沓掛哲男の発言 (内閣委員会)

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○国務大臣(沓掛哲男君) 国家公安委員会委員長として、所信の一端を申し述べます。
 最近の治安情勢は、刑法犯認知件数が三年連続して減少し、犯罪の増加傾向には一定の歯止めが掛かったものの、依然として昭和期の二倍近くに上るなど、厳しい状況にあります。
 こうした状況の下、内閣の最重要課題である世界一安全な国、日本の復活のため、その中心的役割を担う警察の責務は大変に重いことから、犯罪に強い社会の実現のための行動計画や緊急治安対策プログラム等に基づく総合的な治安対策を引き続き強力に推進してまいります。
 第一は、犯罪抑止のための総合対策の推進であります。
 昨年相次いで発生した女子児童殺害事件等、国民に大きな不安を与える重要凶悪犯罪が発生しております。このような犯罪に対しては、十分な捜査体制を確保するとともに、DNA型鑑定等先進的な科学技術を活用して被疑者の早期検挙を図ります。また、子供が被害者となる事件の再発を防止するため、パトロール等の警察活動を充実強化するとともに、地域住民の協力を確保しつつ、関係機関等と緊密に連携しながら、子供の安全を確保するための諸対策を強力に推進してまいります。
 犯罪に強い社会の実現には、防犯ボランティア活動の活性化が重要であります。先ごろ政府が決定した十月十一日の安全・安心まちづくりの日に合わせて、国民の意識と理解を高めるための取組等を推進してまいります。
 国民が身近に不安を感じる街頭犯罪や侵入犯罪については、その発生を抑止するため、街頭活動を強化するとともに、空き交番の解消を含めた交番機能の強化等を推進してまいります。
 少年の健全育成は、国民すべての願いであります。地域住民、関係機関等との連携を強化し、少年の非行防止と保護の両面にわたる総合的な対策を推進してまいります。
 世界一安心できるIT社会の実現には、サイバー空間の安全の確保が不可欠であります。サイバー犯罪の取締りを強化するとともに、関係行政機関、産業界等との連携等に努めてまいります。
 また、犯罪の被害者や遺族の方々に対する支援や保護のための諸対策を一層充実させます。
 第二は、組織犯罪対策の強化であります。
 暴力団や来日外国人等による組織犯罪に対しては、国内外の関係機関等との連携強化を図るとともに、情報の集約と分析を進め、資金源や犯罪インフラにかかわる犯罪の取締りを強化するなど、犯罪組織の壊滅に向けた諸対策を推進してまいります。
 また、繁華街、歓楽街が健全で魅力あふれるものとして再生することを目指し、官民連携して繁華街、歓楽街を再生するための総合対策を推進してまいります。
 第三は、テロ対策の強化であります。
 依然として世界各地でテロ事件が続発するなど、テロ情勢は大変厳しい状況にあります。今後とも、情報収集や警戒警備に努め、テロの未然防止に万全を期するとともに、テロや大規模災害等が発生した場合に備え、迅速的確に対処する態勢の強化に努めてまいります。
 また、対日有害活動の摘発等を行うとともに、北朝鮮による日本人拉致容疑事案については、引き続き、関係機関と連携し、全容解明に向けて最大限の努力をしてまいります。
 第四は、総合的な交通事故防止対策の推進であります。
 昨年の交通事故死者数は、約半世紀ぶりに六千人台まで減少しました。平成十五年に立てた十年間で交通事故死者数を五千人以下とするとの政府目標を達成するため、交通安全教育の推進、交通安全施設の整備充実、重点を指向した交通指導取締り等を積極的に推進してまいります。
 以上、警察行政の当面の課題と対策について申し上げましたが、深刻な治安情勢に的確に対応するため、平成十七年度からの三か年での地方警察官一万人増員構想に基づき、平成十八年度予算案に三千五百人の増員を盛り込んだところであります。
 今後とも、人的基盤の強化や処遇の改善に取り組み、精強な第一線警察を構築するとともに、引き続き、警察改革の一層の推進及び会計経理の適正化を図ってまいります。
 また、今国会に、危険性の高いエアソフトガンを規制する銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案及び現行の遺失物取扱業務の在り方を見直す遺失物法案を提出しておりますので、早期成立に向け関係各位の御理解と御協力をお願いいたします。
 なお、警察官の私物パソコンに保存されていた捜査情報が流出した事案については、極めて遺憾であり、警察庁から都道府県警察に対し、パソコン及び外部記録媒体の管理の徹底等について指示しており、国家公安委員会委員長としても、同種事案の再発防止に万全を期すよう、引き続き警察庁を督励してまいります。
 次に、平成十八年度警察庁予算について、その概要を申し上げます。
 警察庁の平成十八年度予算における歳出予算要求額として、二千五百九十四億一千五百万円を計上しております。これは、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察費補助等のための経費でございます。
 引き続きまして、有事法制担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
 我が国に対する外部からの武力攻撃などの国家の緊急事態に対処し、国民を保護するために必要な法制を整備しておくことは、国家としての当然の責務であります。このため、いわゆる武力攻撃事態対処法等の有事関連三法や、いわゆる国民保護法等の有事関連七法が制定されたところであります。
 国民保護法に基づき作成した国民の保護に関する基本指針に基づき、昨年十月、指定行政機関の国民保護計画を作成したところであり、今年度内にはすべての都道府県で国民保護計画が作成される予定であります。また、指定公共機関の国民保護業務計画も鋭意作成が進められており、さらに、市町村や指定地方公共機関の国民保護計画等についても、平成十八年度を目途に作成をお願いしているところであります。
 今後とも、法制の着実な運用を図ることが重要であり、引き続き、地方公共団体や民間機関の計画作成の支援に努めるとともに、関係機関による訓練の実施や国民への啓発等に努力してまいります。
 以上、所管行政について申し上げましたが、国民の皆様がこれまで以上に安全で安心して暮らせる社会を実現するため、全力を尽くす覚悟でありますので、委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 沓掛哲男

speaker_id: 34373

日付: 2006-03-09

院: 参議院

会議名: 内閣委員会