中川昭一の発言 (本会議)
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○国務大臣(中川昭一君) 主濱議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、食料自給率の低迷理由についてのお尋ねでございますけれども、我が国の食料自給率は、御指摘のとおり、現在、カロリーベースで四〇%と、主要先進国の中で最低の水準になっております。
このように食料自給率が低い水準にとどまっている理由は、まず生産面におきましては、国内生産が消費者ニーズに十分に対応できていないということが考えられます。また、消費者面におきましては、米の消費量が減少をする一方、畜産物や油脂の消費が増加するなど、食生活が大きく変化しているということ、生産面、消費面、両面での変化が大きな原因というふうに考えております。
また、自給率目標達成への決意とその具体的方策についてのお尋ねでありますが、我が国の食料自給率は主要先進国の中で最低の水準であり、また世論調査でも国民の八割が将来の食料供給に不安を抱いているという結果も出ております。このため、昨年三月に閣議決定されました食料・農業・農村基本計画におきまして、平成二十七年度のカロリー食料自給率目標を四五%と設定し、この目標に向けて重点的に取り組むべき事項を明確化したところでございます。
具体的には、消費面では、日本型食生活の推進に向けまして、食事バランスガイドの普及、活用に努めるなど、分かりやすく実践的な食育の普及を進めているところでございます。また、生産面では、担い手への農地の利用集積等を通じまして効率的な農地利用を推進するとともに、食品産業と農業の連携強化や、経営感覚に優れたやる気と能力のある担い手の育成確保を図ることにより、需要に即した生産を進めていかなければならないと考えております。
次に、新たな経営安定対策の導入時における担い手の数や農地面積及び導入時における農産物供給への支障についてのお尋ねでありますが、本対策の対象につきましては、経営耕地が四ヘクタール以上といった一定の前提を置いた場合、現時点におきまして対象者、対象面積の割合はそれぞれ三割、五割と試算されておりますけれども、今後の担い手育成の取組の進展度合いにより大きく変わることから、対策導入時における担い手の数や面積の見通しを申し上げることは現時点では困難でございます。
いずれにいたしましても、本対策につきましては、担い手の農業経営の安定を図ることにより、生産性の向上が促進され、国民に対する食料の安定供給の確保が図られるものと考えており、その円滑な導入に向けまして、引き続き担い手の育成確保に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、新たな経営安定対策の周知状況についてのお尋ねでありますが、本対策は戦後農政を大きく転換するものであることから、農業団体等の関係機関とも連携協力して、全国各地域における説明会の開催や集落座談会の実施等による対策の周知徹底と理解の浸透に努めているところであります。この結果、対策への理解は現場レベルまで相当程度浸透し、担い手育成の機運も高まっていると認識しておりますが、今後とも対策の趣旨、内容につきまして一層きめ細かな説明に努め、十九年産からの対策の円滑な導入を図ってまいる所存でございます。
次に、米を生産条件格差是正対策の対象としていないことについてのお尋ねでありますが、米につきましては、現行の国境措置により、諸外国との生産条件格差が内外で顕在化していないことから、生産条件格差是正対策の対象としてはおりません。
次に、WTO交渉の結果との関係についてでありますけれども、WTO交渉につきましては、引き続き積極的に交渉に参加しつつ、我が国の主張がドーハ・ラウンドの成果に最大限努めてまいりたいと考えております。
この御質問につきましては、正に交渉中の問題であり、これを前提とした議論は交渉に影響を及ぼすことも考えられるわけでございますので、お答えは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますならば、諸外国との生産条件格差が国内で顕在化することと仮になった場合には、法案上、米につきましても生産条件格差是正対策の対象となり得ると考えております。
また、今回の経営安定対策については、我が国農業の構造改革を進めるために、やる気と能力のある担い手に対象を絞って実施することとしているものであり、担い手以外に対象を広げることは考えておりません。
次に、新たな基本計画における兼業農家の位置付けについてのお尋ねでありますが、昨年三月に決定した新たな基本計画におきましては、農業を産業として振興する観点からは、農業経営に関する各種施策の対象をできる限り担い手に限定し、集中的、重点的に実施することとしておりますが、兼業農家につきましても、集落営農に参加することで担い手の一員となることができます。
一方、中山間地域等直接支払制度などの地域振興施策につきましては、兼業農家など担い手以外の農家も対象となり得ることとしており、兼業農家も地域農業において一定の役割を担っていただきたいと考えております。
次に、食料自給率の向上についてのお尋ねでありますが、やる気と能力のある担い手に施策を集中的、重点的に実施することにより、生産性の高い担い手が生産の相当部分を占める強靱な農業構造の実現を通じて、生産コストの低減や品質向上が図られるとともに、消費者や食品産業の需要に的確に対応し、農産物を安定的に供給できる体制が確立され、食料自給率の向上に資すると考えております。
次に、担い手以外の農業者についてのお尋ねでありますが、農業従事者の減少、高齢化等による農業の生産構造の脆弱化が進み、このままでは農業のみならず地域社会の維持発展にも支障が生じかねない状況の中で、農業の構造改革を進めるためには、これまでの幅広い農業者を一律に対象とする施策体系を見直し、担い手に各種施策を集中的、重点的に実施していくことが重要と考えております。
施策の対象となる担い手につきましては、やる気と能力のある農業者に対しては門戸は十分に開かれているところであり、農業に真剣に取り組む農業者の育成確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、耕作放棄地についてのお尋ねでありますが、耕作放棄地につきましては、農業従事者の減少、高齢化の進行等により、その一層の増大が見込まれる中で、新たな経営安定対策の導入により、集落営農を含む担い手による農地の有効利用が図られ、耕作放棄地の発生防止に資するものと考えております。本施策によりまして、放棄地が有効利用されていくことということを現時点で期待しているということでございます。
最後に、我が国の農業及び農政についてのお尋ねでありますが、我が国におきましては、農業従事者の減少、高齢化が進行するなど、農業をめぐる情勢が大きく変化しております。こうした中で、国内農業の競争力の強化を図っていくことが急務となっております。このため、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を早急に確立するとともに、農業生産の基盤となる農地、水の保全などを通じて農業の多面的機能の健全な発揮を図ることが重要であります。
こうした観点に立って、平成十九年から、担い手に対象を絞り、経営全体に着目して講ずる品目横断的経営安定対策への転換や、地域の共同活動により農地、水等の資源や環境の保全向上を図る対策の導入を行うこととしており、我が国の農業の実情を踏まえた施策を強力に推進してまいりたいと考えております。(拍手)