山崎正昭の発言 (本会議)

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○山崎正昭君 政府開発援助等に関する特別委員会におきまして、去る十三日、議決し、同日、議長に提出いたしました「政府開発援助等に関する調査報告(中間報告)」について、御報告申し上げます。
 本委員会は、第百六十四回国会召集日の平成十八年一月二十日に設置され、これまで約一年半にわたり、政府開発援助、いわゆるODAを始めとする国際援助・協力に関する諸問題について積極的に取り組んでまいりました。
 この間、二院制の下における参議院の特性を発揮すべく、決算審査の充実等の観点から、効果的、効率的な援助が行われるよう、ODA評価を含めた調査を進め、ODAの透明性、国益や外交戦略との関係、ODA実施体制の見直しなどについても議論を深めてまいりました。特に、現在、十三府省庁に別々に計上されておりますODA予算を横断的に一括して審査するなど、従来の制度ではなし得なかった新しい試みも実施いたしました。また、パプアニューギニアのソマレ首相を始め、被援助国の首脳の出席を得て、我が国の援助につき直接意見を交わすなど、これまでに例のない調査にも取り組んでまいりました。
 これらの実績を踏まえ、今国会では、外交手段としてのODAの活用、平和構築とODAの役割、対アフリカ支援など、我が国援助が抱える諸課題について、国内外の研究者、実務経験者など、外部識者との意見交換を集中的に行いました。
 以上を踏まえ、今般、これまでの調査の集大成として、新たな国際援助の在り方に向けての七項目から成る提言を含め、中間報告を行った次第であります。
 また、同十三日には、中間報告を踏まえ、安倍内閣総理大臣、麻生外務大臣並びに緒方国際協力機構理事長の出席を得て質疑を行いました。
 さて、ODAを始めとする我が国の援助は、今やそのあるべき姿が根本から問われていると言っても過言ではありません。ODA予算はこの十年間において約四割削減され、かつてODAの規模では世界第一位を誇った我が国は、今や世界第二位の地位さえも英国に取って代わられております。このため、外部識者からは、最も重要な外交手段であるODAの削減により、国際社会における我が国の存在感が薄れつつあるとの懸念の声も聞かれました。
 提言では、我が国が引き続き国際社会において重きを成し信頼を得ていくためには、ODA事業量の削減に歯止めを掛け、適正な援助水準に向けて純増による量的確保を行うべきであるとし、当面、ODA事業量の百億ドル積み増しなどの国際公約を誠実に履行することが不可欠であるとしております。
 一方、当委員会が最も重要視しました点は、現在、我が国の援助が量のみを誇る援助から人材をも誇る援助へと大きくシフトすべき転換期を迎えている点であります。
 このため、提言では、人材育成の分野に援助予算を飛躍的に拡充するとともに、政府等における総合的な研修体制の整備、強化の推進を強く求めております。将来においては、国内外の実務者、研究者の参加による、アジアでのハブ的機能を有する研修機関として、仮称ではありますが、人間の安全保障センターの創設も提言しております。
 さらに、提言では、援助に携わる人材のキャリアパスの確立の必要性も強調しております。現在、我が国は、援助の現場で経験を持つ人材が正当に評価、活用されず、継続的に援助活動に取り組むことが困難な状況にあります。このため、NGOや研究機関、民間企業などから、外務省、在外公館等への継続的な登用、国際機関への派遣などを通じて、優秀な人材の育成を強力に推進し、人材の援助大国としての地位を築き上げなければなりません。
 途上国支援は政府だけで成り立つものではございません。欧米諸国では、我が国に比べ対外援助に占める民間資金の割合は極めて大きく、今後、我が国におきましても民間部門の力を一層活用しなければなりません。
 提言では、NGOへの支援措置の拡大、民間投資を促すための投資環境整備へのODAの活用、租税・投資協定締結に向けての外交努力、文化交流の促進など、民間部門の活用策を積極的に展開し、途上国との強固な政治的、経済的関係を結ぶことが援助の目的であることを指摘しております。
 提言では、このほか、日本型援助の知見を生かした平和構築の推進、東アジアの成長と統合に向けた我が国援助の役割、アフリカの貧困削減と支援理由の明確化等にも触れております。
 提言の最後には、本院の援助政策への積極的関与の必要性を指摘しております。
 参議院は、我が国の援助のあるべき方向性を示すべく、政治主導の立場から、政府に対し一層の評価情報の開示を要請し、事後評価に基づく費用対効果の評価を進めると同時に、政策に対する評価についても重点を置くべきであります。また、引き続き、海外派遣調査を実施するなど調査の一層の充実を図り、その成果を踏まえ政府との意見交換を進め、援助予算の大枠の在り方を始め、政府の援助政策について積極的に関与すべきであります。
 政府並びに関係各方面におかれましては、以上の基本認識を踏まえまして、本提言を今後の施策に反映されますよう、強く要望するものであります。
 来年は、日本においてG8サミット、アフリカ開発会議が開催されるなど、日本の援助が世界から注目を集めることとなります。本院同僚議員におかれましては、次国会以降も参議院の独自性を発揮すべく、ODA等をめぐる諸問題に対し、積極的な参加と協力をお願い申し上げます。
 本報告を終えるに当たり、特別委員会におきまして活発に御議論いただきました委員各位、貴重な意見をお述べいただきました有識者の方々など、関係の方々に心から感謝を申し上げます。
 以上、御報告とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 山崎正昭

speaker_id: 3229

日付: 2007-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議