高野博師の発言 (外交防衛委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○高野博師君 よく分かりました。
 それでは、イラク特措法の改正案について何点かお伺いしたいと思いますが、サマワから陸上自衛隊が撤退した後、航空自衛隊がクウェートを拠点にいろいろな活動をされていると。特にこれは多国籍軍の兵士とか国連職員の輸送等も当たっておるということで、アメリカ、そして潘基文国連事務総長からも強い要望があるということでありまして、今直ちに撤退すべき状況ではないだろうと、こう私も思いますし、取りあえず二年の延長という期間もしかるべしではないかなというふうに思っております。
 ただしかし、いろんな状況が変化しつつあると。例えば、アメリカの世論も変化しつつある、ブッシュ政権の対イラク政策の批判も強まっていると。もし政権交代があればアメリカも撤退という方向に行くのかなという感じがいたします。イギリスでも同じような変化が見られると。
 そういうことも考えますと、いつ撤退するかといういわゆる出口戦略というのはやっぱり練っておく必要はあるんだろうと思いますし、これは官房長官が、政府は主体的に判断するということをおっしゃっておられますので、その主体的に判断する幾つかの基準というか根拠として、一つは、日本国民に説明してこれを納得してもらう。二つ目は、対米関係、特に日米同盟ということ、これに影響を与えないと。それから三つ目は、国連の強い要望もあるわけですから、国際社会も納得する。特にテロという問題、テロ対策についてこれどうするのかと、こういうことも含めて考える必要があるんだろうと思いますし、我が方は人道復興支援ということでありますから、撤退した後も何らかの形で、例えばODAというような形での支援を継続するということが必要なんだろうというふうに思います。
 そもそもイラク戦争、対米支持をしたという理由の中で、これは日米同盟のシンボルとして、象徴として日本は具体的に自衛隊を派遣するということをやったと、私はそう理解しているんですね。そこは、日米同盟というのはやっぱり日本にとっては死活的に重要性がある。北東アジアの不安定な情勢というのを考えれば、核、ミサイル、拉致、いろんな問題がある。これらの脅威に対して当然ながら日本は独自には、単独では対応できないというような、要するに正に死活的な、決定的ないろんな要因があるという中で、イラクとそれから北東アジアの情勢というのを切り離して別々に考えるというのは難しいんではないかというふうに思います。
 そういう中で、イラクに大量破壊兵器が存在するという、存在したというそのアメリカ側の開戦理由が崩れたとしても、直ちに独自に自衛隊を撤退という決断はなかなか現実には難しいんだろうというふうに思っておりまして、言わばソフトランディングをすると。これは、アメリカとの協議、あるいはほかの多国籍軍含めていろんな協議の中で撤退ということは考えていく必要があるのかなというふうに思っております。
 それからもう一つは、やっぱりテロ対策という点で、実は先般、マリキ首相が来日されたとき、我々も何人かでお会いをいたしました。自衛隊に対する、あるいは日本の支援に対する評価は非常に高いものがあることは間違いないと思います。そういう中で、テロという問題については、アメリカとイランが二十七年ぶりに対話をしたということがありまして、双方、アメリカもイランもそれぞれ思惑はいろいろあるんだろうと思いますが、双方とも今のイラクの政権を安定させるという点では一致しているということでありますが、イランは今のイランの体制を維持できるということ、あるいは核開発を認めさせるというようなことを要求していると思いますが、しかし少なくともイランがイラクにあるテロ組織への支援をやめるということがあればイラクの治安状況は改善するんだろうというふうに思います。
 イランは、イラクも含めた三者協議、治安に関する協議メカニズムをつくろうというような提案もしているようでありますが、アメリカ側は、もし米軍が撤退すれば、これはブッシュ大統領が、国際テロ組織アルカイダの聖域になってしまうんではないか、米本土へのテロ攻撃の発信基地になってしまうというようなことも、これはブッシュ大統領の発言でありますが。
 そういう状況の中で、この日米同盟という関係とテロ対策という観点から非常に難しい出口戦略になるんだろうと思いますが、その辺はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

発言情報

speech_id: 116613950X01720070607_090

発言者: 高野博師

speaker_id: 15245

日付: 2007-06-07

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会