溝手顕正の発言 (内閣委員会)
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○国務大臣(溝手顕正君) 国家公安委員長として、一言ごあいさつを申し上げます。
最近の治安情勢は、刑法犯認知件数が平成十五年以降三年連続して減少するなど治安再生の曙光が見え始めているものの、刑法犯認知件数はいまだ昭和四十年代の二倍近くの水準にあり、また、子供が被害者となる事件や少年による社会を震撼させる事件が相次いで発生するなど、依然として厳しい状況にあります。
このような情勢の下、内閣の最重要課題である世界一安全な国日本の復活のため、本年八月に取りまとめた「治安再生に向けた七つの重点」等に基づく取組を引き続き強力に推進してまいります。
第一は、犯罪抑止のための総合対策の推進であります。
国民に大きな不安を与える重要凶悪事件に対しては、十分な捜査体制を確保し、DNA型鑑定等先進的な科学技術を活用するなど、捜査力を強化して被疑者の早期検挙を図るとともに、公的懸賞金制度の導入により国民からの情報提供の促進を図ります。
子供が被害者となる事件の再発防止と少年の健全育成は国民すべての願いであります。子ども安全・安心加速化プランに基づき、地域住民、関係機関等の連携を強化し、子供を犯罪被害から守り、少年の非行防止のため総合的な対策を推進してまいります。
国民が身近に不安を感じる街頭犯罪や侵入犯罪については、その犯罪を抑止するため、空き交番の解消を含めた交番機能の強化等により街頭活動を強化するとともに、防犯ボランティア活動の活性化に向けた国民の意識と理解を高めるための取組を推進してまいります。
また、依然として深刻な被害が続いている振り込め詐欺等の匿名性の高い知能犯罪対策を一層推進してまいります。
世界一安心できるIT社会の実現には、サイバー空間の安全確保が不可欠であります。本年の警察白書で取り上げたように、国民生活を脅かすサイバー犯罪が年々増加していることから、これらの取締りを強化するとともに、関係行政機関、産業界等との連携に努めてまいります。
また、犯罪被害者等基本計画を踏まえつつ、犯罪の被害者や遺族の方々が一日も早く立ち直り、安心して日々の生活を送ることができるよう、相談対応や情報提供、精神的、経済的負担の軽減等を一層充実させてまいります。
第二は、組織犯罪対策の強化であります。
暴力団や来日外国人等による組織犯罪に対しては、国内外の関係機関との連携強化を図るとともに、犯罪収益等に関する情報の集約と分析を進め、資金源や犯罪インフラにかかわる犯罪の取締りを強化するなど、犯罪組織の壊滅に向けた諸対策を推進してまいります。
第三は、テロ対策と対日有害活動対策の強化についてであります。
世界各地でテロが続発するなど、テロ情勢は依然として厳しい中、平成二十年には日本でのG8サミットの開催が予定されているところ、日本がテロの標的になる可能性は否定できません。
一方、北朝鮮は、日本人拉致問題や核開発問題をめぐり態度を硬化させ、本年七月に弾道ミサイルの発射実験を敢行したほか、今月九日には地下核実験を実施した旨の発表をするなどして、国際社会から強い非難を受けております。
こうした情勢を踏まえ、今後とも、情報収集や警戒警備に努め、テロの未然防止に万全を期するとともに、北朝鮮による拉致容疑事案の全容解明や大量破壊兵器関連物資等の不正輸出事案を始めとする対日有害活動の摘発を推進してまいります。
第四は、総合的な交通事故防止対策の推進であります。
交通事故死者数が減少する傾向で推移する中で、飲酒運転に起因する交通事故は依然として後を絶たず、大きな社会問題となっております。
警察としては、平成十五年に立てた、十年間で交通事故死者数を五千人以下とする政府目標を達成するため、各種の交通安全対策を積極的に推進するとともに、飲酒運転の根絶に向けて、取締りを強化し、及び国民意識の高揚を図るため施策を推進してまいります。さらに、飲酒運転に対する制裁強化やひき逃げ罰則の引上げについては、その効果や適用上の問題等を検討しつつ、次期通常国会を目指して法改正の検討を進めてまいります。
以上、警察行政の当面の課題と対策について申し上げましたが、深刻な治安情勢に的確に対応していくためには警察基盤の一層の充実強化が必要であります。平成十九年度予算概算要求においては、平成十七年度から三か年での地方警官一万人増員構想に基づき、三千人の増員を盛り込んだほか、警察庁の果たすべき役割の増大を踏まえ、警察庁職員についても所要の体制整備を盛り込んだところであります。
今後とも精強な第一線警察を構築するとともに、引き続き警察改革の一層の推進を図ってまいります。
以上、所管行政について申し上げましたが、国民の皆さんが安全で安心して暮らせる社会を実現するため全力を尽くす覚悟でありますので、藤原委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。