南野知惠子の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)
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○南野知惠子君 委員派遣の御報告を申し上げます。
去る二月二十二日から二十三日までの二日間にわたり、新潟県において、経済・産業・雇用に関する実情について調査してまいりました。
派遣委員は、広中会長、小林理事、澤理事、神取委員、和田委員、井上委員、そして私、南野の七名でございます。
以下、調査の概要を申し上げます。
まず初めに、新潟県庁を訪れました。冒頭、泉田新潟県知事より、地方で育てた人材や、地方で生産した商品の富、付加価値が都会に流出しており、地方は大変厳しい現状に置かれている、地方を良くすることが日本全体の明日の解決策になる旨ごあいさつがありました。
続いて、新潟県の経済概況と産業・雇用施策について説明を聴取しました。
新潟県の県内総生産の産業別構成比の特徴は、全国平均に比べて農林水産業、建設業、電気・ガス・水道業の占める割合が高いことですが、近年では、建設業の割合が低くなる一方、サービス業の割合が高くなるなど、産業構造も若干変化しております。また、製造業では、小規模事業所が多く、従業者一人当たりの製造品出荷額は全国で四十二番目と下位にあり、その理由としては金属加工や繊維など労働集約型産業が多いためとのことでした。
こうした状況の下、県では、「将来に希望の持てる魅力ある新潟県の実現」を基本理念とする新潟県「夢おこし」政策プランを策定しております。同計画では、付加価値創造型産業の振興を図るため、第一に、今後市場の伸びが期待される健康・福祉・医療関連産業を重点的に支援する、第二に、中国などの海外製品との厳しい価格競争にさらされている金属加工や繊維といった県を代表する地場産業を支援する、第三に、洋食器などの生活関連製品をヨーロッパの国際展示会に出展し、世界的に新潟ブランドを確立することとしています。
雇用状況については、平成十六年の中越大震災の復興需要が下支えとなり、全国を上回る有効求人倍率で推移していますが、本年には災害復旧事業もほぼ終了するため、その後の雇用動向には不安が残るとのことでした。若年者の有効求人倍率は、専門・技術職で高い一方、事務職で低いなど、職種間のミスマッチが存在しています。県の雇用施策ですが、安定した雇用の場の創出、確保のため、付加価値創造型産業の振興や企業誘致の推進を図るほか、企業ニーズに応じた人材を育成するため、ジョブカフェ事業や若年者の職業能力開発などを推進しているとのことでした。
派遣委員からは、正規・非正規雇用の現状、清酒用の米の流通状況、建設業に対する振興策、企業誘致の状況、地場産業振興計画に基づき作られた商品の特徴などについて質疑がありました。
次に、朱鷺メッセを訪れました。朱鷺メッセは、一万人収容可能な国際展示場、六か国語の同時通訳が可能な国際会議室、ホテル、万代島美術館などが一体化した国内有数の複合型コンベンション施設で、平成十五年にオープンしました。運営主体は、新潟県、新潟市などが出資する指定管理者の第三セクターであり、近隣に新潟大学医学部がある関係から医学系統の学会が多く開催されています。また、県と市によるコンベンション開催に係る補助制度を活用しているとのことです。派遣委員からは、施設の維持管理にかかる経費、ホールの稼働率などについて質疑がありました。
次に、新潟商工会議所から、新潟の地域経済状況などについて説明を聴取しました。全国的に商店街の衰退に歯止めが掛からない中で、新潟市は恵まれた方ではありますが、大企業がないため景気が良いとの実感はなく、現在の好景気は地域間格差、企業間格差があると感じているとのことでした。また、製造業では、原材料の高騰が収益を圧迫している、自動車などの好調な企業とそうでない企業の二極化が進んでいるとの説明がありました。派遣委員からは、新潟市への一極集中が周辺地域に与える影響などについて質疑がありました。
次に、新潟スタジアムを視察し、スタジアムの概要及びスポーツによる街おこしについて説明を聴取しました。新潟スタジアムは、平成十三年にオープンした収容人員約四万人の総合スタジアムで、ビッグスワンの愛称で県民に親しまれています。二〇〇二年ワールドカップの会場となったほか、Jリーグ所属のサッカーチームであるアルビレックス新潟の本拠地でもあります。サッカー以外にも、陸上などのスポーツはもちろんのこと、コンサートなど様々なイベントに利用されており、年間入場者数は百十五万人に上り、県内観光の拠点としても評価されています。入場者の大半はJリーグの観客であり、試合では常に満員にしたいとのことで、招待券を配布するなど様々な工夫をしているとのことでした。アルビレックス新潟は、地域密着の理念の下、第一に、新潟の子供たちに夢を与える人づくり、第二に、地域の人々と活気あふれる街づくり、第三に、豊かなスポーツ文化の創造を活動の基本としており、サッカーの試合だけではなく、例えば子供たちのフットサル教室の開催などにより、地域住民の満足度を高める努力をしているとのことでした。派遣委員からは、アルビレックス新潟の経営構想、すそ野の広い後援会の必要性、高齢者に観客となってもらう方策、アルビレックス新潟の経済波及効果などについて質疑がありました。
翌二十三日は、まず、小林工業株式会社を視察しました。小林工業は、燕市を代表する洋食器メーカーであり、明治元年にかじ業として創業、大正四年に金属洋食器の生産を開始し、今年で九十二年目を迎えます。洋食器の生産工程は複数社で分業するのが一般的な中、同社は日本で唯一、一貫生産し、ラッキーウッドのブランドで販売しています。現在、洋食器産業は、中国などが低賃金労働で生産しているため、国際競争の中で戦わなければならず、また、原材料の価格が高騰しているといった問題を抱えていますが、付加価値を高め、良い商品を作り、世界に認められるようチャレンジしていきたいとのことでした。工場内は、板状の原材料からスプーンなどの形を作るプレス工程、仕上げを行う研磨工程、不良品を見付ける検品工程に分かれておりました。瞬時にわずかな傷でも発見する検品工程などを見ても、我が国の高度なものづくりは、こうした製造業に携わる人々の努力によって支えられていると実感できました。なお、派遣委員からは、宣伝方法の工夫の必要性、社員の雇用状況などについて質疑がありました。
最後に、朝日酒造株式会社を視察しました。朝日酒造は、長岡市にある新潟を代表する酒造メーカーであり、天保元年に創業しております。「酒造りは米作りから」の考えから、多収穫ではない品質本位の米を契約栽培し、製品の質的向上を図っており、また、財団法人を設立し自然環境の保全活動に助成するなど、地域に根差した活動にも取り組んでいるとのことでした。工場内は、蒸し米、こうじ造り、もと造り、もろみ仕込みの各工程があり、温度・湿度調整ができる近代化された設備と杜氏の熟練した技術が相まって、伝統的な日本酒が造られておりました。
なお、今回の派遣に当たっては、新潟県並びに関係者の皆様から多大な御協力をいただきましたことに対し、厚く感謝の意を表し、報告を終わります。