふうに思っております。
 フランスで今回のEU憲法の批准が否決をされたということについて、もう一度批准していいかどうかということを、再び同じことを国民投票にかけることができるのかという話を聞きましたら、考えて、普通一度否決されたものを、また同じようなことをかけることはないんじゃないかという回答がありました。そういう意味では、国民投票に付すということは、それがもし否決をされたという場合には、それは同じようなことをかけることは当面あり得ないということを意味することになるかと思いますので、その意味でも国民投票に付すという場合には十分にその内容について国民への周知徹底が行われるような、そのための手法について相当の工夫というものをしていく必要があるんじゃないか、そのことを感じたということを最後に申し上げて、私の発表を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

発言情報

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発言者: 古川元久

speaker_id: 31953

日付: 2006-02-23

院: 衆議院

会議名: 日本国憲法に関する調査特別委員会