大江守之の発言 (少子高齢社会に関する調査会)
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○参考人(大江守之君) 今日はお話ししなかった点でございますけれども、今私たちは実は東京圏の郊外だけではなくて、北九州市という政令指定都市、それから山形県米沢市という地方の中小都市を対象にして、比較研究も含めながら高齢者の街なか居住、利用ということもやっております。
米沢は青森と一緒で大変雪が多い場所でございまして、そして青森市と違いまして、かなり公共施設を周辺に移転してしまったために街なかがかなり空いている状況です。それから、米織関係の製造業の事業所がたくさんあったんですけれども、これも繊維の関係の全体的な不況といいますか衰退によってかなり空き地が出ているという状況がございます。
そこで、私たちはとても立派な呉服屋さんの空き店舗を借りて、高齢者のつながりづくりというのを、さっき御紹介した横浜のふらっとステーション、つまり全く立地も違えば居住者も違えばというものをあえてそこに持っていったときにどういうことが起きるのかということで、実験的取組として米沢市の商工会議所の御支援を受けながらその取組をやってみて、それを青森市もお取りになりました全国都市再生モデル調査の中で試してみました。
実は、今余りうまくいっていない状況でございまして、一つは、コミュニティービジネスとしてそれがどういうふうに成り立つかということで、会社を地元の方につくっていただいてやってみたんですけれども、やはり経営的には非常に難しい状況で、大体予想したぐらいの人は集まってくださったんですけれども、なかなか人件費を出すまでに至らないというようなことで、空き店舗の利用、それから高齢者が街なかをより使っていくというためには、もう少しやはり何らかの公的な助成が必要かなと。もしそれをそうじゃない形でやろうとしたときに、何かしらの会員組織であるとか、要するに協働してそれを支えるという仕組みをもうちょっと別に考えなきゃいけないということが今分かってまいりまして、次のステップとしてそれにどう取り組むか、今それを考えている最中です。
それから、高齢者の住まいもつくっていこうということで、これも先ほど御紹介した高齢者グループリビングというものが日本自転車振興会の補助制度になりましたので、それを使ってグループリビングをやってみようというところがないかということで、そういった意欲のある団体にいろいろお声を掛けてみまして、今それが少しずつ動きつつあるんですけれども、そういうものを実際につくっていきながら、少しずつ実態としての高齢者の居住それから利用というものを進めていき、そして、そういうモデルを基にしながらまたいろんなところがそれに取り組んでいくということができればいいのではないかと思います。
そのときに、いろんな方と今お会いしてお話を伺っている中で、私が余り予測していなかったこととして起きているのは、高齢者の独り暮らしが予想以上に多いということと、それから雪があることで、そういう方たちを宅老所をつくってお預かりしてお世話をするということが民間で予想以上に進んでいる。それは一つには、やはり認知症高齢者グループホームを株式会社もできるように介護保険制度の中でしたということで、そういった事業者がたくさん出てきたことの延長上にそういう動きがあるわけですね。
ところが、いろんなもちろん形でやっていらっしゃるんですけれども、非常に人によるケアの部分というのに力を入れなきゃいけないという、つまり高齢者をお世話しなきゃいけないという考え方がやはり非常に強くて、そうしますと、既存の民家を使って一部屋に二人ずつぐらいお住まいになるという宅老所でも、月々の必要な経費が十三万ぐらい掛かるということなんですね。
実はこれ、先ほど御紹介した高齢者グループリビングは、一人当たりの居室面積が二十五平米あって、そして十人で住まっていて、共用部分全体が廊下やリビングを含めて一人当たり二十五平米と同じぐらいあるんですね。それでも月額の家賃やサービスのための費用が十三万円台で藤沢でやっておりますし、初期に払う共用部分の二十年間の家賃が三百七十万ということで、月額に直すと一万五千円ぐらいなんですね。それぐらいで、新築でバリアフリーで非常にきちっとしたハードウエアができる。それを十三万、共用部分の家賃も含めて十五万ぐらいで神奈川の藤沢のいい場所でも住めるわけですね。
それが、米沢に行ったときに、十三万円で既存の住宅で一部屋に二人でという、そういう住まい方と同じだということは、もちろん高齢者が何を望んでいるかということにもよるんですけれども、できる限りやっぱり自立して暮らしていくという高齢期をつくっていくためには、やはりきちんとしたハードウエアと、それから必要以上にお世話をしないという仕組み、そしてそれがむしろその地域の資源を使ってコミュニティービジネスになっていくような、グループリビングの場合にはワーカーズコレクティブの人たちが食事や生活支援をしていらっしゃるんですけれども、そこでやっぱり小さなビジネスができているんですね。
そういう形で、その地域の資源を上手に掘り起こしながらやっていくという形のモデルに進んでいくことが望ましいんじゃないかと思いますし、この米沢という地方都市でも、そういった形でそれを中心市街地の方に密度高くつくっていくことによって効率的にコミュニティービジネスが事業を展開できるというふうになっていく可能性はあるというふうに考えていて、是非そういうモデルをどこかで実現してみたいなというふうに考えております。
ちょっとお答えになっているかどうか分かりませんが。