阿部知子の発言 (本会議)
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○阿部知子君 社会民主党の阿部知子です。
私は、社会民主党・市民連合を代表し、内閣提出のテロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)
十月七日、アフガニスタン攻撃によって開始されたOEF、不朽の自由作戦は、国際社会が培ってきた戦争の非合法化の流れに真っ向から逆らう国際法違反の軍事報復行動であり、予防戦争でもありました。
九・一一米国内での同時多発テロを受けて上げられた国連安保理決議一三六八号は、テロ実行犯の引き渡しによる司法的解決、平和的手段による解決を求めたもので、同時にその前文で米国の個別的自衛権あるいは集団的自衛権の権利を確認しつつも、武力行使、まして体制変更のための戦争を容認するものではなかったはずです。しかし、米国はその後も、テロ組織アルカイダと大量破壊兵器の存在を理由に、アフガニスタンからイラクへと戦争を拡大させ、さらに近年、イランへの攻撃すら検討されていると聞きます。
一方、この戦争の実相は、あくまで緊急避難であるはずの個別的・集団的自衛権の行使としてのOEFが今日に至るまで六年以上も継続され、米国を初めとする連合軍兵士はもちろんのこと、イラクでもアフガニスタンでも多くの非戦闘員の犠牲を生み、さらにテロは拡大の一途という悪循環を生んでいます。対テロ軍事行動は、世界をより危険で憎しみと暴力に満ち満ちたものといたしました。
だからこそ、OEF・MIO支援のための我が国の海上自衛隊による補給活動は、彼らの真摯な努力に感謝するとともに、今日きっぱり中止し、テロに対しての国際社会の取り組みを再度仕切り直す必要があると考えます。わけても、パキスタンやイラン等の近隣諸国、タリバンをも含めた諸勢力を集めた和平のテーブルづくりは、不穏の拡大する中東において早急に実現されねばならない課題であり、日本はそのためにこそ汗をかくべきです。
また、治安は悪化し、生活は破壊され、国土は荒れ果て、ケシの栽培によって生計を立てるアフガニスタンの人々に対して、武装解除、国軍創設、警察再建、司法整備、麻薬対策など治安分野改革にも、ODAとあわせ日本の文民貢献が必要とされます。また、これまで現地での信頼や評価の高いNGOの活動も十分に生かされるべきです。日本の事情で自衛隊をどう使うかよりも、まず相手国のニーズをきちんと把握することと思います。
加えて、新たに提案された給油法の前提には、この六年間の海上給油活動を総括、点検するという作業も必要でしたが、情報管理に関連した数々の不祥事や隠ぺい体質、守屋前事務次官の過剰接待、防衛産業との癒着疑惑などが発覚し、審議は十分には深まらないまま採決が強行されました。
その結果、この間、市民団体によって指摘された燃料のイラク戦への転用疑惑等を再び招くことのないような歯どめ策もなく、政府の説明責任と情報公開のあり方、国会の関与とシビリアンコントロールなど、重大な論点は不問に付されたままです。こうしたずさんな情報管理体制と国民への隠ぺい体質は今後も続くことになり、主権在民とはほど遠いと言わざるを得ません。
ちなみに、このテロ対策特措法をめぐって二人の政党を代表する政治家がその進退を口にされました。自由民主党の安倍前総裁は首相の座を去り、小沢民主党代表は苦悩の末、残られましたが、いずれにしろ、米国の軍事一極支配ではない、新たな世界秩序の構築に向けた日米の信頼と緊張関係が求められていることがその背景にはあると思います。
大きな時代の要請と選択を誤ることなく、日本が平和憲法に基づく武力によらない国際貢献をしっかりと実行していくべきことを主張して、私の反対討論といたします。(拍手)