小泉純一郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 岩本議員に答弁いたします。
 特別会計についてですが、今回の特別会計改革におきましては、今後五年を目途に特別会計の数を現行の二分の一から三分の一程度に大幅に削減し、明治二十三年の制度発足以来最小とするとともに、今後五年間において合計約二十兆円程度の財政健全化への貢献を目指すこととした踏み込んだ改革案を策定したところであります。
 このうち、特別会計の統合案については、資金の流れの透明性の確保、業務の効率化等の効果を確実に出すことなどの観点から個別具体的に十分な検討を行った結果であり、単なる数合わせ、場当たり的な改革との批判は当たらないと考えております。
 また、御指摘の一般会計への統合についても、特別会計で経理する必要性の薄れたものについては一般会計へ統合するとの考えに基づき、例えば登記特別会計について平成二十二年度末をもって統合することとするなど明確な方針を示したところであります。他方で、御指摘の特別会計については、地方の負担金や再保険料などを区分けして経理する必要性はないかなどについても議論が必要であり、一般会計からの繰入れの大小のみで一律に結論付けることは困難であると考えております。
 道路特定財源ですが、昨年、私は、財務、国土交通大臣に指示して、現行の税率水準を維持する、特定財源制度については、一般財源化を図ることを前提とし、来年の歳出歳入一体改革の議論の中で納税者に対して十分な説明を行い、その理解を得つつ具体案を得ること等を内容とする基本方針を取りまとめたところであり、今後、この基本方針に基づき見直しを進めてまいります。
 定率減税でございますが、景気対策としての定率減税を経済状況等を踏まえ見直していくとの道筋については、これまでの与党税制改正大綱等に既に示されております。定率減税については、その方針に沿って平成十七年度税制改正において縮減し、更に今回廃止することとしたところであり、公約違反との指摘は当たらないと考えております。
 また、個人所得課税の抜本的見直しについては、近年の税制改正において個人所得課税の基本的枠組みである人的控除を見直すとともに、十八年度改正において個人住民税の税率を一〇%にフラット化するなどの税率構造の見直しを進めることとしており、これらを踏まえ、今般定率減税を廃止することは負担軽減法の趣旨に沿ったものであり、法律違反との指摘は当たらないと考えております。
 税制改革についてですが、私は、膨大な債務残高を抱え、また今後、少子高齢化が進み、社会保障に係る経費も増えてくることが見込まれるという厳しい財政事情の下では、歳出削減だけでは財政再建は困難であり、多くの方々に御負担をお願いしなければならないことも出てくると考えております。税制改正の議論は大いに今後も進めるべきであると考えております。
 しかし、税制の問題など経済財政政策を考える場合には、御指摘のような経済社会の実情をよく考慮すべきことは当然であります。何よりも、徹底して無駄を排除し、負担を軽くしていくような努力が必要だと思っております。
 今後とも徹底した行財政改革を行ってまいりますが、さらに、持続的な経済社会の活性化を実現していく上で財政がその足かせにならないようにするため、将来に向けた財政健全化の道筋を示していくことが大きな課題であると思います。
 政府としては、本年六月を目途に、歳出歳入を一体とした財政構造改革の方向についての選択肢及び改革工程を明らかにすることとしております。税制についても、公正で活力ある社会にふさわしい税制の実現に向け、消費税、所得税、法人税、資産税など、税体系全体の改革について国民的な議論を深めてまいりたいと思います。
 耐震強度偽装問題ですが、建築確認検査制度の民間開放については、阪神・淡路大震災を教訓として制度の充実、効率化を図るため、平成十年から地方公共団体が行ってきた確認検査事務について、必要な審査能力を有する公正中立な民間の機関においても行うことができることとしたものであります。
 民間開放の進展により違反建築物件数が大幅に減少するなど制度の実効性が確実に向上しており、民間にできることは民間にという方向は、私は間違っていないと思っております。
 しかし、今回、民間検査機関のみならず、地方公共団体でも書類の偽装を見抜くことができなかったことから、建築確認検査制度そのものの見直しが必要と考え、現在、その総点検を行うとともに、再発の防止に向けた制度改正を検討しているところであります。
 見直しに当たっては、民間検査機関に対する指導監督の強化など、早急に対応が必要なものについて、今国会において建築基準法等の改正を行うことといたします。
 伊藤議員についてですが、具体的に伊藤議員がどのような行為をしたのか等については私は承知しておりませんが、行政側がその判断等に当たって不当な影響を受けたことはないと聞いております。
 伊藤議員は既に自ら記者会見を開き、自らの行動について説明しているようでありますが、いずれにしても、政治家たる者、自らの政治活動については国民に自ら明らかにしていくことが大切であると考えております。
 ODAの改革ですが、ODAが効果的、効率的に執行されるべきことは当然であり、引き続きコスト削減やチェック体制の強化等のODA改革に取り組んでいく考えであります。
 ODAの効果は、短期的な視点のみならず、国際社会における我が国の高い信頼と評価といった中長期的視点も含め、総合的に考えられるべきものと思います。政府としては、今後、ODAの戦略性をこれまで以上に高め、国益に資するODAの供与に努めてまいります。
 なお、スマトラ沖地震被害への支援については、既に供与額全額の使途が確定しており、現在、成果を上げつつ着実に実施中であります。未曾有の損害を受けた被災国は復旧を行う上で多大な困難に直面しましたが、我が国の支援は現地においても高く評価されていると認識しております。
 イラクへの自衛隊派遣の再延長でありますが、国会閉会中に自衛隊の派遣期間を延長したのは、期限である昨年十二月十四日の直前まで情勢を見極めて判断を行った結果であります。
 米英等によるイラク武力行使への我が国の対応でございますが、イラクは、十二年間にわたり累次の国連安保理決議に違反し続け、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしませんでした。このような認識の下で、我が国は、安保理決議に基づき取られた行動を支持したのであり、これは正しい決定であったと現在でも考えております。
 自衛隊の活動終了についてですが、イラクでは昨年十二月十五日に実施された国民議会選挙を受け、新政府樹立に向けて極めて重要な時期にあり、自衛隊の活動の終了について現在判断するというような状況にはありません。
 政府としては、今後の自衛隊の活動については、イラクにおける政治プロセスの進展の状況、現地の治安に係る状況、英国軍及びオーストラリア軍を始めとする多国籍軍の活動状況及び構成の変化など、様々な事情をよく見極めつつ、現地の復興の進展状況等を勘案して、適切かつ主体的に判断してまいります。
 航空トラブルの件でございますが、航空輸送の安全を確保するためには、トラブルを含む航空の安全に関する情報を行政、航空会社、また利用者において共有し、万が一にも事故に至ることのないよう有効に活用していくことが重要であります。そのために、こうした情報を広く収集し、共有するための仕組みについて、御指摘の点もよく参考にしながら検討してまいりたいと考えます。
 事故調査委員会の見直しでございますが、事故調査委員会の事故調査は、技術的側面や人的側面の両面から多角的に行うことがもとより重要であり、JR福知山線事故を始めとして、これまでも事故の背後にある要因を含めた総合的な観点から事故の再発防止に資する調査を進めているところであります。
 政府としては、引き続き事故調査体制の強化を図り、的確な事故調査を実施してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣北側一雄君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 小泉純一郎

speaker_id: 9434

日付: 2006-01-25

院: 参議院

会議名: 本会議