船田元の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)
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○衆議院議員(船田元君) お答えいたします。確かに言いにくい部分ございますが、あえて申し上げたいと思います。
三月の二十七日に、今年ですね、三月二十七日に与党の併合修正案を出させていただきました。また、民主党さんは民主党修正案を四月の十日に出されたわけであります。そこにおける違いというものは、残念ではありますが、少し相違点が広がりまして、三点になりました。
一つは、これは先ほども申し上げた国民投票の対象、これが依然として溝が埋まらないという状況でありました。それから、年齢要件に関する経過措置ということで、与党案では、関連法令が整備されるまでの間、これは公選法、民法等でありますが、それが整備されるまでの間は二十歳以上とする経過措置を置く、それに対して民主党案は経過措置は規定しないと、こういう点が違っておりました。三つ目の違いは、公務員の政治活動の制限につきまして、与党案では、本法が施行されるまでに憲法改正に関する賛否の意見の勧誘その他の意見表明が制限されることとならないよう必要な法改正を行うということを将来の約束として示した。民主党案におきましては、国家公務員法、地方公務員法等の政治活動の制限規定をこの国民投票運動については全面適用除外とすると、こういう点が違っていたことであります。
そのほか、あと政策的、技術的な相違点として二つございましたのは、先ほどもちょっと申し上げました新聞の無料枠を置くか置かないかということ。それからもう一つは、テレビ等における有料広告の禁止期間を二週間とするか、与党が二週間とする、民主党案はこれは最終的には全期間ですね、発議から投票期日までの全期間禁止とすると、こういう点が政策的、技術的な相違点でありました。しかし、前の三つの方がこれは大きな相違点として残ってしまったということでございます。
さらに、御質問として、この三つの相違点を与党として丸のみするとどうなるかと、こういう話でございますが、これも今まで御答弁申し上げてきたように、国民投票の対象というものを、これはちょっと言葉は語弊はありますが、むやみに拡大をするということになりますと、これはやはり現在の議会制民主主義の在り方とそれから直接民主制の在り方が非常にあいまいな状況になると。それから、たとえ諮問的とはいえ、一たび結論が出た一般的国民投票においては、どうしてもそれが時の政府あるいは行政を縛るということになりまして、非常に諮問的というものがこれはもう義務的になってしまう、こういう問題が出てくると、そういうことであります。
確かに、民主党案の修正案におきましてはこういうただし書が付いておりました。日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から検討を加え、ということが一応書いてはおられますけれども、しかし、やはりこれは直接民主制と間接民主制がちょうどぶつかる部分でありまして、その辺りをなかなか整理ができないんではないかということを懸念をいたしたわけであります。
それから、二番目の相違点である年齢要件に関する経過規定でございます。
これも、この参議院の特別委員会でも議論されたところでございますけれども、やはり経過措置を設けない場合には、これはこういうことがあってはならないことなんでありますが、選挙権年齢が二十歳以上でとどまってしまっている、しかしながら国民投票については満十八歳以上になるということで、選挙とそれから国民投票との間で年齢が違ってしまうと、こういう事態も万が一でございますが、あるかもしれない。そういうことをなくすために我々は経過措置を設け、そして、これはもう極力といいますか、もうできる限り期間内に公職選挙法などを十八歳に引き下げるという努力はもちろんするつもりでおりますけれども、万が一の経過措置ということで置かせていただいたものでありまして、これがない場合にはそのようなそごが生じるおそれがあるという点でございます。
それから、三番目の違いである公務員の政治的行為の制限適用除外、これもこれまでもこの委員会におきまして大変議論があったところでございます。私どもは、国家公務員法と地方公務員法の中において、いわゆる勧誘行為というものが国家公務員法では制限なし、それから地方公務員法では制限がある、こういうアンバランスが生じておりました。違いが生じてしまいます。ですから、それをなくそうということでいろいろ考えてきたわけでありますが、私どもも一時期、十二月十四日時点では一度考えたことなんでありますが、この国家公務員法、地方公務員法の政治的行為の制限規定の全面適用除外、国民投票においては全面適用除外ということを一度考えるに至りました。
しかしながら、これをやってしまうと、この国民投票運動に関して、あるいは国民投票運動に付随して、この政治的な特定の候補者や特定の政党や特定の団体を支持するような政治的な行為を併せて行う、そういう問題があるかもしれない。そういうことについての歯止めが全くなくなってしまうというのはいかがなものだろうかということで、私どもはまた考えをいったん元に戻すという、そういう状況になってしまったわけであります。
しかしながら、やはり特定の団体や候補者を支持しないような、いわゆる純粋な国民投票運動については少なくとも意見表明や勧誘ということについてはこれは自由であるべきだと、こう考えておりますので、その附則におきまして、国家公務員法等におけるその切り分けを丁寧にやっていこうということで、これも三年間の間に経過措置としてやっていこうと、こうしたわけでありますが、民主党さんがおっしゃるように全面適用除外ということを、これをすぐやってしまうと、今申し上げたようなグレーゾーンの部分の規制といいますか、公務員法に照らしての問題点が生じるおそれがあると、こう私どもは考えましたので、これはなかなか全面適用除外というのは今現時点では難しいんではないかと、しかし、何とかそういう方向に向かってうまく切り分けをしたい、こう考えております。