伊吹文明の発言 (文教科学委員会)

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○国務大臣(伊吹文明君) 大変広範なお尋ねがありましたが、今回の未履修の問題あるいはいじめの問題等で現れてきた大きな視点は二つあると思いますが、一つは、例えば高等学校の本来の教育の目的と大学入試の関係、つまりこれは指導要領その他のことになると思います。ここは一つ大きな問題でございますが、同時に、文部科学省で基本的な方針をお示しした場合に、それを県の、道の教育委員会あるいは市町村の教育委員会、そして学校というこの一連の流れの中でどのように伝えていって、そして一番大切なことはお互いの権限の問題ではなくて預かっている子供を立派に教育するということなんですから、そこの流れがうまくできているのかというのが先生の御指摘だと思います。
 現行の教育基本法の不当な支配に服することなくということは、これは当時の田中耕太郎先生などの解説文を読んでみますと、特定の政治勢力の介入その他を排除するということをどうも念頭に置いてこれをお作りになっていたようでございます。ですから、少なくとも国会は国権の最高機関でございますので、ここで議決をされた法律に基づいた政令、告示によって県の、道の教育委員会が市町村の教育委員会に指導、指示をする、あるいは市町村の教育委員会が当該学校にいろいろな指導、指示をするということは、やはり私は不当な支配には入らないだろうと。国会で決めた流れの中でやっていただけないんならば、国権の最高機関としての国会のかなえの軽重が問われる、あるいは我が国の民主主義の仕組み、システムそのものを否定することになります。
 このことについては、司法の場で幾つかの事案について争われていることは先生御承知のとおりで、北海道の旭川の事案については御承知のような判決が出ていると。今回の教育基本法の改正法案では、その点だけはやはり国会の権威のために、我が国の民主主義のために法治国家としての原則だけを書いたと、政府案はですね、という構成になっております。
 そして、それを実際動かしていく行政は、やはりこれは予算権と人事権と、それから指示命令権と、この三つが組み合わされて実は政策というものは担保されていくわけです。ということからしますと、まず国との関係でいいますと、特に平成十一年の地方分権法、一括法で、教育長の指示権を国から取りましたね。それと同時に、国がこうと法律で決めていることがない、やってもらえなかった場合の改善措置命令権を教育委員会の法律から外して一般の地方自治法の中へ移してしまった、一般法の中へ移してしまったという二つのことがありますので、国は現在のところは指導をし、そして助言をしという権限。あえて指示権があるとすれば、都道府県教育委員会が市町村教育委員会に指導する、あるいは助言する内容について指示することができるということが書いてあります。今度は、それを受けた都道府県の教育委員会は、これは市町村予算の編成権はありません。しかし、市町村の教諭の人事権は持っておるという形になっております。
 実際、それじゃ下りていった、例えば旭川なら旭川の市の教育委員会はどういう権限を持っているかというと、自分たちの小さな範囲の予算編成権、しかしそれも道と国からの、例えば国でいえば、義務教育国庫負担金の三分の一をお渡しするというものの中での予算編成権しか持っておりませんし、人事権はございません。
 そういう状況でやっておるわけでございますので、いろいろな方法の、方向の改革案があると思います。民主党さんは民主党さんのお考えでひとつ改革案を出しておられますし、政治的中立等を考えると、それはどうも政府案としては余り賛成できないという形の我々の改革案を基本法の中に書いておりますし、この辺りは教育基本法の議論と併せて、最終的にはこの教育委員会にかかわる法律を国会で御審議をいただく場合に是非重点的に考えていただきたい分野だと思いますし。
 先生がもう一つ御指摘になっているような私学については、これはもう全く都道府県知事に任されているわけですが、都道府県知事の中で指導主事を置いて今回のカリキュラム編成まできちっと見ている県が一体幾つあるだろうかと。私学助成のお金のことばかりでどうもやっておるような気も私いたしますから、これはもう与野党を含めて、子供のためにやっぱり少し真剣にこの教育の行政の流れは考えて私はいただきたいと思っております。

発言情報

speech_id: 116515104X00420061109_017

発言者: 伊吹文明

speaker_id: 3636

日付: 2006-11-09

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会