松野博一の発言 (農林水産委員会)
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○松野(博)委員 今後の日本の農業の競争力を考えたときに、やる気のある担い手に集中をしていくということは非常に重要な点でありますけれども、また一方で、高齢者の農業従事者の方々や零細な農家の方々は、山間部や過疎地においては現在では主要な農業の担い手でもあります。日ごろからの委員会の議論にもありますとおり、日本の文化の源泉である農村をいかに維持していくかということを考えれば、こういった高齢者や零細農家は農村の主たる構成者でもあるわけでありまして、こういった観点からも、今回の法案の対象者とならない農業従事者に関しても十分な配慮をいただきたいというふうに思います。
農地の集約と担い手の育成、この二つの課題を考えるときに、両方とも難しいことでありますけれども、私は、農地の集約の方がどちらかといえばやりやすいのかなというふうに考えます。農地の集約が成功しても、そこで従事する担い手が育成されなければ意味がないわけであります。
現在、若い世代の農業への参加者が少ないという現実はありますけれども、彼らが農業に関心がないというわけではありません。いわゆる自然回帰の志向でありますとか、新たなライフスタイルに適合する面も農業にはあるわけであります。待遇や条件面の整備がされれば、十分に農業に今後とも参加をしていただけるのではないかなというふうに考えます。
その観点で、私は、現在、社会全体といいますか、行政案件が官から民へという流れがありますけれども、農業政策においては一部民から官へという考え方も必要ではないかというふうに日ごろから考えております。
農業に官、公が携わるといいますと、かつての中国の人民公社でありますとかソ連のソホーズ、コルホーズのイメージがあって、非常に非効率なイメージがあると思いますけれども、当時と社会意識も全く変化してきております。農地の集約をするという点において考えても、公の信頼というのはまだまだ我が国においては大きいわけでございまして、それを利用するということは効果を発揮していくのではないかというふうに思います。担い手の供給、育成においても、公、国、県、基礎自治体が相当部分かかわっていくということが今後重要であるというふうに認識をしております。
今回の法案におきましては、民間の農業関係者の活力を十分に発揮していただく、そのためのシステムをつくるということでありまして、これが柱となっていくわけでありますけれども、これをしても足りない部分に関して、農業に対する官の直接的な関与に関しては、今後また場を変えて改めて議論をぜひさせていただきたいというふうに考えております。
次に、自給率に関して質問、議論をさせていただきたいと思います。
先ほど、現在、日本の農業政策における最も深刻な問題は担い手の育成にあるとさせていただきましたけれども、今後の日本の農業政策のあり方、方向性を考えるに当たりまして、自給率をどうとらえていくかということが大変大きな要素になっていくんだろうというふうに思います。
民主党案は、自給率六〇%を目指すとされております。この自給率といいますのは恐らくカロリーベースでの自給率ということであるかと思いますが、一口に自給率と言っても、カロリーベース換算のもの、金額ベースのもの、また自給力と称されるもの等々の考え方があります。農業を産業としてとらえた場合、産業政策的に有効な自給率の指標といいますのは金額ベースではないかと思われます。他の産業において、いわゆるシェアという考え方は生産額ベースであらわせるわけであります。また、いわゆる食料安全保障の観点からいえば、非常時にどれだけの食料を国民に安定的に供給できるかという視点においては、自給力という概念が近いであろうというふうに考えます。
そこで、カロリーベースでの自給率というのは消費者の食生活の嗜好というのが非常に大きいわけでありますけれども、民主党の食料自給率に関する考え方、それと、それに対する農業政策についてお伺いをさせていただきます。