橘木俊詔の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)
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○参考人(橘木俊詔君) 二つ質問がございましたので、お答えします。
第一の労働組合の対処のやり方、今、日本の労働市場というのは労働組合に加盟している人は二〇%弱でございます。どういう人が労働組合に入っているかといいますと、大企業、男性、フルタイムというのが基本的に労働組合に加入しております。こういう人たちは、ちょっと言葉はきついかもしれませんが、労働者の中ではエリートであります。労働者の中のエリートが労働組合員であり、残り八割が労働者の中では非エリートであるというような、やや誇張して言えば対立関係があることも事実でございます。
そういう意味で、連合会長さんなんかと私、話しする機会もあるんですが、やはりエリートの人たちも、やっぱり自分たちも犠牲を覚悟しないかぬというようなことを申したことがございますが、連合の会長さんも、それはよく分かっておると、おれたちの権益だけを守るということによって格差の是正はできないと、やっぱり上も多少の犠牲は覚悟しないかぬと、下を上げるには、財源に限度があるわけですから、そういう意味で私はもう今日のお話のときにそのことを大胆に申し上げました。
そういう意味で二つのプロセスがございます。一つは、もう繰り返しになりますが、労働分配率を上げる。これは、もう正規、非正規、全員がもらう割合を増やすという意味で労働者全体にベネフィットが及ぶことなんですが、その配分をどうするかというと、繰り返しになりますが、非正規の配分を多くしてほしいと、だったら正規の人の犠牲は多少はやむを得ないということを私も主張をしておりますので、今の御質問の方と似た御意見かなと思います。
二番目のワークシェアリング、オランダのワークシェアリングでございますが、実は私は五、六年前に日本でもオランダ的ワークシェアリングを導入する必要があると、失業率が五・五%に達してもうどうしようもない時期に来たときに、ワークシェアリングを日本も考えたらいいというようなことを私始め何人かの労働経済学者が言ったんですが、結局日本では定着しなかった。
なぜかというと、これはやっぱり先ほどのお話と多少関係してきます。やっぱりワークシェアリングというのは上が犠牲を覚悟しなきゃいかぬ。オランダの場合は正規の人たちが非正規の人たちに仕事を譲ると。ワークシェアですから、譲るというような概念で説明される限りにおいては、上も多少の犠牲を覚悟しなきゃいかぬわけですが、日本では残念ながら上の方にその気が余りなかったというふうに言っていいかもしれません。ちょっとやや酷になりますが。
そういう意味で、日本ではワークシェアリングが成立しなかった一つの理由というのはそこにあるかなというふうに思います。
以上でございます。