伊吹文明の発言 (教育基本法に関する特別委員会)
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○伊吹国務大臣 二つの問題についてお尋ねがありましたが、河村先生は大変この分野で御造詣が深いわけですが、やはり国という領土があって、そこで日本民族が営々として歴史を刻んできて、その祖先の営みの中で、悪いものが捨てられ、いいものが集積してきたものが伝統であり、文化であり、現実だと私は思います。したがって、今回の教育基本法の政府提出の改正案では、我が国の伝統と文化、すなわち祖先の営みで我々が恩恵を受けているもの、それを尊重し、そしてそれをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う、こう書いてあるのは、まさにそういう意味でございます。したがって、心にもないことを言うという言葉もありますが、すぐ態度に出るという言葉もあるわけでして、私は、今先生がおっしゃった、心と態度というのは、やはり一体となって涵養されてくると。
したがって、過去の歴史で我が国が、例えば中国の元朝からどういう攻撃を受けたときに、我々はどういう対応をしたか、また秀吉の時代に朝鮮半島にどういう行為をしたか、そういうことをいろいろ反省をしたりあるいは検証をしたりしながら今日に至っているということを子供に教えていく。そして、そのことが結果的に、日本の国土と、そこで営まれてきた文化、伝統、そういうものに対する尊敬をつくり上げていく、そういう指導要領にぜひしたいと思っております。
それから、宗教は、やはり人間というのは非常にちっぽけなものであって、特に今に生きている我々は、祖先の営みから見ると極めて短い期間しか生きておりませんので、積み上げられてきたものに対する謙虚さというのは、やはりこれは保守主義の原点なんですね。同時に、自然に対する畏敬の念、我々は決して宇宙には及ばない、大きな山には及ばない、そういう気持ちを常に持ち続けているということがあらゆる宗教のやはり原点にあると思います。
そういう意味での宗教的態度の涵養というのはぜひ必要なことだと私は思いますが、その中で特定の宗教の布教に通ずるような教育をするということがあっては、やはりこれは憲法上非常に難しい。ただ、そういう布教をする心を持っているのか、それとも一般的な教義として説明をしているのかというのは、まさに教える人の心の中にある問題ですから、そこはやはりその任にある者が自制をし、自制をしながら先生のおっしゃった宗教的態度を涵養していくということになる。これがまた道徳その他につながっていく、こういう理解でやらせていただきたいと思います。