小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 草川議員に答弁いたします。
決算の国会提出についてですが、決算を取りまとめた後、可能な限り速やかに国会において御審議いただくことは、国民への説明責任を果たし、決算審査を新たな予算に反映させるものであることから、重要なことだと認識しております。
政府としては、決算の早期提出等により参議院における決算審査の充実のために引き続き最大限協力してまいりますが、御指摘のように決算を国会の閉会中に提出することにつきましては、制度面も含め、どのような対応が可能かについて、国会両院ともよく相談の上、検討してまいります。
会計検査院の体制強化についてですが、政府としては、会計検査院の検査機能の重要性について十分認識しており、検査活動が円滑かつ厳正に行われ、その機能が十分発揮できるよう、検査体制の充実強化については今後も十分配慮していきたいと考えます。
財政の中期展望でございますが、中長期にわたる将来試算の在り方についてですが、御指摘のとおり、財政の中長期にわたる将来試算については、位置付けや目的、前提や手法が異なる幾つかの試算がありますが、いずれも厳しい財政状況の下で財政健全化に向けて今後とも改革を続ける必要があることを示しているところであります。無用の混乱を招かないよう注意しつつも、それぞれの試算の特質に応じて、中長期的な経済財政運営の在り方を検討する上での参考として活用すべきものと考えております。
歳出歳入一体改革の進め方でございますが、参考試算においては、二〇〇七年度以降の追加的財政収支改善努力として裁量的経費を機械的に削減するという便宜的な仮定を置いております。これは歳出歳入一体改革の具体的な在り方を示すものではなく、実際の財政収支改善努力については、義務的経費や歳入面も含めて歳出歳入一体改革の中で検討されるべきものと考えております。
政府としては、世代間の公平性など中長期にわたる検討課題も踏まえつつ、政府の支出規模の目安や社会保障など主な歳出分野についての国、地方を通じた中期的目標の在り方、さらには歳入面の在り方を一体的に検討し、本年六月を目途に歳出歳入一体改革の選択肢及び工程を明らかにしてまいります。
特定財源についてですが、受益者負担の合理性、安定的な財源確保などのメリットがある一方、財政の硬直化や余剰財源の浪費などのデメリットもあると指摘されております。現在、既に道路特定財源の見直しに着手しているところでありますが、現下の厳しい財政状況にかんがみれば、御指摘のように特定財源制度全般を見直していくことは重要であり、今後不断の検証を行ってまいります。
ゼロ金利政策ですが、景気は、企業部門の好調さが雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及しており、民間需要中心の緩やかな回復が続いていると考えます。しかしながら、消費者物価指数やGDPデフレーター等、種々の物価関連統計を総合的に勘案すると、デフレは依然として継続しており、デフレの克服に向け、政府、日銀が一体となって取り組んでいくことが必要である状況には変わりないと認識しております。
統計制度改革でございますが、経済社会が目まぐるしく変化する中で、今日、我が国の統計についても時代の変化に対応する必要があるというのは草川議員御指摘のとおりだと思っております。今後の統計整備に当たっては、こうした要請を機動的に取り込むため、個別の統計とそれを支える法制度の両面から改善を図ることが重要であると考えます。このため、現在、統計体系の整備、政府部内の統計に関連する人員、予算等の効率的活用も含めた司令塔機能の強化等を中心に検討を進めているところであり、統計制度の抜本的見直しに取り組んでまいります。
防衛庁の省移行についてですが、防衛力の役割、主要な装備品の規模などを定める防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画といった国防に関する重要事項は、これまで文民統制の確保の観点から安全保障会議における審議を経て閣議で決定しております。防衛庁の省移行について、国民の十分な理解が得られる形で議論が尽くされることが重要であると考えておりますが、引き続き、こうした文民統制の確保に努めるべきことは当然だと思います。
安全保障会議設置法の改正でございますが、政府としては従来から、国防に関する重要事項等を審議するため内閣に安全保障会議を置くなど、文民統制の確保に努めてきております。防衛庁の組織の在り方を検討するに際しては、文民統制の確保の観点から、御指摘の点も踏まえて今後検討していく必要があると考えます。
耐震強度偽装問題についてでありますが、阪神・淡路大震災を教訓として平成十年に建築確認検査の民間開放を行ったことについて、民間にできることは民間にという方向は間違っていないものと考えております。
今回の事件では、民間検査機関のみならず地方公共団体においても書類の偽装を見抜くことができなかったことから、理由は民間開放にあるのではなく、建築確認検査制度そのものの見直しが必要と考えており、現在、制度の総点検を行い、再発の防止に向けた見直しに取り組んでいるところであります。
公的支援に関する地方公共団体との調整ですが、危険な分譲マンションの居住者の安全と居住の安定を早急に確保することについて、国と地方公共団体との間で意見の相違はないものと認識しております。地方公共団体においても、既に相談窓口の設置、退去者のための公営住宅等の確保や家賃の減免、固定資産税等の減免などに取り組んでいるところであります。現在、既存の法律に基づく地域住宅交付金などの制度を活用することを前提に、関係地方公共団体の意見を踏まえながら調整を進めており、今後ともよく話し合って、十分に連携を図りながら支援策に取り組んでまいります。
