小泉純一郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 山東議員に答弁いたします。
自由民主党立党五十年を踏まえての感想はどうかと、決意はどうかというお尋ねであります。
この五十年間、何度か危機に見舞われましたけれども、自由民主党は選挙のたびごとに、多くの批判もありましたけれども、国民の支持を得て政権を担当してまいりました。これからもこの国民の支持、期待を大切にして、政権政党の責任を自覚して、平和のうちに自由で豊かな社会を実現するために大きな責任を担っているということをしっかりと受け止めて、国民からも今後支持を受けれるような政党として発展していかなきゃならないと思っております。
今後の経済運営でございますけれども、我が国経済、これは我が国だけの努力でなく世界的な好調な経済状況にも恵まれていると思いますが、ようやく企業部門の好調さが雇用・所得環境の改善を通じて家計部門にも及ぶなど、民間需要中心の緩やかな回復が続いております。しかし、消費者物価あるいはGDPデフレーター等の物価の基調や背景を総合的に見ると、依然として緩やかなデフレ状況にあり、このデフレ脱却に向けた取組は引き続き重要な政策課題だと考えております。政府としては、民間需要、雇用の拡大に力点を置きつつ、規制、金融、税制、歳出の分野を中心とした改革を進めて、日銀と一体となった取組を行ってまいりたいと思います。
歳出歳入の改革でございますが、政府としては、簡素で効率的な政府、いわゆる小さな政府を目指して徹底した行財政改革を行うとともに、持続的な経済活性化を実現していく上で財政がその足かせとなってはならないようにするために、将来に向けた財政健全化の道筋を示していくことが大きな課題であると認識しております。本年六月を目途に歳出歳入を一体とした財政構造改革の方向についての選択肢及び工程を明らかにすることとしております。その際、改革の経済に与える影響を十分に検討するとともに、改革の選択肢や将来の見通し等を国民に提示しながら検討を進めてまいります。
公務員制度改革等についてでございますが、総人件費改革については、小さな政府の実現を目指して、現在六十九万人の国家公務員を今後五年間で五%以上減らすために、業務の大胆かつ構造的な見直しなどに取り組んでまいります。その際、業務を国が行う必要性を見極める必要がある。めり張りを付けつつ、真に必要な分野への定員の再配置を進めてまいります。
公務員制度改革につきましては、職員の意欲と仕事の成果を引き出していくような能力・実績主義の人事管理の徹底が必要であり、新たな人事評価の試行の取組状況も踏まえて、関係者との調整を精力的に進めて、できるだけ早期に具体化を図ってまいります。
社会保険庁については、平成二十年十月を目途に廃止し、公的年金と政管健保の運営を分離の上、それぞれ新たな組織を設置する等の解体的出直しを行うこととしております。今後も、年金を守り、公的年金制度に対する信頼を回復することができる抜本的な改革を実現してまいります。
空港整備特別会計ですが、今回の特別会計改革において、受益と負担の関係を明確にしつつ、事業間の連携を強化し、事業の効率性を高めることなどにより無駄を排除していくとの観点から、他の公共事業特別会計と統合することとしたものであります。空港整備に当たっては、国際競争力の強化等を図るための大都市圏拠点空港への重点化など、その必要性を見極めつつ、重点化、効率化を進めてまいります。
道路特定財源については、昨年、私は財務、国土交通大臣に指示して、厳しい財政事情の下、環境面への影響にも配慮し、暫定税率による上乗せ分を含め、現行の税率水準を維持しつつ一般財源化を前提に見直しを行うことを内容とする基本方針を取りまとめたところであります。今後、道路特定財源については、この基本方針に基づき、歳出歳入一体改革の中で納税者の理解を得るよう努めつつ、見直しを進めてまいります。
行政改革の進め方ですが、行政改革を強力に推進するためには、政府・与党が一体となって取り組むことが重要であります。昨年末の行政改革の重要方針の閣議決定に当たっても、与党における議論を十分に踏まえつつ取りまとめを行ったところであります。今後とも、行政改革推進法案の取りまとめに当たっては、引き続き与党の御理解と御協力をいただけるように努力してまいります。
次の総理像に関するお尋ねでありますけれども、自民党には総裁候補がたくさんおられますし、多士済々であります。それぞれ能力のある方がたくさんおられますから、今後、そういう方たちが自らの抱負経綸を述べる機会もたくさんあると思います。改革に終わりはありません。今まで小泉内閣が進めてきた改革路線をしっかりと軌道に乗せて、改革を続行して新しい時代に対応できるような体制を日本が取れるような、そういう方が望ましいと思っております。
自衛隊のイラク派遣についてでございますが、政府としては、自衛隊の活動について、イラクにおける政治プロセスの進展の状況と現地の治安に係る状況、多国籍軍の活動状況及び構成の変化など様々な事情をよく見極めつつ、現地の復興に資するため、適切に対応しております。
