川口章の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(川口章君) 澤先生、どうもありがとうございました。
 御質問が三つあったと思います。
 まず第一は、ワーク・ライフ・バランス施策を実施した企業で生産性が上がっているという、そういう傾向があるという報告をいたしましたが、どういう対策が効果があったのかという御質問でございます。
 これはまだ分析の途中でございまして、結果が非常に明確に出ているわけではないんですが、今分かっている範囲では、割と効果があったのが短時間勤務制度ですね。それからフレックスタイム制度、これは出社とか退社を個人が自由に選べる制度です。それから子供の看護制度、これは育児休業が終わった後、子供が病気になったとき会社を休めるという制度、この辺りが比較的利用されている企業では生産性に効果があるということでございます。
 それから第二点目は、私が課題として御説明いたしました情報公開の制度の関連でございます。
 ワーク・ライフ・バランスより、賃金を高めて優秀な人材を集めようとする企業が多いのではないか、ワーク・ライフ・バランスの情報がない状況ではそうなってしまうのではないかということを私は申し上げました。実際そのとおりだというふうにおっしゃっていただきましたけれども、もう少し説明いたしますと、私は、すべての企業が同じようにワーク・ライフ・バランス施策を提供する必要はないと思います。
 先ほどから議論になっていますように、業種とか規模とかあるいは企業の得意不得意というのがありますから、ワーク・ライフ・バランスが非常に、比較的やりやすい企業とやりにくい企業というのがあると思います。ワーク・ライフ・バランス施策を実施しやすい、そういう業種でありますとかそういう環境にある企業はそれをどんどん実施していただいて、そこを企業の売りにして、魅力として優秀な人材を集めればいいし、それができにくい産業では逆に賃金で優秀な人を集めればいいと。そういう、企業の側にもそういうワーク・ライフ・バランスがやりやすい企業、やりにくい企業、労働者の側にもワーク・ライフ・バランスを非常に切実に要求している労働者とそうでない労働者といますから、情報をきちんと公開することによってミスマッチが少なくなると。ワーク・ライフ・バランスが必要な労働者は多少賃金が安くてもそういうのを充実している企業に就職できるし、ワーク・ライフ・バランス必要じゃないよという人はワーク・ライフ・バランスはないけれども賃金が高いという企業に就職すればいいと。そういうことで労働市場でのミスマッチがなくなって、より効率的な市場になるのではないかというふうに考えます。
 それから、先ほどの御説明で、ヨーロッパでは女性の就業率が高まると出生率が下がるというふうに説明いたしましたが、もう少し正確に申しますと、女性の就業率が上がった場合に、例えば、同じヨーロッパでも、南ヨーロッパでは非常に大きく出生率が下がりました。一方、北ヨーロッパ、スカンディナビア諸国と言われているようなスウェーデンやノルウェーでは、女性の就業率が上がってもそれほど出生率は低下しませんでした。ここの違いがワーク・ライフ・バランスの違いであるというふうに私は考えております。だから、女性就業率の上昇と出生率の低下というのはほとんどの国で観察できるわけでございますが、ワーク・ライフ・バランスが充実していると出生率の低下がかなり抑えられるということでございます。

発言情報

speech_id: 116614061X00220070221_027

発言者: 川口章

speaker_id: 34813

日付: 2007-02-21

院: 参議院

会議名: 経済・産業・雇用に関する調査会