浅尾慶一郎の発言 (本会議)

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○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会を代表して、ただいまの二報告に関して総理並びに関係大臣に対する質疑を行わしていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私事になりますが、連休中にヨルダンに行ってまいりました。そこで、インディー・ジョーンズの映画でも知られますペトラの遺跡を見る機会に恵まれました。ペトラを築いたナバタイ人は、一度はお金を払ってローマの侵攻を食い止めますが、やがてローマ人に滅ぼされたと聞きました。歴史を振り返れば、傭兵国家の多くが結局は滅亡しております。厳しい発言になりますが、今回の米軍再編で我が国が、結局お金だけ負担して、借金だけ増え、滅びてしまうことがないようにしたいと思っております。まずは、この傭兵国家観について、もし総理の御感想があれば伺います。
 さて、私は、今申し上げた認識に立つと、今回の米軍再編の議論の中で一つ欠けているものがあると思っております。
 政府は抑止力の維持と負担の軽減という言葉を合い言葉に今日の交渉に臨んだと聞いております。日本の立場としてそれは理解できる姿勢です。しかし、申すまでもなく、米軍再編は米国の国家戦略に基づく地球規模のものでありますから、米側の意図の理解も必要です。
 米国の意図は、できる限り少ない軍事費でテロ等の新たな脅威に対抗するというものではないでしょうか。だからこそ、ドイツ、韓国を含め、海外からグアムを含めた米本土へ米軍を戻しているのです。
 こうした米国の意図も踏まえると、米国の同盟国として日本には二つの選択肢があったのではないかと思います。すなわち、同盟国として真の意味で補完的な役割分担をする代わりに説明のできない金銭的な負担をしないという考え方と、補完的な役割分担をしない代わりに金銭的な負担をするという考え方です。
 そこで、まず総理にお尋ねします。
 総理は、日本が対等な同盟国としての役割分担をしていないから余計な金銭的な負担をしていると考えるのか、それとも、十分軍事的な負担を果たしているが、なお金銭的に負担をしていると考えるのか、端的にお答えください。もし、同盟国としての責務を十分に果たしているが更に金銭的な負担もするというなら、その理由もお答えください。
 そして、総理、もう少し具体的にお伺いします。
 我が国が負担する駐留米軍経費の金額は世界でも突出して多く、その上で、米軍再編に伴うグアム移転経費のような費用を移転してもらう国が支払うというのは世界でも例がありません。米国に対して我が国が負担する巨額の費用は何かの対価なんでしょうか。例えば、米軍が我が国国民を外敵から守ってくれることに対する対価と考えればよいのですか。総理のお考えをお聞かせください。
 また、総理、我が国が米軍再編に伴う巨額の経費を負担することは、我が国の抱える外交的課題の解決に役に立つのでしょうか。
 例えば、日中間の海洋権益の問題、日韓間の領土問題、あるいは北朝鮮による拉致問題の解決に役立つとお考えですか。若しくは、直接的な解決に役立たないとしても、保険としての役割を果たしているとお考えか。その点についてのお考えを伺いたいと思います。
 さて、総理、日米同盟の維持、発展には関係自治体と住民の皆様の御理解、御協力が不可欠です。沖縄、神奈川を始め関係地方自治体を説得の上、2プラス2の最終報告を実施するための閣議決定をするよう関係閣僚に指示を出されているとお伺いします。総理はいつまでに閣議決定をする必要があるとお考えですか。
 関係自治体には十分な情報提供と説明を行い、関係自治体が了承しない限り閣議決定を強行することはしないと約束していただけますか。明確な御答弁をお願いいたします。
 加えて、2プラス2最終報告を実施するための法案はいつまでに国会に提出しなければいけないとお考えですか。総理としてのプランをお答えください。
 なお、米軍再編とは直接関係ありませんが、総理の地元の原子力空母の横須賀母港化についても地元自治体の了承を求める努力を継続するよう関係閣僚に指示していただきたいと思いますが、いかがですか。
 そして、最後に総理、総理は現状の日米関係が対等なパートナーシップを築いているとお考えですか。米軍の再編は米軍の世界戦略に基づくものであり、我が国沖縄その他の負担軽減はその反射的利益にすぎません。にもかかわらず、それに掛かる莫大な経費を我が国が負担する、こうした関係は対等なパートナーシップと言えますか。総理は、連休中、英語をたくさん使われたでしょうから、イエスかノーかではっきりお答えください。
 次に、外務大臣にお伺いします。
