渡辺周の発言 (本会議)
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○渡辺周君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました自民党、公明党提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案に反対し、民主党提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)
昨年十二月、佐田玄一郎前行革担当大臣が代表を務める政治団体が、架空の事務所費を政治資金収支報告書に記載していたことが発覚し、大臣を辞任しました。安倍内閣は、発足早々、政治と金の疑惑まみれのスタートとなりました。
その後、政治団体の事務所費を初め、政治と金にまつわる不透明な問題が次々に発覚し、角田義一参議院副議長の辞任、松岡前農水大臣の自殺など、国民の政治不信、政治家不信は著しく高まっております。
だからこそ、こうした政治不信を払拭するために、私たち政治家に課された使命は、選良のプライドにかけ、与野党の垣根を越えて、永田町の論理である政治と金の問題の抜本的解決に取り組み、国民の信頼を回復しなければならないのであります。
民主党は、三月六日、政治資金規正法改正案を取りまとめ、国会に提出しました。その後、約三カ月もおくれて、与党が重い腰を上げて改正案を提出しましたが、会期末ぎりぎりの審議日程を考えれば、その本気度は疑わざるを得ません。それでも、与野党の成案を得ようと、今月六日に、岡田克也民主党政治改革推進本部長が、石原伸晃自民党党改革実行本部長、東順治公明党政治改革本部長に対して、文書で修正協議を呼びかけました。
石原、東の両氏は、修正協議については、まずは委員会の現場に任せたいと回答したため、我々は合意の可能性が高まるよう、政治家関連の政治団体に対象を限定することまでおりた譲歩案を手に、筆頭間協議に臨みました。結果、不調に終わりましたが、十二日に再度、両氏に対して政党間の修正協議を呼びかけました。
こうした民主党の働きかけに対し、与党は、みずからの案を提示することはおろか、民主党案を真摯に検討することすらせず、ざる法をざる法のままとすることを選択しました。与党には、政治資金の透明化を求める国民の声に一切耳を傾ける気などなかったのであります。
与党の無責任ぶりと暴挙はそれにとどまりません。昨日、実質わずか二日間、七時間の審議のみで、質問は出尽くしたと与党は終局させ、委員会で採決を強行しました。私どもは早くから法案を準備し、国民の声を聞く参考人質疑を求めていましたが、そうした要求にも一切耳をかさず、わずかな質疑時間でざる法を成立させました。まさに、衆議院で七割を占める、与党の圧倒的議席数を背景にした傲慢な暴挙と言わざるを得ません。
以上、これまでの経緯を説明した上で、与党案に反対する理由、民主党案に賛成の理由を申し述べます。
重ねて申し上げますが、何といっても与党案は抜け穴だらけ、ざる法と言わざるを得ません。政治団体の支出の透明化に資するものとは甚だ言えぬ代物であります。
第一に、与党案は、政治団体の事務所費等の支出明細の記載や領収書添付の義務づけの基準額について、一件五万円以上としています。五万円以上という基準では、明らかにしたくない事務所費等の支出を領収書の分割によって隠ぺいされてしまうおそれがあります。
第二に、与党案は、政治団体のうち、不動産取得の規制対象を資金管理団体に限定しています。平成十七年十二月現在、政治団体はトータルで約七万、そのうち資金管理団体は一万強にすぎません。政治家が資金管理団体以外にも政治団体を保有している実態にかんがみれば、資金管理団体だけを規制しても、政治団体を通して不動産を取得できるという事態が起きることは明らかです。著しく実効性の乏しい規制であります。
同様に、事務所費等の支出明細の記載や領収書添付の義務づけの対象についても、資金管理団体だけに限定しています。これでは、明らかにしたくない支出については資金管理団体以外の政治団体で支出すれば済むことになってしまうのであります。
そもそも、事務所費等に関して問題とされた団体には、佐田前行革担当大臣や伊吹文部科学大臣が代表を務める、資金管理団体以外の政治団体が含まれています。資金管理団体以外の政治団体の支出が現に問題となっているにもかかわらず、資金管理団体だけを規制の対象とする理由は全く理解できません。政治家は、与党案は自分たちに甘い、こう言わざるを得ず、国民の理解を得られるはずもありません。
第三に、与党案は、取得禁止の対象を不動産に限定しています。しかし、結果として投機や利殖活動と同様の事態となることを回避するための措置としては不十分であり、株券その他の有価証券などの、主として金銭等の運用の対象となるものの取得もあわせて禁止すべきであります。
一方、民主党提出の修正案は、今申し上げた与党案の大きな抜け穴をふさぐため、厳格な規制を盛り込んでいます。
第一に、民主党修正案は、規制を実効性のあるものとするため、収支報告書への事務所費等の支出明細の記載や領収書添付の義務づけについてはすべての政治団体、不動産や有価証券等の取得の規制については政党を除く政治団体を対象にしています。資金管理団体以外の政治団体で不動産を取得することを可能とする与党案の抜け穴をふさぐための適切な措置として、高く評価をいたします。
第二に、民主党修正案は、不動産に加えて有価証券等も取得禁止の対象としています。結果として投機や利殖目的となる可能性のある事態を回避するために必要な規制であります。
第三に、民主党修正案は、収支報告書への支出明細の記載や領収書添付の義務づけの基準額を一件一万円超としています。与党案の一件五万円以上という基準と違って、政治団体の支出の透明化が格段に進むことと確信をしております。
以上、申し上げましたように、与党案はざる法、いかに与党が本質的に政治と金の問題に後ろ向きであるか、反面で、民主党の修正案がいかに政治団体の支出の透明化に資するものであるか、御理解をいただけたものと思います。
指摘しておきたいのは、このような与党の政治姿勢は今に始まったものではなく、長年にわたって与党にしみついてきたあしき体質であるということであります。これまでも、政治と金の問題が起きるたびに、取り組むポーズだけをとりながら、ほとぼりが冷めれば有権者はいずれ忘れるとばかりに、自民党は抜本的解決に取り組まずに放置してきました。政治と金の問題の本質的解決のためには政権交代しかなく、政権交代によって、たまりにたまったうみを一掃するしかありません。
以上、こうした与党の体質、姿勢を糾弾するとともに、抜け穴だらけで規制の実効性が低い与党案に断固反対、政治団体の支出の透明度を飛躍的に向上させ、胸のすく政治を実現できる民主党提出修正案に賛成して、私の討論を終わります。(拍手)