また、自衛隊の派遣とともに、イラク当局が復興事業に主体的に取り組めるよう、治安情勢や現地の様々な要望というものを踏まえながら、円借款の今後の供与を含め、引き続きODAによる協力に取り組んで、UNDP等国際機関を通じた雇用創出支援も継続的に実施してまいります。
自衛隊の諸君の献身的な活動によって、現地の住民からも自衛隊の諸君は高い評価と信頼を得ております。これからも、まずイラクはイラク人自身の力によって安定した民主的政府を築き上げるべきだと。そのための支援を日本としても国際社会の一員としての責任を果たしていって、イラクが立派な民主的な政府になるよう、日本として主体的な支援を行っていきたいと思っております。
北朝鮮についてでございますが、日朝包括並行協議等を通じまして日朝関係の全般的な進展を図る中で、最優先課題である拉致問題に関しては、生存者の帰国、真相の究明、容疑者の引渡しを北朝鮮側に強く求め、問題解決に向けた具体的前進を得るべく最大限努力しております。
また、拉致問題の解決のためには、中国、韓国を始めとする関係国との連携が重要であることは言うまでもありません。中国、韓国、我が国にとって大事な隣国であり、一部の問題で意見の相違や対立があっても、大局的な視点から協力を強化して、相互理解と信頼に基づいた未来志向の関係を築いていきたいと思っております。
食育でございますが、今まで知育、徳育、体育というのはよく言われておりましたけれども、やはり食育、人間生活を支える上で、食べること、食生活、身体的にも精神的にもこの食生活は極めて重要であります。この点について、食育の重要性をよく国民に認識してもらいたいと、そういう観点から、今後、食育基本法に基づき、本年度末を目途に食育推進基本計画を策定し、家庭、学校、地域等、様々な分野において国民運動として食育を推進してまいりたいと考えております。
社会から優しさやゆとり等伝統的な精神が消えているのではないかという御懸念でございますけれども、改革を進めるということは、そのような優しさやゆとりや伝統的な精神を消すものではございません。これからが大事な時期にあるということは多くの国民が認識していると思いますし、弱者を切り捨てるものではありませんし、また、勝ち組、負け組というような、そういう一律的な決め方をするものではございません。一度や二度や失敗しても、あるいは挫折をしてもまた立ち上がれるようないろいろなチャンスを提供する、そういうような社会を目指していくべきだと思っております。
これまでも、雇用・中小企業のセーフティーネットの確保に万全を期すとともに、様々な支援を行っております。新規起業の促進策、構造改革特区や都市再生など、地方の意欲や挑戦を尊重した地域経済の活性化策、持続的な制度の構築に向けた社会保障制度改革などに取り組んでまいりましたけれども、このような不断の改革を今後も進めていく必要があると思っております。
いずれにしても、引き続き改革を進め、地域や多くの国民が持っている潜在力を自由に発揮できるような、そういう社会を築いていくことが重要だと思っております。
子育てについてでございますが、少子化が進行する中で、男性も女性も、ともに安心して子育てを喜びながら働くことができるような、そういう社会を実現することが重要課題であります。地域におけるきめ細かな子育て支援サービスの充実など、子育て家庭を社会全体で応援する環境の整備に努めるとともに、今後も、男性も女性も、家事、育児、仕事を分かち合いながら、お互い積極的に社会参加できるような環境をつくっていきたいと思っております。
これからの若者に対して何か一言ということでございますが、いつの時代も大人からは、最近の若い者は駄目だと言われます。しかしながら、私は、若者は現在でもしっかりとした考えを持っている若者はたくさんおられます。社会に挑戦しよう、意欲を持ってこれから頑張ろうという若者は現在でもしっかりと頑張っております。
たしか、チャップリンだと思いますけれども、人生に大事なことは、夢と希望とサムマネー。ビッグマネーは必要ないと、サムマネーでいいと、夢と希望が大事だと。いろいろな事態が起こっても、あるいは困難があっても、それを克服して、それに挑戦する勇気と志を持って、失敗を成功に変えるような努力が必要ではないかと思っております。これからも、そのような困難、難局に我々の先人たちが幾たびも挑戦して立ち向かって今日の日本を築いてきたわけであります。これからの若い人たちに対しても、ピンチはチャンスであると、危機は飛躍につながるものだというような勇気と志を持って頑張っていただきたいと思っております。
人生で大切なことは、失敗しないことではなく、この失敗を生かして次の成功に生かすことだと私は思っております。どうか若い方々、高い志と勇気と希望を持ってこれからも頑張っていっていただきたいと思っております。(拍手)
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