郵政民営化についてですが、平成十九年十月の民営化を円滑、確実に実施することが極めて重要であり、政府としては、私が本部長を務め、全閣僚で構成する郵政民営化推進本部の下、各府省が一体となって民営化を推進しております。一昨日には、民営化後の各事業会社の経営や財務の在り方の検討等、民営化の準備を行う準備企画会社である日本郵政株式会社を設立したところであり、郵政公社を含め関係者が緊密に連携して民営化の準備を進めてまいります。
また、準備作業においては、国民の懸念や不安を払拭するという趣旨の参議院郵政民営化に関する特別委員会において決議された附帯決議を重く受け止め、十分尊重してまいります。
地域の郵便局の維持についてですが、郵便局の設置については、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務付け、さらに省令における具体的な設置基準として、特に過疎地について、法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定することとしているところです。また、都市部についても、国民の利便性に支障の生じることのないよう配慮する考えであります。
さらに、郵便局における貯金・保険サービスについては、郵便貯金銀行、郵便保険会社に対する代理店契約の義務付けや社会・地域貢献基金の設置等により、民営化後も郵便局においてしっかりとこれらのサービスの提供が続くよう、実効性のある仕組みをつくっております。このような措置により、国民の利便に万が一にも支障が生じないように十分配慮していきたいと考えます。
郵政民営化の趣旨の実現でございますが、この民営化の趣旨は、御指摘のとおり、国の関与をできるだけ控えて、民間企業と同一の条件で自由な経営を可能とすることにより、質の高い多様なサービスが提供されるようにして国民の利便性の向上を図ろうとするものであります。郵政民営化関連法においては、こうした観点から、主務大臣や民営化委員会が適切な関与を行うよう制度設計しているところであり、関係各機関がこのような趣旨を踏まえて郵政民営化の実現を図るよう配慮してまいります。
職員に対しての激励でありますが、郵政民営化に当たっては、これまで郵政事業の発展を支えてきた職員が今後とも自信と誇りを持って地域の方々に対し一層魅力ある多様なサービスを提供できるよう、今後とも熱意と使命感を持って職務に精励していただくことを期待しております。
科学技術基本計画における問題でございますが、現在の第二期基本計画では、長期にわたる経済の停滞もあり、政府研究開発投資の総額規模として掲げた二十四兆円に達しませんでしたけれども、厳しい財政事情の中で、他の政策経費に比べ高い伸びを確保してきたところであります。
第三期基本計画においても、第二期基本計画と同様に一定の前提を置いて二十五兆円という目標を掲げ、厳しさを増している財政事情を踏まえ、投資の選択と集中の一層の徹底や抜本的なシステム改革に取り組み、科学技術の一層の振興に努めていく考えであります。
基礎研究の充実、科学技術人材の確保、養成についてですが、御指摘のとおり、我が国の科学技術の発展のためには、基礎研究の質の更なる向上とともに、科学技術にかかわる優れた人材を総合的に育成確保することが重要であります。御指摘の点については、第三期基本計画の下でも重点を置いて進めていく考えであります。
原子力のイメージ回復についてですが、原子力については、安全確保に万全を期しつつ、その推進を図ってまいりますが、その際には、これを支える優れた人材の確保が重要であります。このため、広聴・広報活動の充実、学校教育における原子力とエネルギーに関する教育への支援等、学習機会の整備充実等を図り、原子力に関する人材の育成に取り組んでまいります。
周波数の割当てでございますが、地上テレビ放送のデジタル移行後の空き周波数は、要望の高い携帯電話など移動通信を中心に割り当てることとしております。なお、入札方式については、落札額の高騰や免許の既得権益化など懸念事項が多く、慎重に扱うこととしております。
アナログ方式のテレビの処理対策ですが、テレビについては、家電リサイクル法に基づいてリサイクルを進めているところですが、二〇一一年に予定されているアナログ放送の停止に対応して、デジタル方式テレビへの買換えが既に進みつつある中に、今後とも状況を見極めつつ、テレビのリサイクルが適切になされるよう対応してまいります。
年金受給手続についてですが、御指摘のように、平成十八年度より住民基本台帳ネットワークを活用して確認を行うことにより現況届の提出を省略することとしており、本年秋より実施する予定であります。年金受給者の情報と住民基本台帳ネットワークの情報の整合性を高めることによって、将来的にはほぼすべての受給者の現況届を省略できるよう努めてまいります。また、一定の仮定の下に算出した場合、年間約九億円の経費の節減が見込まれるものと考えております。
子どもの居場所づくりについてですが、子供は社会全体ではぐくむことが重要であります。このため、地域の多くの人たちの協力の下に、学校などを利用し、子供たちが安全で安心して活動できる居場所づくりを推進しております。御指摘の江戸川区のような地域に即した活動がそれぞれの地域に根付くよう、政府としても、平成十八年度予算案においては実施箇所数を増加するなどとともに、平成十九年度以降は地域独自の活動として普及していくよう推進してまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