近藤正道の発言 (憲法調査会)
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○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
国民投票制度の議論が始まった中、国民投票制度を中心としたヨーロッパの実情調査に参加することができて、貴重な勉強の機会を与えていただきました。感謝を申し上げます。団長の報告に付加をいたしまして、私の感想を申し上げさせていただきたいと思います。
まず、全体の印象、感想でございますが、我が国では幾つかの自治体における住民投票の経験はあるものの、国民投票制度について経験を持っておりません。
そういう中で、スイスでは年四回、あらかじめ国民投票の日が制定されておりまして、一年に平均二、三十回の、つまり各レベルの国民投票を合計いたしますと年二、三十回の国民投票が行われておると。正に日常的に国民投票が行われております。
そして、フランスでありますけれども、ここでもしばしば国民投票が実施され、国会における圧倒的多数の賛成にもかかわらず、国民投票の結果、これに反する結果を導き出してほかのEUの加盟国に甚大な影響を与えておきながら、政権交代にもならず、政党トップの責任問題も起こらず、淡々と国民投票の結果を受け止めるフランス。
この二つの国を見てきたわけでありますが、いずれの国もこの直接民主主義、国民投票が国民の政治の中に、立法過程の中にかなりの歴史を持ってしっかりと根付いて定着をしている。正に民主主義の成熟と受け止め、大変感銘を受けました。
今回の調査で、私は、憲法改正国民投票の際の国民運動とメディアの規制、投票方式の在り方、方法の在り方、これが今この国でも大きな議論になっているわけでございますが、これらの点についてかの国ではどういうふうな対応をしているのか、このことに関心がありました。
国民運動とメディアの規制でございますが、スイス、フランスともインターネットとかあるいは携帯など、新しい媒体利用も含め原則自由という形で行われているというふうに私は見ました。今、運動、メディアとも自由であって、自由に表現活動と情報提供活動を行っておって規則は原則的にないと、こういうふうに私は見ました。ただし、国民のメディアの活用の在り方、政府の情報提供と支援の在り方、かかわり方については、それぞれ二つの国とも大変苦労をしているなというふうに思いました。政府の情報提供と支援の在り方、かかわり方について大変苦労しているというふうに思いました。
そして、国民投票の実施に当たり、政府の公正性を担保するためにどうするか。先ほど政党助成金の話もありましたけれども、公平に政府が賛否両方の意見に機会を保障する、そのためにはどうしたらいいか、本当にたくさんの議論すべき問題があるということがよく分かりました。
投票方法でありますけれども、フランスではEU憲法条約について十五の条約を四百四十八か条の条約にまとめ、これを一括して国民に問う方式を取りました。先ほど吉川委員が言ったところでありますが、果たして国民に正しい情報が伝わったのか、国民は十分に内容を理解できたのか、正しい情報に基づき国民の正確な意思表示が行われたのか、たくさんの課題や問題点が指摘されております。当時の政治状況が大きな影響を与えているということもまた事実でございます。こういうことを十分に整理をし、分析をしていくことが必要だというふうに思っています。
また、我が国では投票方法について、条文ごとに行うのか、あるいは一括投票で行うのかという議論もあります。今回のフランスのEU憲法条約のこの問題が一つの大きな参考になるというふうに思っています。この国の憲法の理念に照らしてどちらがいいのか、十分に議論すべき問題だというふうに改めて思いました。
さらに、そもそも国民投票としてあらかじめ一般法を定める方法がいいのか、あるいはその都度ルールを定めるフランスのデクレのような方式がいいのか、こういう議論もあると思いました。そしてまた、憲法改正の限界についての論議も、どこでどのように論議をするのかということも含めて、これもやっぱり論議に値する、こういう問題があるということも分かりました。
いずれにいたしましても、たくさんの論点があるわけでございますので、これを論点整理をしながら、これから一つ一つ十分な時間を掛けながら、国民の見ている前でしっかりと論議をしていくという当たり前のことでありますが、そのことを改めて痛感をした、これが私の率直な印象でございます。
以上でございます。