中川昭一の発言 (本会議)

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○国務大臣(中川昭一君) 常田議員の御質問にお答えいたします。
 まず、農業の現状と将来展望についてのお尋ねでありますが、我が国の農業につきましては、農業従事者が減少、高齢化し、耕作放棄地が増加する一方、農業経営の規模拡大が遅れるなど農業の生産構造の脆弱化が進行しており、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う強靱な農業構造を構築することが待ったなしの課題となっていると認識をしております。
 このため、昨年三月の農業構造の展望におきましては、望ましい農業構造の姿として、平成二十七年に効率的かつ安定的な農業経営が、家族農業経営が三十三万戸から三十七万戸程度、集落営農経営が二万から四万程度、法人経営が一万程度と見込むとともに、これらの経営によりカバーされる農地が七から八割程度になると見込んでいるところであり、この展望を目指して、担い手への支援の集中化、重点化等必要な施策を講じることとしている、でございます。
 次に、担い手に対する直接的な支援についてのお尋ねでありますが、農業従事者の減少、高齢化等による農業の生産構造の脆弱化が進む中で、幅広い農業者を一律に対象とし、品目ごとに価格補てんを行うようなこれまでの政策体系の下では、農業経営の規模拡大等による望ましい農業構造を実現しにくいといった面がありました。
 このため、今回の法案により、やる気と能力のある担い手に対象を絞り、このような担い手が将来にわたり安定して農業を営めるよう、直接支払の手法により品目横断的な経営安定対策を導入し、望ましい農業構造を実現してまいりたいと考えております。
 次に、収入変動影響緩和対策の加入見込みについてのお尋ねでありますが、今回の新たな経営安定対策において講じることとしている収入変動影響緩和対策につきましては、米政策改革の一環として措置している現行対策に比べ、米に加え、麦、大豆等を対象品目とすること、おおむね一対二から一対三に国の負担割合を引き上げること等により担い手のメリットを拡大したところであり、多くの農業者に加入していただけることを期待しております。
 その加入者の数につきましては、今後の担い手育成の取組の進展度合いにより大きく変わることから見通すことは困難でありますが、いずれにいたしましても、本対策のメリットの周知を図りつつ加入促進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、我が国農業の実情を踏まえた政策展開についてのお尋ねでありますが、新たな経営安定対策の対象者については、我が国農業の構造改革を加速化する観点から、認定農業者又は一定の要件を満たす集落営農組織であって、一定の経営規模以上のものを基本としていますが、零細、兼業の農家などにつきましても対策の対象となる集落営農に参加することは可能であり、本対策による支援を受けるという門戸は開かれております。
 一方、十九年度から実施することとしております農地・水・環境保全向上対策などの地域振興政策は、担い手以外の農家も対象となり得ます。
 今後とも、新たな経営安定対策や農地・水・環境保全向上対策などの関連施策の連携を図ることにより、我が国農業の特性や地域の実情に応じた施策の展開を図ってまいりたいと考えております。
 次に、集落営農の組織化についてのお尋ねでありますが、新たな経営安定対策の対象者となる集落営農については、経理の一元化や農業生産法人となる計画を有することなどを求めております。
 経理事務につきましては、農業関係団体等において支援や指導等を行っているほか、農林水産省としても平成十八年度予算において支援措置を講じております。また、国庫の補助により導入した機械等の処分につきましては、一定の条件を満たす場合に補助金の返還を求めないということとするなどの措置を講じております。このような取組により、集落営農の組織化、法人化を更に進めてまいりたいと考えております。
 次に、地域の実情に応じた担い手の確保についてのお尋ねでありますが、新たな経営安定対策の対象となる担い手は、認定農業者又は一定の要件を満たす集落営農組織であって、一定の経営規模以上のものを基本としておりますが、集落の農地が少ない等、物理的制約から規模拡大が困難な地域にあっては、都道府県知事からの申請に基づき国が別途基準を設け、対象とすることができることとするとともに、経営面積は小さくても複合経営等により一定の農業所得がある場合には対策の対象となることができるなど、地域の実情に応じた多様な担い手が対象となれるよう配慮しております。
 次に、経営安定対策の内容の周知の徹底についてのお尋ねでありますが、本対策は戦後農政を大きく転換するものであることから、農業団体等の関係機関とも連携協力して、全国各地域における説明会の開催や集落座談会の実施等による対策の周知徹底と理解の浸透に努めているところであります。
 この結果、担い手育成の機運は相当程度高まっているところでありますが、今後とも、十九年産からの対策の円滑な導入に向けて、対策の趣旨、内容について一層きめ細かな説明に努めるとともに、我が国農業を担う意欲と能力のある担い手の育成確保に全力を挙げて取り組んでまいります。
 最後に、WTO農業交渉についてのお尋ねでありますが、我が国は、御指摘のように、多面的な機能を有する各国の多様な農業の共存が可能となるような交渉成果を得ることを基本理念としており、柔軟性があり、輸出国と輸入国のバランスの取れた貿易ルールを確立すべく交渉に臨んでいるところであります。
 我が国といたしましては、本年十二月末のドーハ・ラウンドの最終合意に向けまして、積極的に交渉に貢献しつつ、守るところは守る、譲るところは譲る、攻めるところは攻めるという姿勢で戦略的かつ前向きに対応し、我が国の主張がドーハ・ラウンドの成果に最大限反映するよう努めてまいりたいと考えております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 116415254X02520060519_015

発言者: 中川昭一

speaker_id: 18912

日付: 2006-05-19

院: 参議院

会議名: 本会議