簗瀬進の発言 (憲法調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○簗瀬進君 前回に引き続き発言の機会を与えていただきましてどうもありがとうございました。
 私は、手続法の議論が始まって以来、どうも更に、特に自民党さんと民主党の間の差が更に広まっているような実は感触を持っております。
 というのも、今も例えば我が国は代議制民主主義の国である、あるいは我が国は政治的に間接民主主義の国なんだ、こういうふうに、これを所与の前提として考えていらっしゃるわけでございますけれども、よくよく考えてみると、我が国を代議制民主主義にしている、例えば国会に立法権を与えている、その国会が法律によって、公職選挙法によって選ばれた議員によって構成される、だれが決めたんだ、これは憲法でございます。正に憲法が前提になって、憲法の授権の下に法規範が生まれてくる、あるいは国会が生まれてくる、あるいは選挙の姿が生まれてくる。
 正にそのように考えてみますと、言うならば憲法規範と通常の法規範は根本的に違っておって、憲法というのはむしろ親ガメ、その上に乗っている国会とか、あるいは公職選挙法とか、あるいはそこで作られる法律とか、これは子ガメでございます。子ガメの決め方、例えば公職選挙法をそのまま親ガメの決め方に当てはめてこようというのはどうも私は本末転倒なんではないのかなと。
 正にそういう意味では、我が党がこの国民投票法の議論をする際に、一般的な直接民主主義の発動手続の一般法を作ろうと、こういうふうに考える、そしてその一つのパターンとして憲法改正があり、またこれから大変重要な国政問題については直接民主主義的に国民の意見を直接聞いていかなければならないとした国政問題国民投票を考えるというのは、これは正に論理的な帰結としてそうなるわけでございますし、例えば投票権の範囲について、あるいは投票運動の規制について、あるいはマスコミ等の対応、そういうこの国民投票をする際の様々な諸制度が、実は直接民主主義的な国民の権限をできるだけ発動をしようと、その仕方を考えると、ということについての一般法を作るということで論理的に落ちてきて例えば十八歳、あるいは案件によってはそれよりも低い年齢と、できるだけ広く考えようと。
 これは公職選挙法で前提にされないまた別の、公職選挙法が間接民主主義、いわゆる親ガメの上に乗っている子ガメの範疇の話だったら、その親ガメの部分の決め方については、それはそれで別のものとしてしっかりと考えていきましょう、こういうふうな考え方になってくるのかなと、こういうふうに思っておるわけでございまして、そういう意味では、なかなかこの問題、国民投票法の中に憲法改正手続だけにするのか、国政問題国民投票含めるのかというのはかなり重要な、民主主義の基本についてどう考えるのかという、そういう基本的な考え方につながっている非常に重要な関連性を持っているなと、こういうふうな意識を持っております。
 それからもう一点、今日は岡田委員、それから白委員の御両者から昨年の選挙の意味がございました。そこで私は、昨年のあの小泉さんがおやりになった郵政選挙というようなもの、これを御自身は国民投票的だとおっしゃっていた部分がかなり私は一種のみそでございまして、これは政権の選択と政策の選択を意図的に混同させていると、こういうふうに評価をした方がいいんではないのかなと思っております。
 昨年の参考人、一橋大学の只野先生でございましたが、御記憶にあると思いますけれども、フランスのプレビシットという、そういう例を挙げておられました。これはどういうことかといいますと、政策の選択に名をかりて政権の信任投票をしてしまうと、これがフランスで行われているプレビシットという現象だと、こういうふうな話でございまして、正にこれは、小泉さんが選挙の前におやりになったことは、郵政というそういう政策の選択を国民に訴え掛けているようでいながら、実のところは政権の信任を求めたと、こういうことだと思います。
 実際、じゃ具体的な政策の細部について国民にしっかりと語られる、そういう制度的な保障があったかというと、これは全くないわけでございまして、そういう意味では、国民投票と、それから国政選挙を極めてうまい具合に混同させてしまって選挙に勝ったんだと。そして、その後、選挙の後に行ったことは、今度は逆プレビシットでございます。
 実は、選挙は政権の選択であるにもかかわらず、これを政策を承認をされたものという形で、これまたもう一回すり替えてくる。そして、今度は、圧倒的に郵政法案を今度は再可決させていくと。正にそういうふうなプレビシットと逆プレビシットを選挙の前後でうまい具合に巧みにやって一種の流れをつくったということは、これは大変端倪すべからざる政治の技だとは思いますけれども、逆から言えば、国政の、いわゆる政権の選択と政策の選択を非常に混同させて国民に訴えることによる危険性、問題性というようなものが見事に現された一種の政治的現象だったんではないのかなと。だからこそ、しっかりとその辺が整理された形での新しい国民投票制、これをつくっていくべきだと、このように考えておる次第でございます。
 以上です。

発言情報

speech_id: 116414184X00320060426_022

発言者: 簗瀬進

speaker_id: 23746

日付: 2006-04-26

院: 参議院

会議名: 憲法調査会