辻元清美の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○辻元委員 先ほど愛知委員から先輩として私の将来を案じるアドバイスをいただきまして、本当にありがとうございます。私は、愛知委員の御主張と私がそれに対して反論というような形で申し上げた主張が、戦後の憲法論議の中で一つの中核をなしていたのではないかと思うんです。それをもって、私は先ほど健全ではない議論ではないかと感じるということを申し上げたんです。その意味をもう一度ちょっと深めたいと思います。
 そして、滝委員からは、先輩として、両方の意見がわかるというような意見もいただきました。これは、やはり戦後の議論の一つの中核であったかなということを裏づける御発言だったんじゃないかと思うんです。
 私は、政治家としての自覚、これは与党を担当していたということを先ほど葉梨委員からもおっしゃっていただきまして、愛知委員ともさまざまな政策を、こんなののんでええんやろかと思うようなことも、一緒に議論し思い悩んだ経験があります。ただ一方、やはり政治家としての自覚の中には、憲法の枠の範囲内で特に政権内閣、権力は政治を行うことに努めなければならないということも大きな基本だと思うんです。あらゆるテーマについてこれは言えると思います。
 先ほど、石破委員から三分の二の定義ということが出ましたけれども、私はちょっと石破委員とこの定義の解釈が違いまして、これは多数、過半数をとった時の政権でも、過半数でできないことを憲法で定めておくという、多数の専制を防ぐという立憲主義のもとでの考え方だと思います。
 ですから、政権がかわっても、それから時の多数が暴走しようとしても、政治の混乱を防ぐという歯どめを憲法がかけているんだという認識です。
 さて、そういう中で、私は、現実はこうだったから、解釈でやるのはおかしいから、だから改憲とか、いや、それをあんたたちがやったんだろう、これは余り健全じゃないと思っているんですね。先ほどあえて反論しましたけれども。私は、今、石破委員との間で一回徹底議論しようというテーマがありまして、石破委員は集団的自衛権を認めて海外での武力行使まで容認という立場にお見受けするんですね。しかし、私は、集団的自衛権は認めず海外では非武装で。この中身で憲法論議をする。どっちの将来のビジョンがいいだろうかということで、これに立脚したらこういう憲法だ、これに立脚したら現憲法だ、これが健全な議論だと思うんです。
 ですから、解釈を積み重ねることはもうおかしいから改憲しようという論理で改憲を主張しない方がいいと思っているんですね。そうすると、あんたたちがやったんじゃないかと。そういうのはすごい不幸だったと思うんです。ですから、私は、中身で、こういう憲法とこういう憲法はどうなんだ、こういうビジョンとこういうビジョンはどうなんだという、それが健全な憲法論議ではないかと思うんです。ですから、私は、あえて愛知委員に反論するときに、健全ではないという言葉を使った次第なんですね。
 さて、そういう中で、解釈改憲ということが一つのテーマになっておりますけれども、自民党は新憲法草案というのをお出しになっています。例えば、今九条をめぐるというところが一つの中核ですけれども、そこを見ますと、自衛軍の構成とか、どういうとき海外に出るかなど規定されているところは、全部法律によって定めるとなっているわけです、この案では。
 私は、ある自民党の議員の方に聞きました。イラクに今自衛隊の人が行ってはるけれども、サマワに辛うじているイギリス軍のようにアメリカと一緒に前線まで行かないのは、憲法九条がきいているからと違いますかと。今の自民党のお出しになっている新憲法草案だと、イギリス軍みたいな形で行くんでしょうかと。そうしたら、そのときになってみないとわからないとおっしゃったわけです。
 そのときどういう法律をつくるかによると書いてあるので、そのときの政権がどういう法律をつくるかだと解釈したら、いわゆる憲法九条の戦争放棄に基づいて日本は武力行使はしないという歯どめを外して、かつ、そのときの政権による解釈や法律という、さらにあいまいな、歯どめを外したところでのあいまいな判断による運営がなされる危険性をはらんでいるというようなことも、私は率直に申し上げて新憲法草案を拝見したときに非常に危惧を抱いた点なんです。
 ですから、先ほどの解釈によってというところの解釈をして、そして、それを根拠に改憲だ、それは現実に合わせていくんだということを容認してしまうと、私は、日本の政治にとって不幸な事態を招いたり、立憲主義に立つ国として、先進国の一員として海外からいつまでも日本は一体どうなっているんだと言われかねないなという危機を新憲法草案の中などにも読み取ったということもあり、先ほど発言をさせていただきました。本当に貴重なアドバイス、ありがとうございました。
 以上です。

発言情報

speech_id: 116404968X00720060406_027

発言者: 辻元清美

speaker_id: 8731

日付: 2006-04-06

院: 衆議院

会議名: 日本国憲法に関する調査特別委員会