 今回の2プラス2最終報告の実施に関し、条約その他国際約束の締結は必要になるのか、必要ではないのか、明確にお答えください。
 次いで、防衛庁長官に伺います。
 今回のいわゆる2プラス2最終報告をめぐっては、米国のローレス国防副次官の、最終報告を実施するにはグアム移転経費を含めると三兆円の経費を我が国が負担することになるという発言が物議を醸しています。この発言についてはその真偽をめぐって混乱が見られます。
 そこで、長官、外交ルートを通じてローレス国防副次官に発言の真意をきちんと確認していただけないでしょうか。ローレス氏は三兆円の根拠は日本側の試算によるというような発言もしていると伺います。その点も含めて、是非、正式に確認していただきたいと思いますが、いかがですか。
 また、長官、防衛庁の守屋事務次官が、やはり最終報告を実施するには、グアム移転経費を除いて、八年間で二兆円の経費が掛かるというような発言をされた事実があります。長官は、先日の外交防衛委員会でこの問題を取り上げた際、報道で聞いているが、全体的なイメージとして言われたんだろうというような御答弁をされています。この本会議の質疑の内容は、昨日既に政府側に通告してあります。長官は、本日までに、守屋次官に直接、発言の内容、金額の根拠を確認されましたか。確認されたのであれば、この本会議で御報告願います。確認されていないのであれば、その理由を御説明願います。
 そして、長官、2プラス2最終報告を実施するには、グアム移転経費を除いて、何年間でどのくらいの経費が掛かるのか、速やかに国会に報告すべきと考えますが、いつまでに経費の見積りをまとめるおつもりですか。いつまでにやりますと、この場でお約束願えないでしょうか。
 次に、グアム移転経費について伺います。
 長官は、いわゆる真水の財政支出の二十八億ドルは上限の金額だと国会に説明しています。その根拠は何ですか。2プラス2の最終報告の文書を見る限り、そのような記述はありません。ワシントンでの協議の際の口頭の約束なのでしょうか。もしそうであれば、だれが何と言ったのか御説明ください。
 また、家族住宅は、我が国が出資して特殊目的会社を設立し、その会社への融資によって建設した後、その家族住宅の家賃で融資及び出資金を回収するというふうに伺っております。家族住宅に関する融資は、六億三千万ドルは何年間で回収されるのでしょう。その場合の月々の家賃収入はどのくらいを想定しているのでしょうか。家族住宅三千五百戸の建設費の見積りはどのように行ったのでしょう。
 そして、その特殊目的会社への出資金は株の売却によって回収するのでしょうか。その株は、いつごろ、だれに売却されるおつもりでしょうか。
 さらに、基地内インフラに融資される七億四千万ドルはどのように回収されるのか、その点について明確なお答えをお願いいたします。
 加えて、これらの出資金や融資が家賃収入等で回収できない場合には多額の国民負担が生じますが、そうしたことにはならないとお約束できますか、はっきりとお答えください。
 最後に、財務大臣に伺います。
 まず、財務大臣、グアム移転経費等、2プラス2の最終報告の実施には莫大な金額の国費を投入しなければなりません。これらの国費については、後日、防衛庁の予算要求が財務省にされるものと思いますが、防衛庁が予算要求するものは防衛関係費としてカウントされるのではないでしょうか。その点のお考えを財務大臣にお伺いいたします。また、防衛関係費となるのであれば、中期防衛計画は見直し、圧縮がなされることになろうと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
 さらに、財務大臣、2プラス2最終報告の実施に係る莫大な金額を工面するためには、消費税増税も必要になるのではないかと心配いたしております。財源の確保についてはどのようにお考えですか、明確にお答えください。
 以上、総理及び関係大臣に今次米軍再編と我が国の負担についてお伺いをしてまいりました。冒頭申し上げましたとおり、我が国が傭兵国家ではなく真の自立した独立国家として機能するためには、同盟関係における補完的な役割分担は必要です。しかし、国民の皆様には、対等なものに日米関係がなっていないのではというふうに見えていると思います。健全な日米関係のために我が国が本来負担すべきものは何かということは、まずは包み隠さず御答弁いただきますようお願い申し上げます。
 なお、関係大臣の御答弁が不十分な場合には再質問させていただきますことを申し添えまして、私の質問を終えさせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 116415254X02320060512_009

発言者: 浅尾慶一郎

speaker_id: 14944

日付: 2006-05-12

院: 参議院

会議名: 本会議